資金調達コンサルタントとは？選び方やおすすめ3選

資金調達にはさまざまな方法があり、それぞれ難しさも、適したケースも異なります。資金調達に迷ったら、資金調達コンサルタントを利用するのもよいでしょう。資金調達コンサルタントとは、企業ごとに適した資金調達の方法を見極め、手続きや資料作成をサポートするサービスです。本記事では資金調達コンサルタントを利用するメリット・デメリット、選定ポイントを解説します。実績豊富な資金調達コンサルタントの例も3社紹介します。自社と相性の良さそうなところがないか、探してみましょう。

資金調達コンサルタントとは？

まず、資金調達コンサルティングとは、企業の資金調達をサポートするビジネスです。このビジネスを営んでいるのが資金調達コンサルタントになります。その企業に適した資金調達の方法や調達先を選んだり、事業計画書の作成や手続きをサポートしたりします。

自社で資金調達をしたことのない企業や、大きな金額の調達が必要なときなど、専門家にサポートしてもらいたい場面もあるでしょう。資金調達コンサルティングへの費用こそかかるものの、確実性や調達額を考えれば、悪くない選択肢といえます。

資金調達コンサルティングを利用する3つのメリット

資金調達コンサルティングを利用する主なメリットは、次の3つです。メリットと、自社で資金調達する場合の「難易度」やコンサルティングにかかる費用を比較して、利用を検討しましょう。

メリット1．資金調達を成功させやすい

資金調達コンサルティングを利用する1つ目のメリットは、「資金調達が成功しやすい」ことです。実績の少ない企業や社会的信用の低い企業が大きな資金を調達するのは容易ではありません。コンサルティングを活用することで、難易度の高い資金調達の成功率も高くなるでしょう。

資金調達の成功率、調達金額、調達先の選択肢など、コンサルティングを利用すれば可能性は広がります。

メリット2．本来の業務に集中できる

資金調達コンサルティングを利用する2つ目のメリットは、「本来の業務に集中できる」ことです。資金調達には事業計画書の作成や申請・手続き、調達先の選定など、たくさんの時間と労力がかかります。これらをコンサルタントにサポートしてもらえば、自社の本来の業務に集中しやすいでしょう。

資金調達にかかる作業すべてを代行してもらえるわけではありませんが、資金調達について調べたり考えたりするリソースを、自社の重要な業務に回せます。

メリット3．リスクを軽減できる

資金調達コンサルティングを利用する3つ目のメリットは、「リスクを軽減できる」ことです。資金調達には、契約上のものや法律上のものなど、さまざまなリスクが伴います。

例えば契約書の確認不足でトラブルになったり、金融商品取引法に抵触してしまったりといったリスクです。専門家に依頼し、これらのリスクに備えることで、資金調達後の「予期せぬトラブル」を防げるでしょう。

資金調達コンサルティングを利用する3つのデメリット

資金調達コンサルティングを利用すれば、その分の費用がかかります。しかし、費用がかかること以外にも、資金調達コンサルティングを利用するデメリットはあります。利用する前に、これらを頭に入れておきましょう。

デメリット1．社内にノウハウが蓄積しにくい

資金調達コンサルティングを利用する1つ目のデメリットは、「社内にノウハウが蓄積しにくい」ことです。資金調達にはさまざまな方法があり、どの方法を選んでも、それなりの労力がかかります。

しかし、この「資金調達をした経験」は、社内にノウハウとして蓄積されます。そのときは大変でも、再び資金調達が必要になったときに役立つでしょう。

資金調達コンサルティングを利用するときは、可能な限りすべての手続きを代行してもらうのではなく、なるべく自社でも作業するのがおすすめです。何が必要で、どんなことを考えればいいのか、業務を進めながら教えてくれるコンサルタントを選ぶといいでしょう。

デメリット2．相性の悪い会社、担当者もいる

資金調達コンサルティングを利用する2つ目のデメリットは、「相性の悪い会社、担当者もいる」ことです。実績豊かなコンサルタントでも、自社との相性が悪ければ、その効果は半減します。

実績や費用だけでなく、「相談しやすさ」や「話のわかりやすさ」にも注目し、自社と相性の良いコンサルタントを選びましょう。

デメリット3．審査で不利になることもある

資金調達コンサルティングを利用する3つ目のデメリットは、「審査で不利になることもある」ことです。コンサルタントのサポートを受ければ、資金調達はしやすくなるでしょう。

しかし、「審査時にコンサルタントが同席する」「審査をコンサルタントに丸投げする」というようなケースでは、審査で不利になることもあります。

資金調達における審査では、事業や返済の計画だけでなく、「その事業に対する熱意」も見られています。コンサルタントにすべてを任せるような会社は「熱意がない」と見なされかねませんし、コンサルタントが同席したことで、込み入った話がしにくくなる可能性もあるでしょう。

資金調達コンサルタントの選定ポイント

コンサルティングを受け、資金調達を成功させるには、「自社と相性の良い、優れたコンサルタント」を選ばなければなりません。次の3つのポイントに注視して、コンサルタントを選びましょう。

ポイント1．専門分野をチェックする

資金調達コンサルタントを選ぶ1つ目のポイントは、「専門分野をチェックする」ことです。資金調達にはさまざまな方法があり、コンサルタントにも得意・不得意があります。

コンサルティング会社として運営している以上は、たいていの方法に対応できるでしょう。しかし、依頼するなら希望する資金調達の方法、自社の業界・業種を得意とするコンサルタントがベストです。

ただ、専門や得意分野は相談してみるまではわかりません。良さそうなコンサルタントを見つけたら、まずは問い合わせてみて、どんな分野が得意なのか聞いてみましょう。

ポイント2．実績や信頼度をチェックする

資金調達コンサルタントを選ぶ2つ目のポイントは、「実績や信頼度をチェックする」ことです。どんな分野でも、コンサルタント選びにおいて実績は重要です。調達先ごとの実績、各方面からの評判はチェックしておきましょう。

実績や評判をチェックするときは、その企業のホームページやインターネットを確認するだけでなく、直接問い合わせてみるのがおすすめです。ホームページなどWebには掲載していない実績も多いからです。自社の属する業界・業種の実績がほかにないか、必ず確認するようにしましょう。

ポイント3．業務範囲をチェックする

資金調達コンサルタントを選ぶ3つ目のポイントは、「業務範囲をチェックする」ことです。資金調達では、調達先の選定から事業計画書をはじめとする資料の作成まで、さまざまなことをしなければなりません。どのプロセスを、どこまでサポートしてもらえるかは、契約前に必ずチェックしましょう。

範囲外の業務を依頼すると、追加料金がかかることもあります。中には、範囲外のサポートは受けられないケースもあるでしょう。

予算内で、最大限の効果が得られるよう、業務範囲と料金形態は詳しくチェックしてください。

おすすめの資金調達コンサルタント3選

資金調達の目的は、融資や出資を受けることではありません。調達した資金を活かし、それ以上の利益や成果を上げることで、資金調達が成功したといえます。

そのためには、資金調達そのものはもちろん、企業の資金繰りにも精通したコンサルタントを選ばなければなりません。より良い経営を目指す企業におすすめの資金調達コンサルタントを3社紹介します。

株式会社HKコンサルティング

株式会社HKコンサルティングは、金融機関や公庫からの融資を得意とするコンサルティングファームです。大企業はもちろん、中小企業の事業資金にも精通しています。

代表は大手銀行の出身で、銀行員時代から17年間で800社を超える資金調達の実績を持ちます。銀行や公庫からの融資を考えているなら、まずは相談したい会社です。

株式会社HKコンサルティング：http://www.hkconsulting.co.jp/

株式会社グラティチュード・トゥーユー（資金繰りプラス）

株式会社グラティチュード・トゥーユーも、地方銀行の出身者が代表を務めるコンサルティングファームです。資金調達だけでなく、資金繰りに関する相談も多く受けてきたコンサルタントで、その相談実績は資金繰りコンサルタントとして15年間で5,000社を超えます。

資金調達に関する書籍も、2022年10月時点で11冊出版しています。問い合わせと併せて、書籍もチェックしてみれば、自社との相性も見極めやすいかもしれません。

株式会社グラティチュード・トゥーユー（資金繰りプラス）：https://sikinguri.info/

株式会社SGH

株式会社SGHは、JMR ORGANIZATION 2019の「経営者が推奨する財務コンサル企業」「お客様満足度」「問題解決力」の3つの分野でNo.1を獲得したコンサルティングファームです（実査委託先：日本マーケティングリサーチ機構／調査概要：2019年9月期 ブランド名のイメージ調査）。資金調達だけでなく、事業再生や財務改善など、経営に関する幅広い相談を受け付けています。

株式会社SGH：https://shikinguri-hotline.com/

資金調達コンサルタントの利用は慎重に

資金調達をコンサルタントにサポートしてもらえば、調達先の選択肢は広がり、調達額も大きくなるでしょう。

しかし、資金調達コンサルタントを利用するには、費用がかかります。「自社にノウハウがたまりにくい」「使い方を間違えると審査が不利になる」などのデメリットもあるため、利用は慎重に考えましょう。

コンサルタントごとに、得意とする分野や対応可能な業務が異なります。まずは企業ホームページをチェックし、気になるところがあれば、問い合わせてみるのがおすすめです。問い合わせや相談の際は、「業務範囲」と「同業界や似た課題での実績」を、特によく確認するようにしましょう。