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「早期退職して第二の人生」はアリ?お金、人間関係、キャリアの考え方とは

独立ノウハウ・お役立ち

日本の終身雇用の制度が今後ますます崩壊し、早期退職を選択する人も増えていくことが予想されます。早期退職後に別の会社へと転職するのもよいですが、経済的に独立し経済的自立と早期退職を叶えたり、独立して経営者になったりと第二の人生の選択肢は多様化しています。しかし「早期退職して後悔しないだろうか」「お金が足りなくなったらどうしよう」など、まだまだ不満を抱えることも多いと思います。この記事では早期退職の準備に向けたお金や人間関係、次なるキャリアの考え方についてまとめます。

早期退職による第二の人生を歩み始めるのはアリ?

日本の高度成長期に形成された一般的な終身雇用のモデルは、新卒から1つの会社に定年まで勤めてその退職金をもとに老後を過ごすというものでした。しかし、現代社会では早期退職を含めた多様な働き方や生き方を選択する人が増え、受け入れられるようになりました。

また企業側にとっても、業績の落ち込みなどから予定されていた退職金に上乗せしてまで早期退職を募る動きもみられます。定年のタイミングまで待たずに第二の人生を考えている方にとっても、企業が提示する早期退職プランは大きなきっかけとなるはずです。

多様な生き方や考え方が存在する現代社会で、早期退職をして第二の人生を歩み始める選択肢は大いに歓迎されるでしょう。しかし闇雲な早期退職ではなく、事前に準備や計画が必要です。

早期退職には綿密な資金計画が欠かせない

第二の人生を歩むための早期退職を考える上で、「仕事を辞めてから生活資金が足りなくなってしまわないか」と不安になることがあるかもしれません。第二の人生には綿密な資金計画が重要となります。

例えば「年金はいつから、いくら受給できるのか」「月額でどれくらいの生活費がかかるのか」「自宅のリフォームや修繕、車の買い替えなどまとまった資金が必要になることはないか」などライフプランをしっかり事前に考えておきます。そのうえで退職金や貯蓄額と見合うかを判断するようにしましょう。

安易に早期退職をして将来的に資金繰りに困り、後から早期退職を後悔することがないようにしましょう。

生活費の25倍の資産を用意する“FIRE”とは?

FIRE(ファイア)とは英語の「Financial Independence, Retire Early」から各単語の頭文字をとったもので、日本語では“経済的自立と早期退職”を意味しています。一般的によく使われているアーリーリタイアと同義です。なお、年間支出の25倍の資産を用意すればFIREを実現できるとされています。

例えば単身者が一人で年間100万円の支出がある場合は25倍の2,500万円が必要となります。夫婦やまだ自立していない子どもがいて、年間200万円の支出がある場合は5,000万円分の資産を用意します。生活費が年間300万円だと7,500万円分が必要になるので、今後の生活費の見積りはFIREにおいて重要な考慮ポイントとなります。

家族の人数や生活スタイルに合わせて試算してみましょう。

早期退職前に済ませたいお金に関する3つのポイント

早期退職の準備として、事前にお金の問題は解決しておきましょう。解決しておきたい点を3つのポイントにまとめました。今後のライフスタイルにも関わる内容となるため、家族にも相談して事前に理解を得ておきましょう。

投資でも貯金でもなく“返済”こそが最優先

住宅ローンや自動車ローンなど、返済しなければいけない負債がある場合は“まずは返済すること”を最優先に考えます。住宅ローン控除のメリットがある場合を除き、ローンの金利は“現時点で借りている金額の〇%”となってくるため早めに負債額を減らすか完済したほうがいいと考えられます。特に金利の高いカードローンやクレジットカードのリボ払いなどが残っている場合は、最優先で返済しましょう。

投資運用で得る利益よりもローンの返済で支払っている金利の方が高くなってしまっては、十分な資金が用意できません。また全額を投資にまわすのではなく、ある程度の生活資金としてすぐに使えるように預貯金として残しておくことも頭に入れておきましょう。

生活レベルは下げておく

“一度上げた生活レベルは元に戻しにくい”といわれています。“都心の賃貸ならば郊外など家賃の安い物件に引っ越す”“日常的に外食しているのであれば回数を減らす”“衣料品などの出費を抑える”など、可能な範囲で生活レベルを下げても不自由しないような環境を整えておくとよいでしょう。

固定費や生活コストは塵も積もると年間支出に大きく影響します。退職後の人生は想定外の出費があると心得て、衣食住において低コストな生活レベルで満足するようなライフスタイルを確立しておきましょう。

資産運用は手堅く、個別株よりもインデックスファンドを

低金利の時代に預貯金だけで資産を放置したままでは、資産を増やすことはできません。早期退職後には投資による運用利益は貴重な収入源となります。しかし運用する場合は、個別株よりもインデックスファンドで行うほうが手堅い選択です。

インデックスファンドとは、市場全体の動きを表す代表的な指数に連動した成果を目指す投資信託を指します。株式市場での値動きが把握しやすく、分散して投資することで投資リスクが防げるためです。

早期退職前に人間関係も整えておく

第二の人生では、“これまでとは違った人間関係を築きたい”と考えている方も多いかもしれません。今後の人間関係についても早期退職前に考えておきましょう。

会社や取引先との人間関係は維持したい

早期退職したとしてもこれまで勤めていた会社や取引先の人間関係をリセットすることなく、ある程度は良い関係を維持することをおすすめします。積み重ねてきたキャリアは自分の強みとなり、退職後も似たような業種や職種でつながれる可能性があるためです。

第二の人生では“趣味や余暇を優先して好きなように生きていく”と考えていても、業務委託やアルバイトなど負担の少ない働き方で“経験を活かして自分のペースで働きたい”と思うことがあるかもしれません。そんな時にこれまで関わってきた職場での人間関係は、大きな助けになるでしょう。

SNSやオンラインサロンなども活用

SNSやオンラインサロンの活用は、早期退職や第二の人生を歩もうとする同じ志を持つ人々と関わるきっかけとなります。

早期退職やFIRE、移住したい国や地域について発信しているインフルエンサーをSNSや動画サイトなどを活用して見つけます。そして、そのインフルエンサーのフォロワーやオンラインサロンなどで、目指しているものが同じ仲間と情報交換ができるとよいでしょう。

コミュニティのルールに従った上で積極的に質問やコメントをすることで、早期退職への不安や不明点を解消することができます。またオンライン上であっても人間関係を醸成する機会となります。

早期退職前に身に付けたい、第二の人生で役立つポータブルスキル

第二の人生でどんな働き方や環境でも役に立つ、ポータブルスキルについても確認しておきましょう。

プライドや肩書きを捨て人生を楽しむ“マインドづくり”

これまで大企業や役職のある仕事をしてきた人ならば、会社のネームバリューや与えられた役職が自分にとっての大切なプライドやアイデンティティとなっていたかもしれません。しかし早期退職後はそのような“元〇〇会社の部長”などといった肩書きや、過去に稼いできた報酬については一度忘れましょう。

これまでの人間関係は大切にしつつも、過去の栄光を自分のアイデンティティにしてしまわないように新しい気持ちで、第二の人生を前向きに楽しむマインドで生きていくことをおすすめします。

人との対話で価値観を広げる“コミュニケーションスキル”

会社に勤めていた時には、毎日のように会社の仲間と話をする機会があったかもしれません。上司や部下が気を遣って、円滑なコミュニケーションができるように環境を整えてくれていた可能性もあります。

しかし早期退職後は、自分から積極的に他人と関わって積極的にコミュニケーションをとりにいかないと、待っているだけでは関係性を広げることはできません。

第二の人生で新しく接するコミュニティで、他人との対話の中から多様な価値観を広げていきましょう。自分自身の考えを伝えることも、相手の考えを聞くことも、情報交換の大きな助けとなるはずです。

自分の知らないことや分からないことを認める“無知の知”

1つの業種や職種で長く働いていると、自分にとっては常識だと思っていることも他人にとってはそうでないことがあります。また第二の人生として新しい世界に挑戦した際に、自分には全く無知の分野や業界があることを知るかもしれません。

“無知の知”とは、自分に知識がないことを自覚するということです。“自分は大抵のことを知っている”という傲慢な態度を改め、知らないことを怖がらず、謙虚な姿勢で新しく学んだり世界を広げていくのを楽しんでいきましょう。若い世代や未経験の業種からも、人生をさらに面白くする発見が得られるチャンスもあります。

生涯現役でいたい人へ、第二の人生のキャリアについて

“早期退職後は趣味や余暇を最優先にゆっくりしたい”と考えている人にとっても、時間は思った以上に長く残されているものです。仕事は細く長く続けて“生涯現役でいたい”という気持ちがあるならば、これまでの働き方にこだわらずに第二の人生のキャリアについても考えておきましょう。

大きく稼ぐことよりも、負担の小さい仕事を

早期退職すると決断したのには、現役で働いていた時の“時間的や精神的な負荷”が理由になったかもしれません。第二の人生のキャリアでは時間的・精神的な負担を最小限にして、趣味や余暇を両立させながら無理のない範囲で働ける方法を検討してみてもいいかもしれません。

通勤の負担がなく移住していてもできるリモートの仕事や、プロジェクト単位のように短い期間で参画する仕事などです。退職前の人間関係を温存させておくことで、負担の少ない仕事を紹介してもらえる可能性が広がります。

自分のペースで好きなことを軸に働くことで、これまでとは違う第二の人生とやりがいを手に入れることができるかもしれません。

多様な人と関われるアルバイトという選択肢

これまで長く正社員や役職のあるポジションで働いてきた人にとっては躊躇してしまうかもしれませんが、“アルバイトで働く”という働き方も選択肢に入れてみてもいいかもしれません。学生から同世代まで多様な人と関わることができ、第二の人生を豊かなものにしてくれるでしょう。

また大きな責任など負荷がかからず、時間で区切ってシフト制で働けるため、“午前中だけ・週に3回だけ・短期間だけ”など他の予定や都合に合わせて調整しやすいメリットがあります。

飲食店や商業施設など身体を動かす仕事ならば、運動不足の解消にもつながります。これまで「やってみたいな」と感じることはあったものの挑戦できなかった仕事があれば、アルバイトという雇用形態ならば未経験からでも採用される可能性も高いです。

生活基盤が磐石なら“仕事”である必要はない

退職金や年金などの早期退職後の資産が十分にあり、持ち家などで固定の生活費もあまりかからないような盤石な生活基盤があるのならば、無理に“仕事”として働く必要はありません。

趣味や特技の延長として好きなことで独立しスモールスタートで事業として始めてみてもいいですし、大きな収入が見込めなくてもボランティアやNPOなどで働くことも第二の人生を輝かせる素晴らしいキャリアとなります。

一度きりの大切な人生で健康で身体が自由に動くうちに、「いつかは経験してみたい」とこれまで思っていたことを、とことんやってみることもできるのです。

独立も視野に入れてみる

経営者として独立するために早期退職をするパターンもあります。これまでの経験やスキルを活かして個人事業主や経営者として自分のペースで働くこともできます。経営未経験でも、フランチャイズに加盟するとフランチャイズ本部から提供してもらえるノウハウを活用してオーナーになることもできます。業種や業態によっては、在庫を持たない、設備はレンタルするなど、初期投資を最小限にしてローリスクで開業することも可能です。

1つの選択肢として、独立を視野に入れてみてもいいかもしれません。

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早期退職後に起業を考えるなら、スモールスタートとリスクヘッジを

この記事では早期退職をして第二の人生を考える人のために、お金や人間関係だけでなく働き方やポータブルスキルについてもまとめました。

近年話題のFIREを実現させるならば、年間支出を把握し、その25倍の資産を用意しておきたいところです。趣味や余暇を優先する生活を希望している場合でも、自分のペースで無理なく楽しく働ける仕事を続けることも視野に入れましょう。

またこれまでの経験やスキルを活かして、独立開業することも大きな可能性を広げます。経営者として好きなようにビジネスの戦略をたてて邁進していくことで、華やかな第二の人生を実現することもできるのです。早期退職で得た自由な時間を使って、新しくチャレンジしてみる価値は大いにあるはずです。

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<文/赤塚元基>

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アントレスタイルマガジン編集部

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