ドラマや漫画の世界で『仕事ができない人が窓際の席に追いやられていたり、何をしているかわからない部署に移動させられていたりするシチュエーション』を見たことがあるのではないでしょうか。彼らのことを、世間では「窓際族」と呼びます。話の中で見ていると、窓際族に対して辛そうとマイナスなイメージを抱いてしまいますよね。そんな窓際族の実態や、辛いと感じる瞬間がどのようなものなのかを解説していきます。また、窓際族から脱却する方法もあわせて紹介していきます。
窓際族が辛いと感じる『5つの瞬間』
「仕事をしていないのに給料はもらえている」と聞くと、中には「窓際族になりたい」と感じる人もいるかもしれません。しかし、窓際族には辛いと感じる瞬間がいくつもあります。窓際族から脱却できない日々の中で、来る日も来る日も周囲の冷ややかな視線に耐えるのは精神力が要ります。窓際族が実際に辛いと感じる瞬間の代表的なものを5つ紹介していきます。
1.周囲の視線を感じる瞬間
窓際族であっても、会社には出社しなくてはいけません。出社している以上、寝たり、ゲームをしたりするわけにもいかず、何かしらはしなくてはいけません。そこで、自分なりにやることを見つけて時間を過ごす必要があります。
会社にいて、時間を持て余すことには慣れてきます。しかし、ふと周りの冷たい視線を感じる瞬間は辛いと感じるようです。窓際族として生産性のない日々を過ごしているのは、周りの人が毎日仕事に励んでいるからです。部署異動をしているならともかく、そうでない場合には嫌味を言われることもあるかもしれません。
2.モチベーションが出た瞬間
窓際族でいると、モチベーションが出て何か仕事をしたいと思っても、なかなか周りに相手にしてもらえないことが多々あります。一度失ってしまった信用は取り返すのが難しく、どんなに仕事をしたいと思っても自分に振ってもらえるものがなく、かえって辛いと感じてしまうようです。
3.将来のことを考える瞬間
どんなにやる気が起きなくても、将来のことはふとした瞬間に考えてしまいますよね。特に窓際族には時間がたくさんあるわけですから、考える時間も有り余っています。そんな窓際族は、将来のことを考えると辛いと感じるようです。「リストラされたらどうしよう」「転職するにもどうしていいかわからない」など、考えれば考えるほど不安に押しつぶされてしまうのでしょう。
会社として、正社員を突然解雇することはありません。しかし「業績によってはリストラを覚悟しなくてはいけなくなることもある」ということを念頭に置いておく必要がありそうです。
4.家族のことを考える瞬間
独身で窓際族をしているならまだしも、家庭があって窓際族をしていると、家族のことが気になることも時にはあるでしょう。家では『仕事を頑張っているお父さん・お母さん』として尊敬されているのに、会社では窓際族をしていると思うと、辛い気持ちが込み上げてくるでしょう。
将来のことを考えると「家族を養っていけるか」という不安も感じてしまうかもしれません。中には、家族といるのすら辛いと感じてしまう人もいるかもしれません。
5.わかってもらいたいと思った瞬間
窓際族には、窓際族なりの不満や悩みがあるものです。それは窓際族に限らず、どんな人たちでも同じです。
しかし、周りの人からすると「働かなくてもお金がもらえて良いですね」と皮肉を言われてしまうこともあるでしょう。自分としては誰かに悩みを相談したいと思っていても、なかなか周りが聞く耳を持ってくれないなんてことも多々あります。わかってもらいたくても、相手にしてもらえないのは誰でも辛いですよね。
窓際族は、会社で常にその辛い感情とともに過ごさなくてはいけないので、毎日精神がえぐられてしまうでしょう。
【こんなに辛い】窓際族の実態
窓際族の人たちは、実際どのような活動をしているのでしょうか。窓際族の人たちの9時から6時までのスケジュールや、暇つぶしにしていることを紹介していきます。
窓際族のスケジュール例
窓際族の一日のスケジュールは、主に暇を潰すことで終わります。
【スケジュール一例】
8:45 出社
9:00 朝礼
9:30 オフィスの掃除
10:30 新聞や本を読む
12:00 お昼休憩
13:00 ネットサーフィン
17:30 デスク周りの片付け
18:00 退社
毎日が同じことの繰り返しなので、徐々に掃除するところもなくなってきて、よりやることがなくなってきてしまいます。本当にやることがなくなってしまうと、また辛いので、適度に手を抜きながら勤しむことになるでしょう。
窓際族の暇つぶし
窓際族の暇の潰し方にはどのようなものがあるのでしょうか。
・ネットサーフィン
・新聞を隅から隅まで読む
・本を読む
・スマホ(音楽・動画・SNS)
・仕事をしているフリ
・雑談
・長めのトイレ休憩
・長めのタバコ休憩
・ぼーっとする
窓際族の暇の潰し方は主に以上のような内容で、スキルアップや自己学習に時間を使う人は少ないです。
会社を辞めずに窓際族をやめる方法
窓際族を辞めたいと思ったらどのような方法を採るべきなのでしょうか。会社を辞めれば、窓際族をやめることはもちろんできます。しかし「今すぐに会社を辞められるか」といわれると、それはできないですよね。また、会社を辞めずに今の辛い状況から脱却できるのであれば、それが一番良いでしょう。『会社に辞めずに辛い窓際族をやめるための方法』を3つ紹介します。
1.異動・出向する
まず初めにできるのが、異動や出向です。今の部署ではやる気が感じられなかったり、人間関係がこじれてしまったりしてなかなか頑張れないかもしれません。しかし、部署を異動したり、別の支店に出向したりと環境を変えるだけで心境にも変化が生まれるかもしれません。
窓際族として今の部署にいても、周りの人との信頼関係はよくなりません。部署異動をしたいといっても、残念ながら困る人はいないでしょう。思い切って異動願を出すことをおすすめします。
2.小さな『お手伝い』を探す
いきなり大きな仕事を任せてほしいとお願いしても、煙たがれてしまうでしょう。そこで、まずはどんなことでもいいので小さい仕事を探してみることから初めてください。オフィスの掃除、資料のコピー、ステープラ留め、会議室を取る、お茶くみなど、どんなことでも構いません。
「最近、積極的に動いてくれている」という印象を与えるだけでも、周りの『あなたを見る目』も変わってくるでしょう。
3.コミュニケーション方法を変える
窓際族になってしまう人の特徴として『コミュニケーションが苦手であること』が挙げられます。さらに、長年の窓際族生活で挨拶や日頃の声かけすらできないほど閉じこもりたくなってしまう気持ちもよくわかります。
しかし、窓際族をやめるためには一歩踏み出す勇気が必要です。まずは、勇気を出して明るく挨拶をしたり、積極的に声をかけたりしてみましょう。
窓際族が会社を辞める前にすべきこと
「窓際族をやめるために会社を辞めよう」と覚悟を決める人も中にはいるでしょう。しかし、いきなり会社を辞めてしまう前にするべきことがあります。代表的な3つを紹介します。
1.勉強を始める
窓際族が辛いからといって、いきなり会社を辞めてしまっては余計に辛い思いをすることになる可能性があります。まずは自己学習をしましょう。資格や新しい分野の勉強をすることをおすすめします。
勉強をすることで、会社での居場所を取り戻せるかもしれないですし、転職の幅も広がるかもしれません。
2.副業を始める
窓際族として時間が有り余っているのであれば、副業を始めてみてはいかがでしょうか。副業であれば、お金をもらいながら興味のある仕事を受けることができます。辛い窓際族生活でも、何か没頭できることに巡りあえたら頑張れるでしょう。
3.独立を考える
窓際族として勤務することに疲れてしまっていると、転職をするのも難しくなります。そんな人は、独立を考えてみるのもひとつの手です。長年やりたくてもできていないことがある場合などは「自分にはどのようなことができて、何に向いているのか」を改めて考えるきっかけにもなるので、頭の片隅に置いておいても良いでしょう。
窓際族にならないために、スキルを高め続けよう
窓際族として会社にいることは慣れても、どうしても辛いと感じる瞬間はたくさんあります。そんな辛い窓際族としての生活に終止符を打つためにも、会社にいながら徐々に姿勢を変えたり、会社を辞めて転職や独立することを考えてみることをおすすめします。
どんなに辛い現状でも、自分の考え方や行動次第でいくらでも将来は変えられます。まずは現状を変えるために自分のスキルを高めることから始めてみましょう。
<文/ちはる>