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起業家・先輩から学ぶ

小さいからこそ自由度大。古巣とも協働する1人メーカー<アントレ本誌:2019年冬号より転載>

小さいからこそ自由度大。古巣とも協働する1人メーカー<アントレ本誌:2019年冬号より転載>

会社が嫌いなわけじゃない。

仲間がいた。安定があった。愛着があった。

でも独立しないと、できないことがある。手に入らないものがある。

そんな思いで、会社を「卒業」していった先輩起業家に、話を聞いた。

慣れ親しんだ環境から一歩踏み出す時、胸に去来したものは。

ユニークなカラオケマイクの開発/九鬼 隆則さん

電子工作少年でした。アイ・オー・データ機器に就職して秋葉原勤務となると、夢のようで。

でも30歳で独立するつもりでしたから、5年で一区切り。

最初の創業は仲間と立ち上げたレイ・アウト。経営は順調、でも管理の仕事が増えてしまって。

現場でモノづくりがしたくて、また起業。今度はペット業界にIoT機器を売り込もうとしたんですが…ペット業界は門外漢。数カ月で挫折しました。

小さいからこそ自由度大。古巣とも協働する1人メーカー<アントレ本誌:2019年冬号より転載>

古巣アイ・オー・データ機器の社長からOB会の連絡があったのはそんな時です。

「もうかってるかい?」「レイ・アウトならとっくに辞めてプラプラしてますよ」。聞くと、スマホアプリにカラオケ機能をつけたいけどマイクがないという。

でも私は、中国の電気街でBluetoothマイクがたくさん並んでいるのを見ていました。これをイチから設計を見直して誕生したのが、「Bluetoothカラオケマイク」です。

小さいからこそ自由度大。古巣とも協働する1人メーカー

最新の「Bluetoothカラオケマイク」。「製品よりも基板を眺めているほうが好き(笑)」 と元電気工作少年らしいコメントも。

社長には、販売や営業はアイ・オー・データ機器に委託、私は開発に専念する形を提案されました。

おかげで自由なモノづくりができる。古巣は定年まで残る人間が多い会社。社員に優しいホワイト企業なんです(笑)。

新卒の頃から目をかけてくれた社長をはじめ、当時からの仲間が私の財産。

狙ってたわけじゃないですが、結果的には一番いい形の独立かもしれません。

PROFILE

九鬼 隆則さん(41歳)

ゴッパ(同)/東京都中央区
アイ・オー・データ機器、外資系企業、スマートフォンアクセサリー販売のレイ・アウトの創業を経て、2016年にゴッパを創業。スマホと連携してどこでもカラオケができる「Bluetoothカラオケマイク」シリーズなどを手がける。
構成・文/東 雄介
撮影/刑部友康、片桐 圭、阪巻正志、宮田昌彦
アントレ2019.冬号
「安定、肩書、仲間・・・雇われるよさもあったけど『私、会社を卒業しました!』」より

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