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ライバルはAI。どう差をつける? 開業医・中村康宏さんに聞く、自分の武器を活かす独立

自分の武器を見つけて、上手く活かす。

自分だけの武器があることは独立・起業を考える上で、とても大きな強みになりますし、その武器をどう使うかで明暗を分けるといっても過言ではないでしょう。

今回お話を伺ったのは、開業医の中村康宏さん。

中村さんは「虎の門中村康宏クリニック」の院長であり、予防内科医として多くのメディアにも出演されています。

病院の役割が病気を治すための「治療」というのが一般的な日本において、まだそこまで大きく取り扱われていない「予防」。

その「予防」が中村さんの大きな強みだそうです。一体なぜでしょうか。

<プロフィール>
中村康宏さん
医師/予防内科医/産業医/米国公衆衛生学修士

関西医科大学卒業後「国家公務員共済組合連合会 虎の門病院」に入職。

その後、アメリカの最先端予防医学を学ぶため、米国医師免許試験を突破しアメリカ・ニューヨークへ留学。

帰国後「虎の門中村康宏クリニック」を東京で開業。

一般内科からアメリカの最も新しく標準的な予防・アンチエイジング医療サービスを幅広く提供している。

“教科書どおり”の医療では、AIに勝てない。

―現在に至るまでの経緯を教えてください。

中村さん
進学校に通っていたので、受験対策に熱を入れて勉強をしていたのですが、勉強のしすぎで倒れてしまったことがありました。

元々医療には興味があったのですが、その時病院でお世話になったことがきっかけで、本格的に医療の道に進もうと思い、関西の大学の医学部に入学しました。

その後「どうせ勤務するならレベルの高い病院で働きたい」と思い、大学を卒業後は上京し「国家公務員共済組合連合会 虎の門病院(以下、虎の門病院)」に就職しました。

―虎の門病院では、何を専門分野にされていたのでしょうか?

中村さん
2年間の研修医を経て消化器内科へ行きました。

何かしら特技を身に着けようと、大腸を調べるカメラを操るトレーニングもしていたのですが、虎の門病院にはいろいろと新しい技術を取り入れる風土があり、早い段階でAIの導入を進めていたんです。

大腸を調べるカメラを操るには、かなりの時間と労力が必要です。せっかく苦労してその技術を習得できても、AIが発達して人間よりもより早く正確な検査ができるようになってしまえば、その技術はほとんど必要なくなってしまう。

もちろん、すぐにAIに仕事を取って代わられるわけではないのですが、AIができることを間近で見ていた身としては、危機感がありました。

大学時代や研修医時代に教わる「教科書どおりの医療」では、時代においていかれるなと思ったんです。

そして4年間、虎の門病院に勤めた後、留学するためにアメリカへと渡りました。

マイナスをゼロにするのが「治療」なら、ゼロをプラスにするのが「予防」。アメリカで見つけた自分の武器

―なぜアメリカへ留学したのですか?

中村さん
理由はさまざまですが、最大の理由はアメリカが医療経済大国だからです。

皆さんもご存知の通り、日本は国民皆保険制度の上に成り立っています。国民は毎月保険料を納め、原則3割の負担で医療を受けられますが、アメリカでは日本よりもさらに高額な医療費を払わなければなりません。

およそ年収の20%が医療費に消えていき、クレジットカードでの破産よりも、医療費が払えずに破産するケースの方が多いというのです。

―日本とアメリカで、そこまで医療費の差があるんですね。

中村さん
アメリカでは民間の医療保険に加入することが一般的ですが、それでもやはり日本よりも治療費は、かなり高くついてしまいます。

だからアメリカでは病気にかかる前に「予防」しよう、という考え方が一般的で、予防の意識は日本や他の国に比べても高いんです。

アメリカでは大学院に通いながら、日本より進んだ予防医療について学ぼうと思い、予防のクリニックでも働いていました。

―アメリカにはどれくらいの期間留学していたのですか?

中村さん
2016年から2年間です。

実はアメリカに行っている間、身内に不幸がありまして。大学院では研究が主なタスクだったのですが、やはり私にとって医療は「人のために活かしてこそ」だなと再確認する機会となりました。

そこで大学院では修士課程を修了し、現地のクリニックで予防について勉強した後、2018年に帰国。「虎の門中村康宏クリニック」を開業しました。


https://tnyc.tokyo/

―「虎の門中村康宏クリニック」の専門領域はなんでしょう?

中村さん
いわゆる保険診療で受けられる通常の一般内科、それから虎の門病院時代からの専門である消化器内科です。

また、自由診療でアンチエイジング・予防の相談も受け付けています。

具体的には現在の体調の状態を数値化し、大きな病気にかかる前兆は見受けられるかといった予防的観点での検査、健康的に痩せるためのダイエット法や成長ホルモン補充療法(※)の提案をしています。

※アメリカでは “究極のアンチエイジング”として、年間2〜3万人もの方が骨粗しょう症予防や筋力維持、見た目のアンチエイジング、メンタルヘルス、睡眠の質改善のために「成長ホルモン補充療法」を行っているとされている。

―その他の活動を教えてください。

中村さん
予防に対する啓蒙活動として、メディアへの露出も増やしています。最近ですと『ホンマでっか!?TV』や『林先生が驚く初耳学』といったテレビや、Web・雑誌の取材対応、書籍の執筆などがこれに該当します。

日本はアメリカに比べて、まだまだ予防の意識が低いと言えます。

先ほどお話した通り、それは日本がアメリカに比べて医療費が安いから、という理由が大きいのですが、財政を逼迫する社会保障費を見ても分かる通り、これからは日本の医療費も値上がりする可能性は否定できません。

しかしそもそも病気に「かからない」、ないしは「かかりづらい」体を1人1人が維持することができれば、医療費に頭を抱えなくて済むかもしれません。

マイナスをゼロにするのが「治療」なら、ゼロをプラスにするのが「予防」です。人生100年時代を楽しく生きる上でも、予防という概念をより多くの人に知ってもらえたらと思います。

自分の武器は何か、を考える。同じ山でも登り方は人それぞれ

―今後の展望を教えてください。

中村さん
日本の予防への意識の底上げを目標にしています。

まずは地道に自分のできることから1つずつ、という感じですが、いろいろな手段で多くの人に予防の大切さを知ってほしいですね。

また、虎の門に病院を開いたのは外国人が多いから、という理由もあります。日本だけでなく、アジア圏やヨーロッパなど、世界各国の人が集まるこの場所で、さまざまな国の人に予防の大切さを伝えていけたらと思います。

―最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

中村さん
独立・起業をする上で、自分にはどんな武器があるのかを考えることはとても大切だと思っています。

虎の門病院に勤める優秀な同僚たち、急速な進歩を遂げる医療技術、アメリカで研究に没頭する研究者たち。

私の話を例に挙げるなら、そういった中で自分には何が向いていて、何だったら戦っていけるかを考えました。その結果を「虎の門中村康宏クリニック」に活かしています。

もちろん正解は1つではありません。同じ山でも登り方は人それぞれですから、自分らしい武器と戦い方で、勝負ができることが1番だと思います。

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