ビジネス誌や書籍をはじめ、アカデミックな場で語られるリーダー論。
理想やビジョンを掲げただけでは、人がついてくる保証はない。
リーダーは自ら行動し続けるからこそ、共鳴が生まれ、仲間が集まる。
今回は、公務員を経て40歳でサイエンスプロデューサーとして独立された
米村でんじろう氏を取材。勝算があったわけではない、手探りからのスタート。
経験を重ねながら見えてきた経営者としての視点を、語っていただいた。
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プロフィール
米村でんじろう(サイエンスプロデューサー)
1955年、千葉県生まれ。東京学芸大学大学院理科教育専攻科修了。学校法人自由学園講師、都立高校教諭を務めたのち、科学の楽しさを広く伝える仕事を目指し、96年、サイエンスプロデューサーとして独立。同年、NHK『おれは日本のガリレオだ!!』に出演し、話題となる。98年、米村でんじろうサイエンスプロダクションを設立。科学実験の企画・開発、サイエンスショー、実験教室、研修会の企画・監修・出演、テレビ番組、雑誌の企画・監修・出演など、幅広いフィールドで活躍を続けている。
捨てるものが大きければ、入ってくるものも大きい
――起業を目指す読者へのメッセージをお願いします。
米村:僕は60歳になりましたが、40歳で独立した当時を思い返すと、本当に若かった(笑)。40代なんてまだ人生の折り返し地点、まだまだ若い! 今のあなたはそのことに気づけないかもしれませんが、その年ならもう一勝負できるんです。ある程度の経験とノウハウを重ねたこの年代の方々の独立って、例えば20代で独立する人よりも断然有利だと思います。
だから、周囲が反対したとしても、本気なら絶対にやるべき。捨てるものが大きければ、入ってくるものも大きいというのは本当です。あなたが誰かを応援したいと思っても、本気の覚悟を確認できないと信用できないでしょう。
もちろん独立したら、思うように進まないことがたくさんあります。その時は、苦しくてもあきらめずにやり続けることです。そして、八方ふさがりになって迷った時は、必ず初心に立ち帰ること。
これからも世の中はものすごいスピードで変わっていきます。最初に打ち立てた志にうそをつかず、こだわりすぎに注意して、世の中のニーズに対して柔軟に変化していけばいい。そこにお客さまやお取引先への確かな誠実さがありさえすれば、あなたの独立人生は継続していけると思います。
【リーダーの流儀とは】
スタッフ、お取引先、お客さまのために、この事業を永続的に残したい。
きちんと後進にバトンタッチすることが、自分の役割だと思っている