わずか４回の指導で自分が好きになるメーク　雇われない生き方：VOL.179

石川雅美さん（49歳）

VOL.179
わずか４回の指導で自分が好きになるメーク

師匠の叱咤で目がさめた。
メークするのは「こころ」

メ

ーク教室「美塾」で教えているのは、その人本来の魅力を引き出し、自分の顔が好きになるようなメーク。その素晴らしさに感激して、即決で会社を退職、講師養成講座に飛び込みました。でも私は眉毛も描いたことないぐらいメークには無頓着でしたし、メークされる人の気持ちも考えられなかった。そのことに気がついていないのがまた問題。モデルさんの顔をメークする時もゴシゴシ塗り込むような強さで。

講座中、見かねた師匠に「もうメークしなくていい」と外されたことがあります。ほかの受講生もいるのに「お前はダメだ」のらく印です。でも後で師匠は私の手をとり「この感覚！」と教えてくれた。瞬間、自分がいかにできていなかったか分かったんです。同時に「こうすればいいんだ」とコツをつかめた。何とかやっていけそうに思えたのはその時です。ただし「私の技術でキレイにしてあげる」というだけのメークはエゴでしかない。
　
私はその人の美しさを引き出すきっかけを作る立ち位置であるべきだと思っています。それには人の心に寄り添い共感すること。技術を覚える焦りから解放されてようやく、そんなプロのステージに立てた気がします。