コロナ禍で一気に加速したデリバリーの需要。デリバリー業は今後も成長していく分野であると言われています。在宅勤務などによって自宅にいる時間が長くなったことから、ネットショッピングなどを利用する頻度が増えた方が多いのではないでしょうか。
もし、デリバリー業で独立・開業を考えている方は、今こそチャレンジするタイミングであるといえるでしょう。とはいえ、独立・開業の知識がないまま踏み切るのは危険です。そこで今回は、デリバリーのフランチャイズに加盟するメリット・デメリットや、フランチャイズの例を紹介します。
デリバリーのフランチャイズでの独立・開業とは
デリバリーとは、電話やインターネットで注文をした商品を、自宅まで届けるサービスです。飲食店の料理のデリバリーなどの場合は、お店で調理された料理を届けてもらえます。
コロナ禍によりおうち時間が増え、同時にデリバリーの需要も高まっています。また、女性の社会進出が進み、すでに調理されたものを自宅で食べる「中食」が増えていたこともデリバリー需要拡大の背景にあります。また、デリバリーで扱う商品も幅広いものに変わってきています。ドリンク類や韓国や台湾発のスイーツ、から揚げなどの専門店のほか、コンビニエンスストアで販売している商品など種類も増えています。
このようなデリバリーでの独立・開業には、個人で開店する以外にフランチャイズに加盟するという選択肢があります。扱うものによってはオペレーションが簡単なものもあり、初心者の方でも比較的チャレンジしやすいといえるでしょう。
デリバリーのフランチャイズに加盟するメリット
デリバリー分野で独立・開業をする場合、フランチャイズに加盟すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
高いブランド力がある
独自に開業をしようと思うと、自力で集客をしたりデリバリースタッフを集めたりしなければなりません。地域性や集客のコツなどがわからず、しっかりと集客できずに諦めてしまう方も少なくありません。
その点、フランチャイズに加盟すると、ベースにある高いブランド力を活用して集客を行えるので、開業当初から売り上げを見込めるでしょう。
また、ブランドに対してお客さまからの信頼がある状態での開業となるので、商品やサービスに対する信用も高い状態で始められます。
ノウハウを提供してもらえる
業界での験者がない方は特に、いざ独立・開業しようと思っても業界に対してだけではなく、経営についての知識不足・経験不足の壁にぶつかってしまいます。
しかし、フランチャイズに加盟すれば、企業が長年かけて培ってきた経験やそこから得た成功ノウハウを提供してもらえるので、未経験でも参入しやすくなるのです。例えば、本部が配送のオペレーションをマニュアル化していたり、外部のフードデリバリーサービスと契約したりする場合もあるので、ゼロから仕組みを作るより簡単にデリバリーを実現できるといったこともノウハウ提供の大きなメリットです。
研修など教育システムが充実している
ノウハウを提供してもらえるという内容とつながりますが、フランチャイズに加盟することで、その企業が有する教育システムを受けられます。
デリバリー分野は、自分一人で運営するのではなく、デリバリースタッフを雇って経営することが必要です。つまり、スタッフの採用時の選択基準や雇ったスタッフに対する教育も必要になるのです。
しっかりとスタッフを教育しなければお客さまからのクレームに繋がり、信用の低下や収益に響くでしょう。
その点、フランチャイズに加盟すれば自分でゼロから教育システムを作ることなく経営できるメリットがあります。
デリバリーのフランチャイズに加盟するデメリット
デリバリーのフランチャイズにおける良いところをお伝えしましたが、もちろんデメリットも存在します。
ロイヤリティがかかることも
フランチャイズは、その企業のブランド力を借りたりノウハウを提供してもらったりする分、ロイヤリティが必要な企業もあります。この場合、ロイヤリティを支払う分も考えて売り上げをあげなくてはならないということです。
ただし、ロイヤリティはあくまでブランド使用の権利や本部から受けるサポートの対価として支払うものです。また、ロイヤリティの支払い方法・金額は企業によって異なります。「毎月費用が固定」なのか、「売り上げの〇%」なのかによって支払う金額も変わってきます。また、企業によってはロイヤリティがかからない場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
初期費用が高い傾向にある
デリバリーのフランチャイズは、配達を自社で行うことが多いため、配達のためのバイクなどを揃える必要があります。また、冷蔵や冷凍などを扱う場合は、専用のものを揃えなくてはなりません。
そういった背景から、デリバリーは無店舗で在庫不要といった身ひとつでスタートできるフランチャイズに比べると、初期費用が高くなってしまう傾向にあります。
デリバリーに特化した仕事であれば、大きな店舗は不要であるため賃料は抑えられますが、その分、初期費用に投資する必要があることは頭に入れて独立・開業を目指した方が良いでしょう。
天候で営業や売り上げが左右される
デリバリーという分野は、天気などの自然現象の影響を受けやすいことが特徴のひとつです。大雪や台風など自然災害が発生してしまうと道路が封鎖されたり、交通事故などの配達リスクを避けるため営業が困難になることもあり、売り上げが天候に左右されやすいことはデメリットといえるでしょう。
主要なデリバリーのフランチャイズ紹介
続いては、デリバリーのフランチャイズ例を4つご紹介します。
A社
A社は、高齢者向けの配食サービスです。店舗調理が不要なため、調理経験がなくても独立・開業できるところが魅力といえるでしょう。
シンプルなオペレーションで運営できるため、専門知識や経験も必要ありません。さらに、加盟店同士で競合しないように出店を調整しているため、安心して事業に専念できます。
B社
代替肉を使用したカレーをはじめ、丼ぶりやステーキなど10ブランドの中から複数選べる飲食デリバリーです。
セントラルキッチンなどを利用し調理が簡単にできるよう徹底的にマニュアル化されているためコンロ1つでできるオペレーションのほか、取り扱うブランドの入れ替えも無料なのも安心です。
C社
寿司専門のデリバリー専門店です。加盟すると20年以上にわたって培ってきたノウハウを提供してもらうことが可能です。
高性能な寿司ロボットを導入し、量産体制も衛生管理が整っています。また、人口1万人以下の地域でも黒字経営を実現している実績があるので、安心して参入できるでしょう。
D社
デリバリー分野の中でもお弁当を配達する配食事業を全国で展開しているA社。高齢者をターゲットとしているため、超高齢社会の日本では、さらに需要が高まっていくことが予想されています。
お弁当を盛り付けて朝・夜の2回配達するのが基本の仕事であるうえ、事前に注文数が決まっているため食材ロスを最低限に抑えられます。本部からの顧客紹介もあるので、未経験者でも安心してスタートできるといえるでしょう。
これからのデリバリーフランチャイズ
コロナ禍での外出自粛や女性の社会進出などにより、デリバリーを活用する機会が増えている昨今。今後もデリバリーの需要は高まっていくといわれています。
最後に、これからのデリバリーフランチャイズについて見ていきましょう。
デリバリーフランチャイズの市場規模
電話だけではなくインターネットでも簡単に注文が出来るようになったことから、より気軽さが増したデリバリー。デリバリーフランチャイズの市場規模は、2021年に5,678億円、2022年に6,303億円、2023年に6,821億円へと拡大していくとされています。
参照:2021年フードデリバリーサービス利用動向調査|ICT総研
今後も広がっていくデリバリーは、フランチャイズとして参入するのに適した分野であることが分かります。
進化し続けるデリバリーフランチャイズ
今後も、テレワークといった働き方が一般的になることが予想されるため、デリバリー市場の成長はまだまだ加速が続くと考えられます。
その一方で、デリバリーにおける不満要因はサービス料金の高さ、到着時間の遅さ、料理の品質だともいわれています。これらを解消できる工夫を凝らし運営を行うことで、より売り上げアップが見込めることでしょう。
情報収集しつつ、自分に合った形を見つけよう
成長真っ只中のデリバリー業界でフランチャイズに加盟するには、しっかりと知識を持ち、自分に合った形を探す必要があります。
アントレでは、デリバリーのフランチャイズ募集を掲載しています。
興味を持った方は、どのようなフランチャイズがあるのか、どの程度の開業資金が必要になるのかなどをチェックすることをおすすめします。そのうえで、気になるフランチャイズの説明会に参加し、詳しく情報収集するといいでしょう。
ぜひ独立・開業へ向けて行動を起こしてみてください。
<文/ameri>