50歳を迎えたら、定年後に迫る“第二の人生”をどう生きていくのか人生設計を具体的にしていきたいところです。第二の人生をより充実したものにするためには、いくつか事前に準備しておきたいことがあります。本記事では、定年後に充実した第二の人生を迎えられるよう、準備が必要なものや心構えを、第二の人生の過ごし方の一例とともに紹介していきます。
第二の人生を充実させるために必要な4つのもの
第二の人生を充実させるためには、定年を迎える前に準備しておきたいことがいくつかあります。定年後に「これからどのように生きていこう」と慌ててしまわないよう、事前に準備しておきたい4つのことをご紹介していきます。準備しておきたい4つのことは、以下です。
1.生きがいを見つけておく
2.心身ともに健康を維持する
3.資金を用意しておく
4.財産の整理をしておく
それぞれについて、詳しく解説していきます。
1.生きがいを見つける
第二の人生を充実させるために必要な1つ目のことは、“生きがいを見つけておく”ことです。
人生では、好きなことややってみたいことなど、何か向かうべきものがないと刺激や喜びは生まれません。“生きがい”というと少し大袈裟に聞こえてしまうかもしれません。しかし、ここでいう生きがいとは、「楽しめること」であれば何でも良いのです。以下で一例を挙げますので、そういえば自分の楽しみだなと思うものがないか思い返してみてください。
・全国の温泉をめぐる
・新しい語学を習得する
・ボランティア活動に参加する
・日々の食事をSNSにアップする
・そば打ちを習得する
・動画配信をする
・ハンドメイド雑貨のネット販売を始める など
このように、やってみたいことや生きがいになりそうなことを、まずは書き出すことから始めてみましょう。文字に書き起こしてみることで、やり残していることがまだまだあることに気付くきっかけになります。
中にはやりたいことが数多くある人もいるでしょう。そのような方は、何から始めるか優先順位をつけて考えておきましょう。何をいつまでにするかスケジュールを組めれば、行動がさらに促進され、アクティブな第二の人生を送れるでしょう。
2.心身ともに健康を維持する
第二の人生を充実させるために必要な2つ目のことは、“心身ともに健康を維持する”ことです。
充実した第二の人生を楽しむために、何よりも大切なのが“心身の健康”です。身体が元気でないと、不安を抱えてストレスになってしまいますし、できることも減ってしまいかねません。
“健康寿命”という言葉をご存知でしょうか。健康寿命とは、医療や介護に依存せずに、自立した生活ができる生存期間のことです。WHOが発表した2022年度版の世界保健統計によると、最も男女平均の健康寿命が長い国は日本で74.1歳でした。男女別でも日本は世界1位で、男性が72.6歳、女性は75.5歳です。“生きがい”や“楽しみ”を持ち続けて楽しみ続けるためには、このように健康寿命は長ければ長いほど良いでしょう。
健康維持のためには、食事や睡眠、運動が欠かせません。運動不足だと自覚のある方は散歩がてらウォーキングしたり、お風呂あがりにストレッチをしたり、日常生活に手軽な運動を取り入れて健康維持に努めましょう。
3.資金を用意しておく
第二の人生を充実させるために必要な3つ目のことは、“資金を用意しておく”ことです。
充実した第二の人生を送るために、資金はどうしても必要になります。どれだけ健康で生きがいがあっても、資金がなければできることも限られてしまうため、趣味も旅行も思い切り楽しめません。
思い描いている第二の人生を夫婦二人で送るのに、現在の蓄えで十分でしょうか。第二の人生でいくらほどの資金が必要になるのかシミュレーションをしておくことも重要です。
まずは公的年金や再就職で1ヵ月に得られる収入から“生活費”“税金”“社会保障費”“生活に欠かせない支出分”を引いて不足分がないか、まずは算出してみましょう。「不足分×12ヵ月×予測した余命−定年時の年齢」で出せる年数が、老後資金として準備しておかなくてはいけない金額です。
老齢年金の受給予定額は、日本年金機構の「ねんきんネット」による年金見込額試算などで知ることができます。年金収入と第二の人生の支出にどれくらいの差があるのかを知り、不足分をカバーするのに必要な預貯金や収入がいくら必要になるのかを確認してみましょう。
預貯金や収入が足りない場合には、補う方法を考えておかなくてはいけません。副業・投資・運用など、お金を増やす方法はさまざまです。リスクとリターンを考慮したうえで、適切な方法を決めるようにしましょう。
4.財産の整理をしておく
第二の人生を充実させるために必要な4つ目のことは、“財産の整理をしておく”ことです。
充実した第二の人生を送るためにも、財産を整理して身の回りの整理整頓をしておきましょう。整理が必要な財産の中で、最も大きい財産といえば住居ではないでしょうか。住まいを子育てのために選択していた場合、子どもが独立した夫婦または一人暮らしの方にとっては最適な住居とはいえません。
賃貸であれば、他の物件に転居すればすみます。しかし、持家の方は売却や住み替えに時間も労力も要します。リースバックやリバースモーゲージなどのサービスを活用すれば、持家を担保に資金を借り入れられます。このような方法を用いることで、老後の資金の準備もできるかもしれません。
賃貸でも持家でも第二の人生のビジョンを明確にしながら、住居についても比較検討し、第二の人生に必要なお金の準備を始めておきましょう。
第二の人生を楽しめる人の特徴とは
定年という人生の節目を迎えてからの再スタートとなる第二の人生。第二の人生を楽しめる人の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。充実した第二の人生を送るためには、少しマインドセットをしておいた方が良い方もいるでしょう。充実した第二の人生を楽しめる人の4つの特徴は以下です。
1.チャレンジ精神がある人
2.プラス思考な人
3.健康的な人
4.外見に気を遣える人
それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
1.チャレンジ精神がある人
第二の人生を楽しんでいる人の1つ目の特徴とは、“チャレンジ精神がある人”です。
年齢を重ねても新しいことにチャレンジできる人は、第二の人生をより楽しめるでしょう。「今まで経験がないから」「今更始めても遅いから」と躊躇することなく、柔軟な思考と好奇心を失わずに何事にも挑戦できる人は第二の人生でも輝けるでしょう。
年齢を重ねると、“便利グッズを試してみる”“SNSを始めてみる”“趣味のグループに参加してみる”など、若い頃はなんとも思っていなかったことでも、新しく始めるのに勇気が必要になることがあります。どんなに些細なことでも「やってみたい!」「面白そう!」と思えるものがあれば、貪欲に何でも取り入れてトライしましょう。
2.プラス思考
第二の人生を楽しんでいる人の2つ目の特徴とは、“プラス思考の人”です。
何でも悪い方に考えたり、失敗をいつまでも後悔し続けたり、思考がネガティブな方は負のエネルギーでいっぱいになってしまい第二の人生を楽しめません。
マイナス思考の人は、「失敗するんじゃないか」「上手くいくわけがない」と何事も悪い方に考えてしまう傾向があります。そのため力が出し切れず、できたはずのことでも失敗してしまったり、中途半端になってしまったりする可能性が高くなってしまいます。趣味でも新しい仕事でも、「どうせ…」と悪い想定をして始めても、上手くいくわけがありません。
第二の人生、時間が有り余っているわけではありません。そのため、恐れたり、後悔したりするのに時間を費やしてしまってはもったいないでしょう。嫌なことは忘れ、何事も前向きにとらえるようにすると良いでしょう。第二の人生を楽しむうえで、プラス思考になることはとても大切です。
3.健康的な人
第二の人生を楽しんでいる人の3つ目の特徴とは、“健康的な人”です。
充実した第二の人生を送っている人は、健康と体力の維持に気を遣っています。生きがいや楽しみなど、さまざまなことに挑戦したい方にとって、身体を壊すことはそれらの足枷になります。そのため、楽しむためにはまずは健康でいるための意識が重要になるのです。
オムロンヘルスケアが2019年に行った「人生100年時代におけるシニアの健康に関する意識と実態調査」によると、70代のアクティブシニアは、膝痛を抱えているからこそウォーキングなどの運動を日々の生活に取り入れていることが判明しています。
できるだけ長く第二の人生を楽しむためには、健康で体力があることが絶対条件です。そのためアクティブシニアは食事や睡眠に加えウォーキングをしたり、地域のラジオ体操などのコミュニティに参加したり、社交ダンスを習ったりといった運動を取り入れて自分の望む第二の人生に必要な体力を維持しているのです。もちろん健康診断など定期検査も怠らないようにしましょう。
「人生100年時代におけるシニアの健康に関する意識と実態調査」(オムロン ヘルスケア株式会社)
4.外見に気を遣える人
第二の人生を楽しんでいる人の4つ目の特徴とは、“外見に気を遣える人”です。
第二の人生を楽しんでいる人の特徴の1つに、いくつになっても外見に気を遣っている人というものもあります。意外に思う方もいるでしょう。しかし、「外見を気遣える=心が元気で生活にゆとりがある」証なのです。
おしゃれに気を遣える心の余裕や金銭的余裕のない方は、「私の外見なんてこの歳だしどうでもいいわよ」と投げやりになってしまいがちです。
日々に張り合いや楽しみがない人、心が疲れている人は、他人からどう見られるか?の意識が希薄になってしまいます。そうなると、おしゃれ以前に清潔感まで失われていきます。年齢を重ねてもおしゃれな人や外見に気を配れる人は、第二の人生も余裕を持って生きている人といえるでしょう。
充実した第二の人生の過ごし方とは
充実した第二の人生を過ごしたい!と思っていても、どのような第二の人生の送り方があるのか具体的なイメージが持てないと、どのような人生設計をして良いのかもわからないでしょう。具体的に、充実した第二の人生には大きく3パターンの過ごし方があるといえます。
1.新たなキャリアを築く
2.社会貢献をする
3.趣味を謳歌する
それぞれの過ごし方について、詳しく解説します。
1.新たなキャリアを築く
充実した第二の人生の1つ目の過ごし方とは、“新たなキャリアを築く”ことです。
新しい仕事を持つことで、第二の人生も充実した日々を送っているという方は多いです。特に趣味がない方にとっては、働くことが生きがいや楽しみにつながります。
近年、定年後でも活力に満ちた生活を送りたいと考えるシニアは増えてきています。そのため、定年退職をして仕事を完全に辞める人は減少傾向にあり、再雇用制度を利用して65歳まで働く人や再就職で65歳を超えても働く人が増えているのです。
新しい部署や新しい就職先で再びチャレンジすることは簡単なことではありません。しかし、仕事一筋で生きてきた方にとっては、第二の人生における“やりがい”を見出せる選択肢の1つになることは間違いありません。さらに、新たなキャリアを築くことは、将来の資金を増やせるという魅力もあります。
2.社会貢献をする
充実した第二の人生の2つ目の過ごし方とは、“社会貢献をする”ことです。
社会貢献に興味がある方は、ボランティア活動に参加してみてはいかがでしょうか。社会から必要とされている実感や社会の役に立った満足感をボランティアを通して得られ、第二の人生がより充実したものとなるでしょう。
ボランティアと一言で言っても幅広く、清掃や子守り、スポーツ大会のサポートなどさまざまです。広報誌やインターネットなどを活用して情報収集をし、自分に向いているボランティア活動を見つけて積極的に参加を検討してみてください。
3.趣味を謳歌する
充実した第二の人生の3つ目の過ごし方とは、“趣味を謳歌する”ことです。
趣味がある方は、「第二の人生は趣味三昧!趣味に生きる!」という生き方もおすすめです。趣味を持つと、自然と目標も生まれるため、目標に向かってチャレンジする楽しみもできるでしょう。
現役時代は、仕事が忙しくてなかなか趣味に時間が割けなかった方もいるでしょう。そんな方は時間に余裕ができる第二の人生で、ぜひチャレンジしてみてください。また、これまで趣味がなかった方も、何か興味のあることややってみたかったことに挑戦してみましょう。
事前に準備を重ねて充実した第二の人生を送ろう!
人生の節目でもある定年退職を迎えて、燃え尽きてしまう方もいるかもしれません。しかし、人生100年時代といわれる現代では、定年後の第二の人生の生き方も人生を謳歌するための重要なポイントです。現役時代ほどの資金や体力はなくても、時間はたっぷりあり、自由の効く第二の人生。
事前に準備を重ねておくことで第二の人生を充実させられます。人生悔いのないよう、早め早めに第二の人生計画を立てておきましょう。
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<文/ちはる>