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【目的別】働き方改革を実現するアイデア9選|成功には〇〇が重要

【目的別】働き方改革を実現するアイデア9選|成功には〇〇が重要

働き方改革を実現するには、改革に取り組む目的を理解したうえで、自社に合ったアイデアを取り入れるべきです。本記事では働き方改革に取り組むべき理由について解説し、残業時間を減らしたり、自由な働き方を実現したりするためのアイデアをご紹介します。従業員のモチベーションアップに有効なアイデアも紹介するので、気になるものを探してみましょう。

働き方改革とは?

働き方改革とは、働く人々が個々の事情に応じた働き方をするための改革のことです。個々の事情には、介護や子育てといった家庭の事情、年齢や持病などにより長時間働けないなどが挙げられます。このような人材が無理なく働ける環境を作ることで、働ける人が増え、労働人口の減少に歯止めをかけられます。

働き方改革が注目される背景

働き方改革が注目される背景には、“労働人口の減少”があります。日本では2005年以降、死亡数が出生数を上回る状況が続き、総人口の減少が問題視されています。

現状のまま推移した場合、約100年後には総人口が3分の1程度まで減少する予測です。加えて少子高齢化も続いており、労働人口の減少も深刻です。働き方改革に取り組み、働きやすい環境を整備することで、今まで働けなかった人も働けるようになるでしょう。

例えば、家事や育児・介護などの事情がありフルタイムで働きにくい人も、時短勤務やテレワークであれば働けるという人も少なくありません。

「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)

(P.21より)
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働き方改革関連法とは?

働き方改革関連法とは、労働者のさまざまな状況に応じた多様な働き方を実現するための法律です。2019年から順次施行されています。中小企業は2020年から施行されました。

日本が直面している“少子高齢化による人口減少”“有給所得率の低さ”などの問題を解決するための施策でもあります。ここからは、主な取り組み内容を確認していきましょう。

時間外労働の上限規制

働き方改革関連法の1つ目の内容は“時間外労働の上限が導入された”ことです。

働き方改革関連法が施行される前までは、法律上、残業時間の上限は存在しませんでした。しかし、働き方改革関連法で残業時間の上限は、「原則月間45時間・年間360時間」と定められました。臨時的な特別の事情がないと、この時間を超える残業はできません。

また、臨時的な特別の事情があり労使が合意する場合でも、次の時間を超える残業はできません。

・年720時間以上の残業
・休日出勤を含む月80時間を超える残業(複数回)
・休日出勤を含む月100時間を超える残業

原則である月間45時間を超えることができるのは、年6回が限度です。これらの時間を超えて企業が時間外労働をさせた場合、罰則を科せられることになります。罰則は、6ヵ月以下の懲役、または30万円の罰金です。

「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(厚生労働省)

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企業による労働者の労働状況の把握

働き方改革関連法の2つ目の内容は“労働者の労働状況の把握”です。

使用者は労働者の労働状況を客観的に把握し、適切に管理する責務があります。例えば、時間外労働の上限を超えていないかを確認するために「タイムカード」を使って記録します。自己申告ではなく、タイムカードで記録することでデータ化し、正確に把握するためです。このような労働状況の把握も、働き方改革関連法の取り組みの1つです。

フレックスタイム制の拡充

働き方改革関連法の3つ目の内容は“フレックスタイム制の拡充”です。

フレックスタイム制とは、労働者が日々の業務の始業時間・終業時間・労働時間を自ら決められる制度のことです。この制度を取り入れることで、労働者は仕事と生活のバランスを取りやすくなります。また、2019年の法改正により労働時間の清算期間が「1ヵ月」から「3ヵ月」に延長され、より柔軟な働き方が拡がりました。詳しい仕組みについては、厚生労働省が公開している「フレックスタイムの解説」を参考にしてみてください。

「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」(厚生労働省)

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年次有給休暇の取得促進

働き方改革関連法の4つ目の内容は“年次有給休暇の取得”です。

働き方改革関連法により、企業は年10日以上の有給所持者には、1年以内に5日以上の有給取得期間を指定して取得させなければいけません。もしも有給を取得させなかった場合は、30万円以下の罰金を科せられることになります。

働き方改革はなぜ必要?取り組む目的は主に3つ

【目的別】働き方改革を実現するアイデア9選|成功には〇〇が重要

働き方改革に取り組む主な目的は、労働環境を見直し、労働者が働きやすい環境を整えるためです。柔軟に働ける環境が整えば、労働者もストレスなく働けるでしょう。加えて、育児や介護などと仕事を両立しやすくなり、離職率の軽減にもつながります。

ここからは、働き方改革に取り組む目的を3つご紹介します。

働きやすい環境を整備するため

働き方改革に取り組む目的の1つ目は“働きやすい環境を整備するため”です。

働きやすい環境を整備できれば、労働者は個々の状況に応じた働き方を実現できます。例えば、介護や子育てに追われてフルタイムで働きにくい人も、「時短勤務」「テレワーク」などの制度があれば働きやすくなります。

さらに、労働環境が整えば「ここの企業は働きやすいから」というような理由で、企業の離職率を下げることもできるでしょう。

長時間労働を防止するため

働き方改革に取り組む目的の2つ目は“長時間労働を防止するため”です。

長時間労働には健康を害するリスクがあります。十分な睡眠や休息をとれなかった場合、心身ともにさまざまな悪影響を及ぼします。長時間労働が続くことで、過労死にいたるケースも少なくありません。

企業からしてみると、労働者からの訴訟や優秀な人材を失うリスクがあります。

労働生産性を向上させるため

働き方改革に取り組む目的の3つ目は“労働生産性を向上させるため”です。

現代では少子高齢化の影響で、労働人口が減少し続けているため、一人ひとりの労働生産性を高めることが求められています。ちなみに、労働生産性とは、従業員一人あたりの労働効率のことを指します。

労働生産性を向上させるには、“いかに効率よく仕事を終わらせるか”“従業員のモチベーションを保つにはどうしたらいいのか”など、さまざまなアイデアを考える必要があります。一人ひとりの労働生産性を向上できれば、無駄な長時間労働を減らし、質の高い仕事をこなせるようにもなるでしょう。具体的なアイデアについては、次から詳しく紹介します。

残業時間を減らす施策?働き方改革のアイデア3選

従業員の生産性を高めて残業時間を減らせば、企業も残業代を支払わずに済みます。従業員は、自分の好きなことに使える時間が増え、公私の満足度が高くなるでしょう。残業時間を減らすことは労働者にも企業にもメリットがあります。

残業時間を減らすにはどうすればいいのか、3つのアイデアを紹介します。

ITツールを導入して効率化を図る

残業時間を減らすアイデアの1つ目は“ITツールを導入して効率化を図る”ことです。

受注管理・経理処理などはITツールを導入することで自動化できます。今まで人の手で行っていた業務も、RPA(Robotic Process Automation)のようなツールで機械化・自動化できます。自動化できる業務はITツールに任せ、従業員はクリエイティブな業務に集中しやすくなるでしょう。労働生産性が向上し、残業も少しずつ減っていきます。これを機に、ITツールを導入してみてはいかがでしょうか。

残業できない仕組みを考える

残業時間を減らすアイデアの2つ目は“残業できない仕組みを考える”ことです。

働き方改革関連法により、時間外労働の規約が厳しくなりました。規約違反で企業が罰則を受けないためにも、労働者が残業できない仕組みを考えてみましょう。

ただし、今までの名残で残業することが当たり前という社風の企業もあります。“残業代をもらうため”“上司が帰らないから帰りにくい”など、残業をする理由は異なりますが、いきなり環境を変えるのは難しいものです。まずは労働者に不必要な残業をさせないためのアイデアを考えてみましょう。

例えば、“残業できる日・できない日や曜日を決める”“終業時間を現実的な時間として、強制的に帰らせる”などです。タイムリミットを定めることで、労働者の「時間内に仕事を終わらせなければならない」という意識が高まります。労働生産性の向上にもつながるでしょう。

仕事を複数人で分担する

残業時間を減らすアイデアの3つ目は“仕事を複数人で分担する”ことです。

一人ひとりの従業員を管理できていれば問題ありませんが、特定の従業員に作業が集中してしまうこともあります。そうならないよう、事前に作業を細かく分担することで、作業量のバランスを調整しましょう。仕事を複数人で分担し、バランスが崩れていないかこまめに確認することで、作業が一人に集中することは減っていきます。

また、複数人のチーム体制にすることで競争意識に働きかけ、労働生産性を高めることもできます。

自由な働き方を実現できる?働き方改革のアイデア3選

【目的別】働き方改革を実現するアイデア9選|成功には〇〇が重要

自由な働き方を実現し、労働者のストレスを軽減すれば、離職率改善や自社のイメージアップにもつながります。優秀な人材を確保し、長く働いてもらえれば、組織としての成長も早くなります。

それでは、自由な働き方を実現するにはどうすればいいのでしょうか。自由な働き方を実現するためのアイデアを3つご紹介します。

テレワークや在宅勤務の導入

自由な働き方を実現するためのアイデア1つ目は“テレワークや在宅勤務の導入”です。

テレワークや在宅勤務を導入すれば、労働者は通勤時間を省けます。労働者は、通勤に充てていた時間を活用して家事や育児、プライベートな時間を増やすことができれば、公私への満足度も高まるでしょう。

特に満員電車で通勤するストレスは大きく、“戦場で感じるストレス”に匹敵するともいわれています。“出社したときにはヘトヘトになっている”ということもなくなり、フレッシュな頭で仕事に取り組めるでしょう。

フレックスタイム制度の活用

自由な働き方を実現するためのアイデア2つ目は“フレックスタイム制度の活用”です。

フレックスタイム制の場合“就業時間は9時から17時まで”というような企業全体で固定の勤務時間ではなく、その人に合った勤務時間で働けます。この制度により「介護と仕事を両立させたい」「子どもが生まれた後も働き続けたい」という人たちが、仕事を辞めずに仕事とプライベートを両立させられるかもしれません。

通勤時間も調整できるので、通勤ラッシュの時間帯を避けることもできます。労働者のストレスを減らし、自由度の高い働き方を実現できる制度です。

有給休暇を取得しやすい仕組みを考える

自由な働き方を実現するためのアイデア3つ目は“有給休暇を取得しやすい仕組みを考えること”です。

有給休暇の取得率は年々上昇しており、令和4年では「58.3%」まで上昇しています。働き方改革が始まった2019年では「52.4%」であり、3年間で約4%上昇しました。

ただし、有給休暇を取得させられていない企業があるのも事実です。“全社員が休みの日を決める(有給休暇)”“半日・時間単位の有給を導入する”などのアイデアも検討してみましょう。

「令和4年就労条件総合調査の概況」(厚生労働省)

(P.7より)
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モチベーションアップに有効?働き方改革のアイデア3選

従業員の仕事に対するモチベーションは、労働生産性に大きく影響します。モチベーションを維持させるために、働きやすい環境をつくるのも有効です。働きにくい職場では不平・不満が募り、生産性が下がるばかりか離職につながる恐れもあります。

従業員のモチベーションを高め、生産性の向上やスキルアップを促す3つのアイデアをご紹介します。

研修制度やチームを作る

モチベーションアップに有効なアイデアの1つ目は“研修制度やチームを作る”ことです。

チームで業務を進める環境を整えることで、競争意識が芽生えたり、業務の連携をスムーズに行えるようになったりします。コミュニケーションが増える分、同僚と親密な関係を築ける可能性も高まります。仕事が楽しくなり、モチベーションやチームへの貢献意欲も高まっていくでしょう。

人事評価制度の導入

モチベーションアップに有効なアイデアの2つ目は“人事評価制度の導入”です。

人事評価制度は、企業が定めた基準をもとに従業員を公平に評価する制度のことです。これまでの日本では年功序列や長時間働く意欲があるかどうかなど、業務内容ではない部分で評価されるような風潮すらありました。今までの制度は、長時間労働している人を評価する傾向にあったということです。

しかし、長く職場にいるだけでこれといった成果を上げていないなら、それは正しい評価とはいえません。企業側からすれば、非効率で残業代の無駄遣いです。

人事評価制度を導入することで、公平な評価をされやすくなり、生産性の高い人が評価されるようになります。公平に評価される制度を確立できれば、優秀な人材も確保しやすくなるでしょう。

給与規定の見直し 

モチベーションアップに有効なアイデアの3つ目は“給与規定の見直し”です。

働き方改革では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇も問題視されています。例えば、同じ業務に取り組んでいる場合でも、雇用形態の違いだけで賃金に差額が出ることもあります。企業には、従業員の給与規定が公正かつ適正であることが求められます。

雇用形態だけで判断せず、業務内容や能力に合わせて正当な給与を支給するようになれば、非正規雇用社員のモチベーションアップにもつながるでしょう。

働き方改革のアイデアを実行する前に取り組むべきこと

【目的別】働き方改革を実現するアイデア9選|成功には〇〇が重要

働き方改革に取り組み、社内に新しい制度を浸透させるには、膨大なコストと時間を費やすことになるでしょう。何も準備もせずに取り組んでも、かけたコストが無駄になるかもしれません。

働き方改革のアイデアを実行する前に、取り組んでおくべきことを3つご紹介します。

働き方改革の目的を理解する

働き方改革のアイデアを実行する前に、“働き方改革の目的”を理解しておきましょう。

働き方改革を行う目的を明確にして、なぜ必要なのか、理由をハッキリさせるのです。最終的なゴールが見えていれば、そのために何が必要なのかも見えてきます。

働き方改革の目的を理解したうえで、ゴールから逆算して計画を立てましょう。

社内の制度や風土を見直す

働き方改革の目的が理解できたら、“社内の制度や風土”を見直しましょう。

自社にはどのような問題があり、それにより生じる不利益は何か、客観的に分析してみます。現時点で社内にどのような制度があるのか、その制度により得られる恩恵は何か、書き出してみることで現状が見えてきます。現状の制度を見直すことで、新しく取り入れるべき制度やアイデアを考えやすくなるでしょう。

一人ひとりに働き方改革を意識させる

自社の課題が分かり、解決のための制度を新設したら、従業員一人ひとりにその意義を理解させましょう。取り組みの意義を理解することで、働き方改革に対する意識も変わってきます。

働き方改革の新制度を活かし、社内に新しい風を吹かせるのは一人ひとりの従業員です。取り組みの意義やメリット、将来のビジョンを示し、従業員が自走できるようにしていきましょう。

働き方改革ではアイデアを取り入れるだけでは失敗する?自社の分析も忘れずに

働き方改革を実行する前に、自社の分析は忘れずに行いましょう。自社にはどのような課題があり、それを解決するために必要な制度は何なのか、まずはなるべく多くのアイデアを出してみます。本記事でご紹介したアイデアも、闇雲に取り入れるだけでは成果が出ないでしょう。

自社の課題を理解したうえで、解決につながるアイデアを見極めなければなりません。従業員の意見も集めながら、全社一丸となって働き方改革を進めていきましょう。

PROFILE

ほのゆき

東京在住の会社員ライター。ビジネスに関するノウハウやスキルアップを中心にライフスタイルまで幅広く執筆

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