石村 真紀子さん(55歳)
VOL.143習い事もできる学童保育で有意義な時間を過ごす場を
「あれよという間に助成金申請。
不安は走りながら解消できる
ートタイムで学童保育の指導員をしていた頃、ただ時をやり過ごす子どもたちを見て、「勉強や習い事もできるような、有意義な時間を過ごせる場をつくれたら」と思っていました。きっかけは、妹から「子どもを遅くまであずかってくれる学童保育が見つからないから、ぜひやってほしい」と言われたことから。
まさか私が?でも、自分の思い描いていた学童保育ができるかもしれない。興味本位で市の起業塾に行ったら、偶然、知人の親御さんが参加していて、「絶対にやったほうがいい」と、NPO法人を立ち上げて市の助成金を受ける方法まで教えてくれました。
すっかりその気になった私を、待っていたのは夫の反対でした。当時、私の住む町では、1つの小学校に1施設の無料学童保育を併設していたので、「わざわざお金を払う人はいない」と。さらに、子どもをあずかる全責任を持てるのかと問われ、一気に不安になりました。それでも、保育士仲間や幼児教育の先生などに話をするうち、一緒にやってくれるという人が2人も現れたんです。
利用したいという親御さんも多く、起業塾の先生たちも応援してくれました。もう引くに引けず、あれよという間に申請手続きを進めることに。夫も私の本気をわかってくれましたが、開設の前夜まで、後戻りできない不安でろくに眠れなかった。でも、初日に子どもたちの顔を見た瞬間、「これからはこの子たちのために頑張るんだ」と希望にあふれました!
不安があっても、走りながら解消すればきっと何とかなります。
アントレ2016.冬号 「いざ独立!私たちの第一歩」より