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どんぐりを原料に食品開発。神奈川の「どんぐり源さん」:VOL.206

どんぐりを原料に食品開発。神奈川の「どんぐり源さん」:VOL.206
PROFILE

平賀国雄さん(88歳)

どんぐり未来工房/神奈川県座間市
1929年生まれ。高校卒業後、金融機関などを経て、農業に転身。
「どんぐり」の栄養価に着目し、せんべい、ラーメンなどの食品を開発。
2012年にはどんぐり商品で障害者の自立支援を目指す(株)まちふくにも参画。
14年、開発にさらに力を入れるため「どんぐり未来工房」を設立した。

VOL.206
どんぐりを原料に食品開発。
神奈川の「どんぐり源さん」

いつまでも未完成。
人間、それでも上出来です

金融機関に勤めていた頃、有吉佐和子さんの『複合汚染』という本を読みましてね。地球環境がひどい状態にあると知って、人生が変わった。有機農法で野菜を作り始めました。しかし、野菜は作るより売るほうが難しゅうございますね。自営で運送業もしながら生活していました。

どんぐりと出合った頃には70歳を過ぎていました。ケナフや竹といった自然素材を研究する過程で「縄文時代はどんぐりが主食だった」と知ったんです。調べてみると確かに食品として優秀。味は癖がなく、ビタミンCたっぷり。しかも日本中にあるから、うまく普及できたら輸入頼みの食料事情を改善できるかもと思ったわけです。 

一目ぼれでしたね。生来、何にでも興味を持つ性分です。そのせいか1つをやり切ることができませんでしたが、どんぐりには「これだ!」という手応えがあった。70歳を過ぎてやっと本気。それからはパン、せんべい、麺、お茶と、ひたすら商品開発。作れば作るほど、どんぐりの可能性が開けてくるようです。夢物語みたいなことも考えているんですよ。どんぐりを通じて縄文時代のように争いのない世界を実現できないものかと。先は長い? まあ人生100年では足りないかもしれない。でも人間は「まだ未完成だな」と思いながら一生を終えていく、僕はそれでいいんだろうと思っているんです。 

構成・文/東 雄介
撮影/刑部友康、阪巻正志
アントレ2018.春号 「平均年齢81歳、『働く』を楽しむ 稼ぐ! 老後天国」より

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