50代になると「仕事が見つからない」と悩む方が増える傾向にあります。では、50代が仕事選びに悩む理由とは一体どのようなものなのでしょうか。また、50代が転職活動を成功させるポイントはどこにあるのでしょうか。本記事では、50代が仕事選びに悩む理由と、そこから抜け出すポイントをご紹介します。
目次
50代で無職になる原因とは
そもそもなぜ、50代で「仕事がない」状態になってしまうのでしょうか。そこにはさまざまな背景が存在します。一般的に多いのが下記のような理由です。
・会社が倒産した
・リストラにあった
・職場の人間関係の悪化
・不祥事を起こした
・体調不良
・部署異動や転勤に納得がいかなかった
・独立開業を目指して
大きく分けて『自分から環境を変えようと仕事を辞めるケース』と『意図せず仕事がない状態になってしまったケース』があるといえます。
50代の転職は何がボトルネック?
平成19年10月に改正された雇用対策法によって、採用における年齢制限は原則法律で禁止されています。しかしながら「若いときに比べて、転職先が見つかりにくくなった」と感じる50代の方も多いのではないでしょうか。
仕事がない状態になってしまった50代の転職は、何がボトルネックとなっているのでしょうか。『意図していた場合』と『意図していない場合』それぞれ紹介します。
希望する給与が高いと思われてしまっているから
まずは『給与(会社にとっては固定費)が高いから』という理由が挙げられます。
50代は通常のキャリアを歩んできた場合、企業内での地位がそれ相応のところまで上がっている場合が多く、給与もそれに比例して上がっているといえます。そのため、転職する際に希望する給与の水準が高くなってしまうのです。
これまでの経験をそのまま活かして『即戦力』『マネジメント職』として働ける人材であれば問題ありませんが、異業種で働く場合、企業から「即戦力にならないのに固定費が高い」と見なされてしまうのです。それであれば、即戦力として期待できなくても給与水準の低い若手を採用しよう、と企業は思うのです。
こういった理由から、なかなか次の仕事が決まりにくくなってしまうといえます。
明確なビジョンを持たず、転職の準備をしてこなかったから
意図せず仕事がない状態になった50代の方は特に、自分が今から職探しをすることになるとは考えてもいなかったでしょう。
企業で働いている際は、明確なビジョンを持たずしても徐々にキャリアアップできていたものの、いざ仕事探しをしようとすると、そのビジョンのなさがゆえにどこにも受からないということになってしまいかねません。
今までの経験や実績を上手くアピールできず、転職先がなかなか決まらないケースもあります。
50代の転職活動の注意点
続いては、50代で仕事探しをする際の注意点をいくつかご紹介します。
転職活動が長期化する傾向がある
先ほどお伝えした理由の通り、希望する給与とスキル・実績が見合っておらず不採用が続いてしまう50代の方は多くいます。そのため、転職活動が長期化してしまう傾向にあるのが注意点のひとつです。
正規ではなく非正規雇用になる可能性が高い
また、50代から正社員として新しい企業で働くことはなかなかハードルが高いことです。正規ではなく非正規雇用になる可能性が高いことも頭に入れておきましょう。
転職によって収入が減ることも
同業種への転職であれば、現在まで積み上げてきたスキルや実績をそのまま活かせるので、50代であっても即戦力として採用してもらえます。
ただし、未経験業種への転職は難易度が高いうえ、これまでと同じ待遇では採用してもらえない確率が高くなるでしょう。つまり、転職によって収入が大幅に下がる可能性があります。
また、たとえ同業種への転職だとしても、なんとなく仕事をしてきて実績やスキルをあまり持ち合わせていない方は、収入が下がる可能性が高いです。
50代での仕事探しは『何かしら妥協しなくてはいけない点があること』を理解しておきましょう。
「仕事がない」と感じる50代の方におすすめの職種
続いてご紹介するのは「仕事がない」と感じている50代の方におすすめの職種です。
未経験者を積極的に採用しているところも多く、転職しやすい業種であるといえるでしょう。
介護・福祉事業
まずは、介護・福祉関連の仕事です。
介護・福祉業界は人材募集が行われていることが多いため、採用のハードルがそれほど高くないところが特徴です。また、50代ならではのこれまでの経験を生かした対応が求められる職種でもあるため、転職先として選ぶ人が多いのです。
接客業
続いては、接客業の仕事です。
接客業は、50代の方が家庭やこれまでの職場で身に付けたコミュニケーション能力を存分に活かせる仕事であるといえるでしょう。
警備員
続いてが警備関連の仕事です。
警備員や交通誘導の仕事は、50代以上の特に男性が多く活躍している業務です。体力があれば未経験でも即戦力として活躍できるので、体力に自信のある方におすすめです。
営業職
続いてが、営業職の仕事です。
先ほどの接客業と同じように、人間観察力とコミュニケーション能力が求められる営業職は、経験を積んできている50代の方にぴったりです。
また、営業職は年間通して多くの求人が出ている仕事でもあるので、転職先を探しやすいことが魅力だといえるでしょう。
軽作業
続いては、軽作業系の仕事です。
仕分けや梱包といった軽作業の仕事は、求人も多く働き口を探しやすいといえます。倉庫内で黙々と作業を進める仕事になるので、自分に合っているかどうかはしっかりと棚卸しをして判断する必要があります。
清掃業
続いてが、清掃業の仕事です。
清掃系の仕事には、オフィスビルや学校の清掃員をはじめ、ハウスクリーニングなどもあります。最近は家事代行サービスが盛んになっていることから、さまざまな家庭に出向いて仕事をするパターンも増えてきてきます。
家事が得意という方や、これまでの自宅での経験を生かしたいという方にぴったりです。
事務職
最後が事務系の仕事です。
パソコンで書類作成をしたり伝票を管理したり、電話応対をしたりということが事務の主な仕事です。毎月安定した業務量があり、それほど残業も多くないことが特徴です。
50代が仕事探しを成功させるためのポイント
最後に、50代が仕事探しを成功させるためのポイントをまとめてご紹介します。
キャリアを洗い出し徹底的に自己分析をする
まずは、これまでの経験を洗い出し、徹底的に自己分析をすることです。
自分はこれまでどのような経験を積み、どのようなスキルを身に付けてきたのかを客観的に把握し、それを今後どのような業界や仕事で活かしていけるのかをしっかりと考えましょう。
就ける仕事がないと感じてしまうかもしれませんが、それは自己分析が足りていないからです。徹底的に棚卸しをすることで、今後向かう先が見えてくるかもしれませんよ。
キャリアプランを踏まえて転職先を探す
50代での仕事探しということは、残り少なくとも定年まで10〜20年程度働くことが考えられます。
頻繁に転職を繰り返したくないのであれば、体力面でも精神面でも安定して長く働ける職場探しをすることが大切です。
今後のキャリアプランや自身の年齢を考えながら転職先探しをすることをおすすめします。
待遇を求めすぎない
求める水準が高すぎると、それを満たしている仕事を探すことがどんどんむずかしくなっていきます。これまでの職場と同じ待遇、またはそれ以上の待遇を求めると、採用に漕ぎつけられない可能性も出てくるでしょう。
もちろん、生活できなくなる水準まで落としてしまうのは問題ですが、高待遇を求めすぎないことも成功させるために必要なポイントです。
会社の規模にこだわらない
これまで大手企業で働いていた方は特に、転職先の会社の規模にこだわってしまいがちですが、規模にこだわりすぎるとマッチする求人数がグンと下がってしまいます。
中小企業は、最初の給与設定が低くても後から上昇する可能性が高いことが特徴です。大企業にこだわらず、入社後に結果を出して給与アップを目指しましょう。
実績と経験を活かせる場所を探す
中途採用では、即戦力として働けるかどうかが最も重要視されているポイントです。つまり、実績と経験を生かして働けるかどうかを見られています。
これまで積み上げてきた実績と経験と、企業が求めているものがマッチしたときに転職活動は上手く進むのです。
自分の市場価値を正確に把握し、そことマッチする企業を探すことが仕事探しを成功へと導くコツといえるでしょう。
転職ではなく独立開業も考えてみて
仕事がない状況を打破する方法は、転職だけではありません。独立開業という形で、自分で仕事を作り出す方法もあるのです。
もしも独立開業に興味があるのであれば、独立開業を支援するデータベースアントレをチェックしてはいかがでしょうか。さまざまな業種や業界、地域ごとに、どんなビジネスがあるのかを調べられるので、これからの働き方に悩んでいる50代の方におすすめです。
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