開業資金 いくらかかった？ーゲストハウス・行政書士・通信教育ー＜アントレ本誌：2019年冬号より転載＞

「街やネットで見かけるあの商売、始めるのに何にいくらかかるんだろう？」そう思ったことはないだろうか？

そこで、15種類の商売をしているそれぞれの先輩に、ズバリ！開業費用の明細を聞いた。

節約点や工夫点、意外だったこともチェック。大いに参考にしてほしい。

土地を買い建物を新築　効率を考えた設計に

ゲストハウス：藤田勝光さん（41歳）
FUJITAYA／京都市下京区

京都の住宅街で外国人旅行者向けのゲストハウスを開業した藤田勝光さん。

駅から徒歩10分圏内を最低条件に半年間探し、表通りから奥まった割安の土地を購入し延床200㎡の建物を新築。「購入後、土地価格が高騰し結果的によかった」という。

新築にしたことも、客室を効率的に設計できるメリットを享受。寝るだけの部屋をシンプルに設計し、一方の居間は “和”の雰囲気にこだわった。

独学で資格取得し受講費用を大幅節約

行政書士：前場亮さん（45歳）
行政書士 前場亮事務所／東京都港区

行政書士の資格を取得して飲食店経営から転進した前場亮さん。

自宅でスタートし事務所費用はカット。資格取得もスクールに通わず司法試験用のテキストで独学したので大幅に節約できた。「法律の勉強を面白く感じたので勉強にドライブがかかった」と述懐する。

得意だったＳＥＯで集客しようとホームページを設けたが反応はさっぱり。そこで、競争相手の少ない風俗営業許可狙いにシフトし別ページを設けてヒット。その後、同様に特殊車両許可やドローン許可などに展開し繁盛させている。

たった７万円で始め　講師育成業に発展

通信教育（ネットショップ）：松田裕美さん（51歳）
（株）エムズファクトリー／千葉県茂原市

手芸教室でクラフトバンドに出合い引き込まれた松田裕美さん。

楽しみ方を編み出し、主婦の小遣い稼ぎとして地元の公民館に近所の主婦を集めて教えることからスタート。4年後に法人化しネットショップを開業する。

「仕入れて売るのは誰でもできる」と、その1年後に講師を養成する「クラフトバンドエコロジー協会」を設立し通信教育を始めた。現在、約3000人の指導者を輩出。それだけの講師が生徒に商品を営業してくれるメリットを享受、自社ビルを建てるまで発展している。