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事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

営業職として転職するには?必要なスキルと求められていること 事業承継

経営者の高齢化が進む日本では、事業承継の実現が大きな課題となっています。本記事では事業承継について、やり方や税金の猶予、さらに補助金について解説します。基礎知識を身につけ、確実に先代や前オーナーから事業を引き継げるようにしましょう。

事業承継とは

事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

事業承継とは、事業の運営や会社の運営を後継者へと引き継ぐことです。一言で引き継ぐといっても、大きな組織である事業や会社を引き継ぐのは一筋縄でいくものではありません。準備だけで数年から10年程度を要することもあるといいます。ただし、しっかりとした準備をすれば自分も先代も負担が減るため、余裕をもって準備に取り掛かることがおすすめです。

事業承継と事業継承の違い

事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

事業承継とよく似た言葉に「事業継承」があります。「承継」と「継承」はよく似た意味を持つ言葉ですが、厳密にはニュアンスが異なります。

スーパー大辞林によると、それぞれの意味は以下のようになっています。

・承継:先の人の地位・事業・精神などを受け継ぐこと
・継承:先の人の身分・権利・義務・財産などを受け継ぐこと

つまり、「継承」は先代の人物から単に身分や財産を受け継ぐことにすぎませんが、「承継」の場合にはそれに加えて、先代の精神といった目に見えないものまで引き継ぐことを意味するわけです。

事業の引き継ぎでは技術やブランド、伝統のような目に見えない知的資産も引き継ぐため、「承継」のほうが使われます。

事業承継の4つの方法

事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

事業承継には大きく分けて4つの方法があります。それらについて見てみましょう。

親族内承継による方法

1つ目は親族内で承継をする方法です。主に子どもに事業承継する場合が多いとされています。

この方法は従業員による承継や第三者による承継に比べ、従業員や取引先の関係者に受け入れられやすく、銀行などの資金提供者の支援を得やすいのがメリットです。また、準備期間を長く確保できるため、後継者教育に時間をかけられるのも利点でしょう。

一方、相続によって承継を行う場合は、相続人が複数いると、相続人に法律上保障された一定割合の相続財産である「遺留分」を求められる可能性がある点には注意が必要です。

親族外承継による方法

親族以外による承継では、従業員や第三者に承継をする方法があります。

この場合、経営者としての実力によって、優秀な人材を社内外問わず選べるところがメリットです。
また、従業員であれば、現在の経営方針や人事制度などを大きく変更せずに引き継ぎができるかもしれません。

一方、承継をめぐって社内で権力争いが起こる可能性があります。親族や取引先の関係者の理解と同意を得るために時間がかかる可能性もあるでしょう。

M&Aによる方法

会社や事業をほかの企業に買い取ってもらうのがM&Aによる方法です。

現経営者は売却によって利益を得られるのがメリット。また、買い手が資金力のある企業であれば、経営の安定も見込めます。ただし、自社に何らかの魅力がないとそもそも買い手が見つからないかもしれません。また、経営権は失うことになりますし、企業文化や体制は大きく変わる可能性があるでしょう。

株式上場による方法

自社株式を証券市場に上場し、不特定多数の投資家に購入してもらうという方法もあります。

上場できれば経営と資本を分離でき、さらに株式売却による資金調達が可能です。社会的な知名度が向上するというメリットもあります。しかしながら、上場には審査が設けられており、中小企業にとっては要件を満たすのは難しいかもしれません。また、準備に数年単位の時間がかかる点も承継にはネックとなります。

承継時に支払う相続税や贈与税を猶予する条件

事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

承継時には大きな額の財産が先代の経営者から後継者にわたります。このための相続税や贈与税は素直に払うとかなりの額に。しかしながら、条件を満たせば、承継時の相続税や贈与税を猶予する制度が存在します。

この制度には特例措置と一般措置があります。特例措置の場合は、事前の計画策定や適用期限(平成30年1月1日~令和9年12月31日)などが設けられていますが、対象となる株数が一般措置の3分の2に対して全株式、相続時の納税猶予割合が一般措置の80%に対して100%になるといった違いがあります。

ここからは、より誰でも受けやすい、一般措置の条件について詳しく見ていきましょう。

先代、後継者の条件

先代の経営者が満たすべき条件は3点です。

1.会社の代表取締役を経験したことがある
2.贈与(あるいは相続)の直前に会社の筆頭株主であった
3.贈与時において代表取締役ではない

一方、後継者が満たす条件は以下の4点です。

1.贈与を受けるときに会社の代表取締役になっている
2.贈与(あるいは相続)を受けることにより会社の筆頭株主になる
3.贈与の場合、3年間継続してその会社の役員である
4.相続の場合、相続発生時は役員であり、相続発生から5カ月以内に代表取締役に就任する

なお、後継者は必ずしも先代経営者の親族でなくても構いません。

会社の条件

会社が満たす条件は、会社が中小企業者に該当することです。中小企業者とは、資本金あるいは従業員数が一定以下である会社のことであり、条件は業種目によって異なります。

・製造業、建設業、運輸業、その他の業種:資本金が3億円以下または従業員が300人以下
・卸売業:資本金が1億円以下または従業員が100人以下
・サービス業:資本金が5,000万円以下または従業員が100人以下
・小売業:資本金が5,000万円以下または従業員が50人以下

(出典:中小企業庁「FAQ中小企業の定義について」)

https://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq01_teigi.htm

引き継ぎ後の事業継続の条件

人と会社の条件を満たせば、まずはこの制度を受けることが可能ですが、スタートしてからも5年間満たさなくてはいけない条件があります。それが以下3つの条件です。

1.後継者が会社の代表者であり続けること
2.後継者が会社の株式を保有し続けること
3.会社の雇用の8割を維持すること

雇用の条件については、5年間の平均での判定です。

さらに次の代への条件

5年間が過ぎても、あくまで猶予されるだけであり、税金が免除されるわけではありません。

最終的に免除されるための条件は、「次の代に事業承継すること」です。ここでの事業承継とは、この事業承継税制を使って株式を贈与することを指します。つまり、次の代への事業承継前にM&Aなどが行われた場合、これまで猶予されていた税金を払わなければなりません。なお、次の代に事業承継する前に、後継者が死亡した場合も納税は全額免除になります。

事業承継のための補助金制度も

事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

事業承継の際に新しい取り組みを行おうと考える後継者もいることでしょう。これを助けるための補助金の制度が存在します。

後継者承継支援型

後継者承継支援型は、経営者交代による事業継承後、新しい取り組みを行った後継者を補助するためのものです。

たとえば、後継者が市場開拓のために、新商品開発に必要な設備を購入するようなケースがこれにあてはまります。補助金の上限は500万円です。

事業再編・事業統合支援型

こちらは、事業再編・事業統合の後に新しい取り組みをおこなったときに補助金が出るものです。適用は後継者不在によって事業再編・事業統合などを行わなければ事業継続が困難になることが見込まれる場合に限られます。補助金の上限は1,200万円です。

優遇税制や補助金を利用して賢く事業承継しよう

事業承継とは?事業継承との違いや優遇税制、補助金について解説

事業承継はまさに一世一代の大仕事。スムーズに進めるためにも、早い段階から準備をしておきたいものです。また、優遇税制や補助金を利用すれば、金銭面でより楽に承継が進められるでしょう。
制度をしっかり理解して、賢く事業承継したいものですね。

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