前回「事業計画書はなぜ必要? 」では、事業計画書のフォーマットとしてはビジュアル主体、数値主体、どちらがいいかについてお話ししました。
一つ補足すると、数値主体の事業計画書を作る際は、できればエクセル等の表計算ソフトをお使いください。何度もシミュレーションし直して、リスクの洗い出しや方向性の決定をする際に便利です。
■フォーマットを入手する方法は?
入手する方法として一番多いのは、 Web上で無料提供されているものを利用する方法です。
事業計画書と検索しただけでもたくさんのフォーマットが提供されています。
その際に気を付けるべきことは、創業融資の獲得を前提として作成されたものかどうかを確認することです。事業計画書といっても、既存の会社が新規事業を始めるために使用するものを含め、汎用的なものが多いのです。
分量的にはあまりにもあっさりしていて内容が薄いのもよくないですし、逆に余計な項目ばかりでポイントがわからないようなものでもダメです。
大事な見極めポイントとしては、
予測損益計算書や資金収支表・資金繰り表など、数値の部分。
特に起業して1年目の数値を月ごとに書けるようになっているかどうか。が大事です。
年ごとだけのものはダメです。金融機関から見たら、1年目のどこで軌道に乗る計画なのか、1年目の途中で資金ショートしないかが極めて重要な情報なのです。
起業して1年目がそれほどまでに厳しい局面だということの裏返しでもあります。
一般的な事業計画書フォーマットで最初に書くのは、
- 会社名
- 代表者
- 本店所在地
- 資本金
などの企業情報です。
ここは問題なく、事実を淡々と書けばいいだけです。
そのあと、
- 代表者の経験やノウハウ
- 起業の動機
- 理念や将来ビジョン
などの項目へと続くのが通常です。
多くの人は何も考えずにさらっと書いてしまう部分なのですが、実はここが非常に重要なポイントです。
これからお話しする視点で戦略的に書くようにしてください。
重要な項目①「代表者の経験・ノウハウ」
特に代表者の経験・ノウハウは重要です。
以前、創業融資の審査項目の話の中で、創業融資の場合、通常の融資と違って過去の経営実績を見ることができないため、今までの職歴が非常に重視されることをお話ししましたよね。
例えば、日本政策金融公庫であれば、今回の事業内容に関連する職歴が6年あることが一つの目安です。6年とまでいかなくても3年くらいは経験があることが求められるのです。それも密度の濃い経験であればあるほど、評価は高くなります。
例えば飲食店であれば、ホールのアルバイト経験より、正社員として店長経験がある方が評価が高くなるといった具合です。他の職種でも、「自分の提案によって会社の業績が上がった」とか「個人の営業成績が関東エリアで1位になった」など、アピール材料はいろいろありますよね。
そう。履歴書と同じ要領なんです。持っているノウハウ・資格・知識・経験など、自分のやってきたことや強みを最大限にアピールしましょう。
ここは淡々と事実だけを書くのではなく、少し大げさなぐらいで丁度いいのです。
謙虚にしているとアピール不足で失敗します。あつかましいくらいでいきましょう!
残りの2つについては次回以降お伝えします。
【まとめ】
・事業計画書のフォーマットは、「予測損益計算書や資金収支表・資金繰り表など、数値の部分」で見極める。
・事業計画書の項目で、代表者の経験・ノウハウは特に重要。最大限にアピールするべし!