新型コロナウイルスの影響で、人々の働き方が急速に変化してきています。
インターネットのテレビ会議システムを活用した「リモートワーク」を導入する企業が増え、働くメンバーもオフィスに出社せず自宅などで仕事を行う人が増えています。
ただ、独立開業して事業を成長させようとする時に出社しないで働くメンバーが増えると、リアルに会えない環境の中で各メンバーとどう意思疎通しマネジメントしていくのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか?
ここでは、出社しないで働くメンバーをマネジメントする方法について、ご紹介しましょう。
直接会えないと、意思疎通や状況把握が難しい
テレビ会議システムなどの進化により、インターネット環境が整っていれば、他のメンバーとその場にいるかのように会議や打ち合わせができるようになってきています。
ただ、メンバーと実際に会ってコミュニケーションできないことによる、新たな課題も見えてきています。
まず、各メンバーの仕事ぶりが直接見えないので、日々のタスク進捗などの状況把握が難しくなっています。また直接顔を合わせる機会が減るため、これまでは会って話をする中で感じ取っていたメンバーのコンディションやモチベーションの変化が、インターネット越しでは把握しづらくなり、メンバーとの意思疎通もとりづらくなっています。
そのため経営者やマネジャーには、会社組織が能力を最大限に発揮できるよう、今までと違った方法で各メンバーとコミュニケーションをとり、信頼関係を強くしていくことが求められています。
出社しないメンバーと信頼関係を築く、3つのポイント
では、出社しないで働くメンバーと、どのようにコミュニケーションして信頼関係を強めていけばよいでしょうか。ここでは特に3つのポイントについてお伝えします。
① 定期的な1on1ミーティングを行う
メンバーがフロアで仕事しているときは、各メンバーの様子を見ながら、気になったメンバーがいれば声を掛けて様子をうかがうことができました。
しかし出社せずに自宅などで働くメンバーは、個々のコンディションをリアルタイムに見ることができません。メンバーにとっても、上司にちょっとした相談ごとをしたくても、なかなか声をかけづらい状況になっています。
そこで、グループの会議などとは別に、個々のメンバーと1on1ミーティングの場を持ちましょう。
その中で、各メンバーが今どんな業務をしているかを常にアップデートしつつ、メンバーの現在の様子を確認したり、気になりごとを聞いたりします。そうすることで各メンバーとのつながりを深め、信頼関係を強くすることができます。
その際、各メンバーのコンディションを確認する意味でも、1on1ミーティングは可能な限りテレビ会議で、顔を映す形で行いましょう。
② 個々のメンバーが疎外感を抱かないようにする
出社しないで働くメンバーをマネジメントする際に直面する課題のひとつが「いかに積極的に会議に参加させるか」ということです。
リモートで参加しているメンバーは、テレビ会議で顔を映していても、会議の議論を聞いているか、理解しているかはわかりません。そこでマネジャーは、参加メンバー全員が発言できるよう、意見を求めたり話しかけたりして議論に参加するよう仕向け、参加者全員が同じ会議室にいると感じられるよう気を配りましょう。
特にフロアにメンバーの半数以上がいる中でリモート参加するメンバーがいる場合は配慮が必要です。フロアのメンバーだけで会話が盛り上がり、リモートしているメンバーが疎外感を抱かないよう注意しましょう。
また、会議の予定を組む際に、出社しないで働くメンバーが招待から漏れたりしないよう、気をつけましょう。すべての会議をリモート対応可能なように事前準備して招待するようにすると、リモート参加のメンバーも安心して会議に参加できます。急な会議を行う必要がある場合は、議事メモを取って会議後にメンバー全員に共有し、質問がないか等確認するようにしましょう。
③ 雑談ができる環境も必要
会社のフロアで仕事している時は、何かあれば周りのメンバーに声をかけたり休憩時間に雑談したりすることができましたが、出社しないで働く場合、仕事以外のことで何気なく他のメンバーに声をかけしたり雑談したりすることが難しくなっています。
そこで、出社しないで働くメンバーが気軽に雑談ができる環境を用意しましょう。仕事以外の話題について気楽に会話することで、チーム全体に親密さが生まれますし、雑談の中から生まれるアイデアも多くあるはずです。
たとえば、会議が始まる少し前にオンライン会議に入ってもらい、最近の気になる話題や週末の予定を話したり、各メンバーとの1on1ミーティングの中で、よもやま的に雑談する時間をとったり、中にはメンバー同士で「一緒にランチを食べながらテレビ会議でおしゃべりしよう」と連絡をとりあうのもよいかもしれません。
日々の会話がオンラインでの会議や打ち合わせだけだと、なかなか仕事以外の会話はしづらくなると思います。意識的に雑談できる環境を作ってメンバーのコミュニケーションを活性化し、信頼関係の強化につなげていきましょう。
会話の仕方を工夫し、メンバーの活躍を支援しよう
ここまで、出社しないで働くメンバーのマネジメントの方法についてご説明してきました。
経営者やマネジャーがメンバーをマネジメントする目的は「事業目標の達成」であり、その実現のために各メンバーと信頼関係を築き強化し、仕事の進捗管理や目標達成のためのさまざまな支援をします。
出社せずに働くメンバーにとって、会社のフロアで働いていた時に比べてまわりのメンバーと会話がしづらく、上司にも相談しづらいために困っている人も少なくないと思います。そういったコミュニケーション上の課題を理解し工夫することで、各メンバーがフロアにいなくても活躍できるよう支援していきましょう。