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【経営者のための仕事術】あとに残る印象をつくる戦略

【経営者のための仕事術】あとに残る印象をつくる戦略

ビジネス書著者で商品開発コンサルタントの美崎栄一郎です。仕事術に関する著作をたくさん書いていますが、アントレnet Magazineでは、「経営者のための仕事術」について、実践できるノウハウや考え方をお伝えしたいと思っております。

今回は、あとに残る印象をつくる戦略について考えてみたいと思います。事業やサービスを覚えてもらうために、TOYOTAは自動車のCMを入れ、花王は洗剤のCMを入れているわけです。知らないものを買うことは稀ですから、知ってもらうことがビジネスの最初の一歩です。つまりは記憶されるために、あとに残る印象をどうつくるのかというのが、経営者目線では必要なのです。

今回は、いろんな印象に残るための戦略について、良い事例や悪い事例も含めてみていきましょう。

キスマークの効果とは

キスマークのイラストを画像素材で用意しました。キスマークというのは、その人本人の印象があとに残る典型例ということで、例に出すことにしました。

良い印象なのか、あとで問題になるのかは、ともかく(笑)、キスマークという形が持つ効果は絶大です。つまり、本人がいなくても、存在感を表しているということが経営を考える上では重要だと理解ください。

本人がいなくても存在感を表すために、大手の会社では広告を入れるわけです。駅の中、電車の中の広告をはじめとして街中に広告が溢れるのは、存在感を出すためです。思い出してもらうため。そういう意味では、企業が戦略的につけたキスマークだと言えます。

ただし、本当に効果があるかどうかは疑問です。お金を出すだけで広告できるわけですから、単に出すだけでは本来の目的を達成できません。数時間前に読者の皆さんが滞在していた場所(駅、街中、空港、道路、自宅のリビングかもしれません)で見た広告を思い出してください。10秒だけ考えてください。

どうでしょう? ほとんど思い出せませんよね。

そう考えると、キスマークというのはホントに強い符号なんだなぁと実感しますよね。

 

映画やドラマの宣伝のために雑誌の表紙を飾る理由

効果が持続するように設計できれば…という理由で、映画が公開されるタイミングやテレビドラマが新しくスタートする時期に、主役のタレントさんがタイアップとして、雑誌の表紙を飾っています。
広瀬すずさんが表紙の雑誌が多いときには、広瀬すずさんの主演映画が公開されているはずです。
有村架純さんが表紙を飾っているんだとすると、有村架純さんの主演映画が公開されているはずなのです。
映画のポスターなどだけではなく、雑誌の表紙もコンビニや書店、駅のキヨスクなどでポスターと同じ効果を発揮するからです。

そうやって、何度も目にした主演女優の映画を観ようという気になってもらうというのが、映画というビジネスを考えた上でやっていることです。それも、映画館の予告編だけでは、集客には弱いからなんです。

 

ノートパソコンの背面にロゴマーク

スターバックスなどのコーヒーチェーンに行くと、アップルのMacBookを持っている人が沢山いることに気がつきます。ノートパソコンの背面にあるリンゴのマークが目に付くからです。この位置にロゴを付けたことが重要です。ノートパソコンの画面より背面のほうが人に見られやすいからです。
ノートパソコンの画面が見られる位置に座ればおそらくフレームやキーボードより、液晶の中の中身に興味が出て、チラ見するのは開いている書類の中身だったりするでしょう。しかし背面であれば見ていても問題ありませんから、チラ見ではなく普通に視線を向けることができますよね。

プレゼンテーションのときが、更に効果的です。アップルの製品を使ってプレゼンしているという雰囲気が設置された壇上のノートパソコンの背面から伝わってきます。機種によっては壇上でアップルのロゴマークが光りますからね! 照明を落とした壇上で印象的に。

これを意識して、IT企業で良く作られるのがノートPCなどに貼るためのロゴマークのステッカーです。悪くはないのですが、アップルほどの効果は発揮していないのが事実でしょう。ステッカーを作る費用が安いから作りやすいのでしょうが、どういう印象をあとに残したいのか? ということで考えてはいないのです。
たくさん、ITベンチャーのステッカーが貼ってあるノートパソコンを見ることがありますが、どの会社も結果的に印象に残りづらいわけです。いろいろ頂きますが、貼るまでには至らない…(苦笑)。

最近頂いたステッカーで、ペコッターというサービスのシールが面白かったので、私のMacBookに貼りました。毒りんごを持っている魔女のステッカーがネットで話題になったことがありましたが、そのノリです。元々のリンゴマークをジャックする形です。ちなみに、ペコッターは日本全国の飲食店の予約を代行してくれるアプリです。

 

マイレージカードやポイントカード

航空会社のマイレージカードやお店のポイントカードも記憶に残るためのツールとして導入されています。お店を選ぶとき、飛行機を選ぶときに、自分がカードを持っているところを優先しようという気が働くようにです。コンビニエンスストアなどでも会員カードを作っている理由は競合が多くなればなるほど、違うお店で買うことも簡単になりますから、スイッチされないようにカードを作りポイントが貯まる、割引がある、などのような記憶に残るための努力をしているのです。

いろいろな努力が実際に実を結んでいるのかを考えてみてください。自分の周りで行われているビジネスを見ればヒントがあるでしょう。ご自身がやっていることはあとに印象を残すことができているでしょうか。相手の立場に立って、冷静に眺めてみると、効果の高い方法を思いつくかもしれませんよ。キスマークのように強烈な印象を残せるように、工夫してみてください。

 

商品開発コンサルタント・ビジネス書作家
美崎栄一郎

商品開発コンサルタント。花王でアタック、ソフィーナなどの開発のプロジェクトリーダーとして活躍後、独立。
コンサルティングでは、1年で結果を出すことを念頭に置き、企画から販売及び広報戦略まで複合的にサポートする手法が評価されている。

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【経営者のための仕事術】名刺作成のデザインのヒント
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