独立には「自分の力で生計を営むこと」または「自分で事業を営むこと」などの意味があります。
今回は、ビジネスにおける独立の意味や独立する方法、独立して始められる仕事などについて解説します。
「独立」の意味
独立には「他からの束縛や支配を受けないで、自分の意志で行動する」「自分の力で生計を営むこと」または「自分で事業を営むこと」などの意味があります。
独立を「独り立ち」という言葉に言い換えると、よりイメージしやすいかもしれません。
独立と逆の言葉・対義語
独立と似た言葉や類義語に「自活」や「自立」などがあります。
「自活」は、人の援助を受けず自分の力で生活するという意味であり、「親元を離れて自活することにした」のような使い方をします。
「自立」は、「自分独りの力で立つ(生活する・事業を営む)、束縛や支配を受けていない状態」のことをいいます。
独立と逆の言葉・対義語
独立と逆の言葉・対義語に「依存」や「従属」という言葉があります。
「依存」は、他に頼って存在する、または生活することを指します。「親に依存している」という使い方をします。
「従属」とは、権力や威力のあるのに依存して、つき従うことをいいます。
また、主要な事柄に付随して支配される関係を指し「大国に従属する」「規約改正に従属する」などの使い方をします。
総じて「何かに頼って存在する(生活する)、他に束縛や支配を受けている状態」のことをいいます。
ビジネスとしての「独立」の意味
ビジネスにおける独立は「自分で事業を営むこと」を意味します。
独立する形態には、サラリーマンとして働いた経験を活かして同業種で独立する場合や、フリーランス、フランチャイズや代理店への加盟などがあげられます。
会社から「独り立ちする」という部分に重点が置かれるため、働いていなかった人が事業を始める際には「独立」という言葉は使いません。
「独立」する方法と仕事の種類
会社から独立するには、主に4つの方法があります。
1. フリーランスになる
自分のスキルや経験を活かして、個人事業主として働く方法です。
比較的始めやすく、初期費用も抑えることができますが、収入が安定しない、社会保険に加入できないなどのデメリットもあります。
代表的なフリーランスの仕事は以下の通りです。
2. 副業から独立する
会社員を続けながら、副業としてビジネスを軌道に乗せ、独立するする方法です。
会社員の収入で生活を支えながら、リスクを抑えながら独立することができます。
しかし、本業と副業の両立が難しかったり、時間的な制約があったりするなどのデメリットもあります。
3. 起業する
新規事業を立ち上げて独立する方法です。
大きな成功を収める可能性がありますが、初期費用がかかり、リスクも高くなります。
事業計画をしっかりと立て、資金調達や人材確保など、準備を慎重に行う必要があります。
代表的な起業の形態は以下の通りです。
4. フランチャイズに加盟する
実績のあるフランチャイズに加盟して独立する方法です。
ノウハウやシステムが提供されるので、比較的始めやすく、成功率も高いです。
しかし、ロイヤリティなどの費用がかかったり、経営の自由度が低かったりするなどのデメリットもあります。
フランチャイズに加盟して開業できる主な仕事は以下のとおりです。
独立に必要な準備
独立・起業を成功させるためには、事前の準備が非常に重要です。
1. 自己分析
何のために起業するのか、自分の強みと弱みを明確にすることが重要です。
2. お金の勉強
資金調達方法、資金計画、収益化計画などを学びましょう。
3. 事業計画
事業内容、ターゲット顧客、競合分析、マーケティング戦略などを明確にします。
4. 資金計画
開業資金だけでなく、運転資金も準備する必要があります。
5. 家族の説得
独立・起業の理由やリスクヘッジについて家族に説明し、理解を得ましょう。
6. 人脈作り
起業前から人脈作りを始めることが重要です。
これらのポイントをしっかりと準備することで、独立・起業を成功させる可能性を高めることができます。
独立に必要な準備についてもっと知りたい方はこちらも読んでください。
参考:独立とは|一人で独立しやすい仕事と向いている人の特徴、注意点なども解説!
実際に独立した先輩起業家の成功例と失敗例
実際に独立して成功した先輩の事例をいくつか紹介します。
フリーランスで成功したWebデザイナー
Web制作会社での5年間の経験を活かし、2年前にフリーランスWebライターとして独立したAさんが独立を決意したきっかけは、会社員時代 「時間に追われ、自分の裁量で仕事を進められない」ことへの不満でした。
独立当初は苦労も多かったようですが、徐々に実績を積み重ねることによって、クライアントからの依頼も増え、収入も安定してきました。
フリーランスの仕事でやりがいを感じるのは、「自分の好きなことを仕事にできている」ことと、「クライアントから感謝の言葉をいただいたとき」だそうです。
フリーランスとして成功するために、「納期を守る」「質の高い仕事を提供する」「積極的にコミュニケーションを取る」「常にスキルアップを意識する」 ことの重要性を語っています。
副業で成功したイラストレーター
Bさんは、「絵を描くことが好き」 という趣味を活かし、3年前から会社員と並行して副業としてイラストレーターを始めました。
きっかけは、友人からの依頼でした。
副業の内容は、企業のWebサイトやSNS用イラスト、書籍の挿絵などです。
月収は平均5万円ほどで、時間管理や効率的な作業で本業との両立を実現しています。
成功の秘訣は、「質の高さ」「納期厳守」「積極的な営業」「SNSでの情報発信」「スキルアップへの意識」だそうです。
起業で成功したカフェオーナー
アパレル販売員として接客の喜びを経験したCさんは、「地域の人々が集える温かい空間」を作りたいという想いから、5年前 に カフェをオープンしました。
お客様がなかなか来なかったり、スタッフの教育がうまくいかなかったりと当初は苦労も多かったものの、「諦めずに努力すること」をモットーに日々改善を続け、今では地域に愛される人気店となりました。
Cさんの成功の秘訣は、「地域の人々が集えるような温かい空間を作りたい」という強い想い、「諦めずに努力すること」を貫く行動力、そしてお客様やスタッフへの真摯な姿勢です。
フランチャイズ加盟で成功したラーメン屋店主
「自分の店を持ちたい」 という夢を叶えるため、サラリーマンだったDさんはラーメン屋のフランチャイズ加盟し、3年前に開業しました。
フランチャイズ加盟のメリットを活かし、本部や先輩店舗のノウハウを学びながら、「お客様の声に耳を傾け、常に改善を続ける」ことと、「従業員との良好な関係作り」に力を入れた結果、今では地域に愛される人気店となりました。
こちらの記事では、さらにたくさんの成功事例を紹介しています。
こちらは「フランチャイズ起業の失敗例」紹介するページですが、フランチャイズだけでなく、すべての起業に当てはまる事項も多いです。
気になる方は、ぜひ読んでみてください。
参考:【有料級】フランチャイズの失敗事例22選!原因と起業成功に必要なスキル
まとめ
ビジネスにおける独立の意味は「会社などから独り立ちして、事業を営むこと」です。
どんな形態でも、ビジネスを立ち上げるなら、自分自身と向き合うことが大切です。
まずは、独立したい理由・目的・分野を明確にしましょう。紙に書き出して整理するのもおすすめです。
独立にあたり、自分1人で頑張るべき事柄は多くあります。
そのため、人に相談することや、フランチャイズを活用して自分の負担を抑えることも大切です。
ノウハウを貯めるために、独立したい分野で短期アルバイトをしてみても良いでしょう。
せっかく独立をするならば、自分の理想や希望を実現できる方法をとことん探してください。
そのためにも「どうして自分は独立したいのか?」をしっかりと考えてみてください。
独立する業界探しには、全国規模のフランチャイズのデータベース「アントレ」が役に立ちます。
フランチャイズ経営を目指す人ならそのままフランチャイズ本部探しを行えるうえ、そうでない人にとっても、どんな業界にどのようなビジネスがあるか、参考になるでしょう。
【アントレ】独立、開業、フランチャイズ募集の情報サイト
Q:起業・開業・創業と「独立」の意味の違いを知りたい
A:独立: 組織に頼らずに自分の力で生計を立てること
起業: 新しい事業を始めること
開業: 事業を始めること
創業:過去に独立・起業したこと
「開業」とは「事業や商売をしていること」「新しく事業や商売を始めること」を意味しますが、既存のビジネスに対して用いることが多く、法人ではなく個人が新しく事業を始める場合に使う言葉です。
医師や弁護士など資格や技能を持った人が自分の病院や事務所を開く場合や、店舗を必要とする業種に対して、主に開業を使います。
独立と開業の意味の違いは「資格や店舗の有無」です。
その点、独立は開業と比べ、専門性や資金がなくてもスタートしやすいといえます。
「起業」とは「新しく事業を始めること」を意味し、近年ではベンチャービジネスやスタートアップ企業などに対して、起業が使われる傾向が多いです。
これまでにないサービスを考えて起業するような「新しいことや目的にチャレンジする」という意味合いでも使われます。
独立と起業の意味の違いは「法人の設立を伴うかどうか」です。
創業は「創業50周年記念」や「明治15年創業」といった使い方をされ、事業を始めるという意味では「起業」と同義です。
ただし、創業は、過去に行った独立・起業に対して使う言葉です。
独立は、過去や未来にも使える言葉と考えると、わかりやすいでしょう。
「開業」や「創業」など、似ている単語の意味を知りたい方はこちらもご覧ください。
参考:起業、創業、開業の違いとは?それぞれの言葉の意味を解説
Q:独立することのメリット/デメリットを知りたい
A:メリット:自分の裁量で仕事ができる など
デメリット:収入が不安定になる など
独立のメリットは、何よりも「自分の裁量で仕事ができる」ことです。
自分が本当にやりたいことを仕事にできるだけでなく、やりがいのある仕事に挑戦し、高い収入を得ることも可能です。
さらに、社会に貢献できる仕事を通じて、自分のペースで働きながら、充実した人生を送ることができます。
ただし、独立には、収入の不安定さや社会保険・福利厚生の未備といった経済的なリスクが伴います。
また、事業の責任はすべて自分が負うため、長時間労働や顧客開拓・営業活動などの負担も覚悟する必要があります。
<文/西川ちづる>