岸田 浩和さん(40歳)
VOL.158映像記事や企業ビデオを制作 映画祭に入賞した作品も
不可能を可能に
35歳からの映像作家デビュー
35
歳の時、大学時代の友人に罵倒されたんですよ。「お前にはがっかりした!」って。バックパッカーやってた頃の僕を面白がってくれてたのに、その時の僕は会社の愚痴ばかり。「お前の経験を書き残せ」とも言われて、酔っぱらった勢いでライタースクールに申し込みました。
転機は石巻市内で被災した缶詰会社を取材したことです。カメラはまだ始めて数カ月、でもその時撮影したムービーが映画祭に入賞しました。今は自分が興味あるニュースを追いかけながら、企業のPR映像などの依頼を受けています。転がる石のような経緯ですが、結果的にやりたいことに近づきました。誰も知らない人、知らない土地、知らない景色を自分の表現で伝えること。
35歳を超えて、普通の会社員から映像作家へ。こんな転身ができたのはその年齢が“熱源”になったからだと思うんです。正攻法ではとても無理。気になるメディアの社長が登壇するイベントに押しかけては名刺を渡して売り込みました。でもこっちだって事業主です、憧れだけの人間じゃない。本気でかかっていけば、向こうも「こいつは何者だ?」って本気になってくれるんですよ。
アントレ2016.夏号 「儲けも損も財産だ 激白!社長の醍醐味」より