「渋谷で教える起業先生」(毎日新聞出版)の著者 黒石健太郎です。
起業を考える学生を対象にビジネススクールを運営しています。
ビジネススクールの受講生の中でも、
学生起業をしようとした際に、
一番最初に出てくるビジネスアイデアは、
「家庭教師」や「学習塾」である。
最も、自分自身の強みを活かすことができ、
始めやすく、続けやすい事業領域であり、
目的やゴールによっては素晴らしい選択である。
そこで、家庭教師起業から始めようとしている方に向けて、
以下の3点のアドバイスを行ないたい。
1:学生起業を、家庭教師から始めると良いケースとは?
2:学生起業で、家庭教師を行なう際の難所とは?
3:家庭教師で、学生起業する際の、事業の肝
学生起業を、家庭教師から始めると良いケースとは?
事業の善し悪しは、目的・ゴールによって決まってくる。
1000億円を越える事業を創りたいと思っているにも関わらず、市場規模が100億円の市場で起業したとしても、実現できるはずはない。
市場規模を越える事業は創れないからだ。
学生個人が、一気にスケール拡大できる事業を立ち上げたいと考えつつも、飲食店を立ち上げていると、それを実現するのは難しい。
飲食店の展開には、店舗開発コストが膨大にかかるからだ。
では、家庭教師から始めるのが良いケースとはどんなケースであろうか。
それは、目的・ゴールが以下のときである。
・目的:とにかく自分で事業を始めてみたい
・ゴール:生み出したい利益額の目標は、月100万円程度でいい
このような場合には、家庭教師事業は最適である。
現在、上場企業の社長となっている方々も、学生時代は、このような小さな事業からスタートしていた方が多い。
例えば、マネックス証券の創業者である松本大氏は、学生時代には、自宅で学習塾を開いていた。
アルバイトに代わりに、学習塾の運営を通じて、毎月それなりの収益を生み出していたようだ。
また、先日、お会いした、ある上場企業のCFOの方は、京都大学在学中に、
家庭教師を自身で営業することにこだわり、指導品質を磨き続け、親御さんへの営業を続けることで、最高時間単価10,000円まで引き上げることに成功したと言っていた。
このように、初めて、「起業」を体験し、ビジネスの難易度を感じる経験を積むためであれば、最高の経験の場所となる事業である。