独立して自分で仕事を得ていくためには、お客さまからの信頼を勝ち取ることが大切です。
もちろん、実際の仕事ぶりや親しみやすい人柄などもとても大切です。
ですが、まだあまり関係性が築かれてないお客さまに対しては特に、自分のことを「賢い人間である」「優秀である」と印象づけておくと、信頼を得られ、仕事をもらえるチャンスが増えていきます。
そこで今回は、心理学者の内藤誼人先生に、自分を賢く見せるために必要なテクニックを解説していただきました。
賢く見せたいここ1番の時に、実践してみてください。
相手の「片目だけ」を見ながら、短い文章で話す。緊張せずに知的なイメージを与えられる話し方
それでは早速あなたを知的に見せるために必要なポイントを解説していきましょう。
まずはズバリ、話し方です。
アメリカはノースイースタン大学のノラ・マーフィー氏の行った実験をご紹介します。マーフィー氏が行った実験において「知的に見える」ためには以下の2点を押さえておく必要があります。
1つ目は、「話が短く、1文が短文である」こと。
例えばこんなお話があったとします。
なんでもない日常会話ですが、これを口に出して音読するとだいぶ印象が変わりますよね? 見てお分かりのように、話が長く「えーっと」や「んー」などの間投詞を多用すると、ちょっと賢く見えないですよね?
もちろんこの日常会話のように、なんでもない会話なら間投詞を多用しても問題ないかもしれません。しかしビジネスにおいて、ましてや関係性の築けていない人に対しては、例文Bのように短文で、文章を区切っていきましょう。
そして2つ目は、アイコンタクトです。
話している時には、相手の目を見ながら話をすると知的に見えることがマーフィー氏の実験で分かりました。
なぜアイコンタクトができていると知的に見えるのでしょうか?
それは、相手の目を見られない=自分に自信がない=おバカである、と判断されてしまうからです。
これは皆さんも簡単に想像できるのではないでしょうか? 相手の目を見て話している人は、堂々としているように見えますよね。
とはいえシャイな人も中にはいらっしゃると思いますので、私から1つアドバイスを差し上げましょう。
相手の目を見て話せない人は、相手のどちらか片方の目だけを10秒間見つめて、10秒経ったら今度はもう片方の目を見つめてみてください。
目を見て話す、というとどうしても相手の両目、ひいては相手の顔全体を見ることと考えてしまいますが、実は相手の顔全体を見ていなくてもいいんです。
10秒毎に右目、左目と片目ずつ変えていけば、相手はあなたと目が合っているように感じ、あなたは「片目だけ」を見ることに集中すれば、恥ずかしさの感情は出にくくなるのです。
相手の片目を見ながら、できるだけ短い文章で話をする。これを実践するだけで、あなたは途端に賢く知的に見えるのです。
知的で論理的に見せたいなら、ダイエットを始めよう!
知的に見せるためのポイントは話し方だけではありません。
イースタンミシガン大学のリチャード・ラーナー氏は、顔が見えない状態にした肥満と筋肉質の人の上半身の写真を見せ、どちらが知的に見えるか?という実験を行いました。
結果、66%の人が筋肉質が知的に見えると回答しました。
もちろん、肥満の人は「優しそう」「おおらか」といったイメージを持たれることもあるので、悪いことだけではありません。
しかし、独立して1人で戦っていくことを考えると、多少体を締めたほうが良いかもしれません。
プレゼンなど、相手に自分を知的で論理的に見せたい時に、スリムな人の方が得をすることが多いですから。
そして今から鍛えようとしている方にお教えしたいのが、あくまで鍛えるのは「上半身だけ」でいいということです。
なぜなら人は下半身を見ていないからです。人はおよそ60〜70%は顔を見ています。ましてや商談時などは基本的には座っていますし(笑)。
したがって、鍛える部位としては肩周りや腕周り、胸など上半身を中心に鍛え上げたほうがいいでしょう。
さらに他の部位を鍛えていれば、自然と顔周りもシュッとしてくるので、おすすめです。
まとめ
自分を知的に見せたい時、最後にとっておきの方法をお教えしましょう。
それは常に冷静でいること。
すぐに感情的になる人間は、賢くは見えないのです。
それどころか「彼はすぐ感情的になってものを言う」と、相手になめられてしまい、ひいては自分の評価を下げることにも繋がりかねません。
最後になりますが、今回お教えしたのは「自分を知的に見せるための方法」です。全てのビジネスシーンにおいてこれらの方法が有効とは限りません。
商談が終わって楽しく会食をしている時まで、知的に見せようとしてポーカーフェイスをしていると、かえって親しみづらくなってしまうこともあります。
大切なのは、ビジネスはビジネス、プライベートはプライベートとして上手に使い分けることです。ここ1番のタイミングで自分を知的に見せ、あなたの交渉を有利に進められることを祈っています。
・人を操り、動かす。独立後に役立つ「人たらし」のブラック心理術【第1弾】
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心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に、「ジョジョの奇妙な冒険が教えてくれる最強の心理戦略」(かんき出版)
「ヤバすぎる心理学」(廣済堂)など。
講演会・セミナーの依頼は、システムブレーンまで。
システムブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.sbrain.co.jp/