スタイルのある生き方へシフトしたいビジネスパーソンのためのニュース・コラムサイト。
検索
独立ノウハウ・お役立ち

スタートアップの資金調達方法5選・成長フェーズごとのおすすめを紹介

スタートアップの資金調達方法5選・成長フェーズごとのおすすめを紹介

スタートアップにとって「資金調達」は大きな関心事です。資金調達に成功することが、そのままビジネスの成功につながると考えている起業家もいるでしょう。しかし、資金調達の方法を間違えると、自由な経営ができなくなったり、それまでの苦労が水の泡になったりすることもあります。

本記事ではスタートアップにおすすめの5つの資金調達について、それぞれのメリット・デメリットや向いているケース、スタートアップ企業の長フェーズごとにおすすめの資金調達方法をご紹介します。

【資金調達方法それぞれのメリット・デメリット】
・補助金・助成金
・融資
・出資を受ける
・クラウドファンディング
・ファクタリング

起業・独立を考え出したら、まずは情報収集からスタート!

起業に興味を持ったら、独立・起業の情報サイトでの情報収集がおすすめです。

  1. そもそも自分に起業が合うか分からない
  2. 自分にどんな仕事が合うのか知りたい
  3. 起業に成功したリアルな先輩情報が見たい

1997年から個人の独立起業を支援するアントレでは、成功ポイントをまとめた140本超の動画や先輩起業家を紹介。独立のプロからアドバイスももらえる会員特典が、あなたの起業準備を進みやすくします。

登録は無料なので、気軽に一歩を踏み出してみましょう。

まずは会員特典を調べる

目次

資金調達には3つの種類がある

資金調達にはさまざまな方法がありますが、基本的には3種類に分類できます。どのような手段、代償によって資金を調達するかにより、大きく3種類に分類できます。それぞれどのような方法で、スタートアップではどう使えるのか、確認していきましょう。

アセットファイナンス(資産による資金調達)

アセットファイナンスは資産による資金調達で、次のような方法があります。

【アセットファイナンスの方法】
・機器や社用車などの、不要な資産の売却
・ゴルフの会員権や有価証券など動産の売却
・社員寮や土地など不動産の売却
・売掛債権の売却

動産や不動産をあまり持たないスタートアップの場合は、“売掛債権の売却”が主な選択肢となるでしょう。売掛債権の売却とは、簡単にいえば“支払期日前の請求書を売却し、その入金で資金を早めに調達する”ことです。これはファクタリングと呼ばれ、本記事後半で詳しく解説します。

デットファイナンス(負債による資金調達)

デッドファイナンスは負債による資金調達で、次のような方法があります。

【デッドファイナンスの方法】
・金融機関や公庫からの融資
・知人や友人からの借り入れ
・社債の発行

スタートアップの場合は、金融機関や日本政策金融公庫からの融資が中心となるでしょう。親族や友人からの借り入れも選択肢ではあるものの、調達額が限られることや人間関係にヒビが入るリスクを考えると、あまりおすすめとはいえません。

エクイティファイナンス(資本による資金調達)

エクイティファイナンスは資本による資金調達で、主に株式を発行することで資金を増やします。新たに株式を発行し、それを購入(出資)してくれる人を募ることで、資金調達をする方法です。

ただ、株式を新たに発行すれば、社債の保有比率が変わります。スタートアップの場合は、自社保有株の比率が下がりすぎたために誰かに経営権を握られてしまうということが起きないように気を付けましょう。

ここまで紹介した3種類の資金調達について、それぞれの詳しい方法は以前の記事でも解説しています。より詳細なことが知りたい方はぜひお読みください。

参照:【資金調達・22選】目的・企業規模ごとのおすすめの方法を紹介

スタートアップにおすすめの資金調達1.補助金・助成金

スタートアップの資金調達方法5選・成長フェーズごとのおすすめを紹介

次からは、スタートアップにおすすめの資金調達を、具体的に5つ紹介します。スタートアップにおすすめの資金調達の1つ目は、“補助金・助成金”です。これらは国や自治体が企業を支援するための制度で、さまざまな種類のものが、定期・不定期に公募されます。

補助金・助成金のメリットとデメリット

補助金・助成金による資金調達には、次のようなメリット・デメリットがあります。

【補助金・助成金のメリット】
・返済不要
・公的な制度という安心感
・支給された資金の用途は基本的に自由
・基本的に消費税の対象外
・支給されたことが社会的信頼につながり、ほかの融資も受けやすくなる
・基本的に後払いが多い など

補助金・助成金は公的なものであり、返済不要な資金調達のため安心です。申請が通り支給されたことにより、ほかでの融資も受けやすくなるなどのメリットがあります。社会的信頼の面で不利なスタートアップにとっては、最初に検討したい方法といえます。

【補助金・助成金のデメリット】
・手続きに時間と労力がかかる
・受給要件があり、常に活用できるとは限らない
・補助金には予算があり、要件を満たしても受給できないことがある など

一方で、補助金・助成金を受給(申請)するのには時間と労力がかかります。すぐに、確実に資金調達できるものではない点は、スピード感の重要なスタートアップにとって難点です。

補助金・助成金が向いているケース

補助金・助成金は、法人を設立したり事業を拡大したりする際、まず検討したい方法です。返済不要なため、その後の経営への影響がほぼなく、支給されれば、ほかでの融資も受けやすくなるため、先の見えにくいスタートアップにおすすめです。

ただし、申請から資金調達までには時間がかかります。申請するなら早めに行動を起こしましょう。

スタートアップにおすすめの資金調達2.融資を受ける

スタートアップにおすすめの資金調達の2つ目が、“融資を受ける”方法です。金融機関や日本政策金融公庫などから融資を受け、元本と利息を少しずつ返済していきます。

融資を受けるメリット・デメリット

融資を受けることには、次のようなメリット・デメリットがあります。

【融資を受けるメリット】
・まとまった金額を調達できる
・調達額の調整がしやすい など

融資なら、まとまった金額の資金を、比較的スピーディーに調達できます。調達額やスピード感から見て、本記事で紹介する方法の中でも、最も利用しやすい方法でしょう。

【融資を受けるデメリット】
・負債が増える
・返済が必要
・利息がかかる
・審査があり、そのための準備に時間と労力がかかる など

一方、融資を受ければ利息がかかり、元本と併せて返済していかなければならなくなります。その後の経営が思うようにいかないと、返済の負担は重くのしかかるでしょう。負債も増えるため、自己資本比率も低くなり、社会的信用も得にくくなります。

元々、社会的信用の低いスタートアップにとっては、慎重に検討すべき方法です。大企業やそれなりに歴史のある企業に比べると審査も通りにくいため、そのための準備にも時間と労力がかかります。

融資が向いているケース

融資はなるべく早く、まとまった資金を調達したい場合に利用するのが良いでしょう。融資には審査があり、審査に通るにはきちんとした事業計画書を作らなければなりません。審査に向けた準備は大変ですが、ほかの方法に比べると、かかる時間や労力は少ないといえます。

調達できる金額も大きいので、ここぞという場面では有力な選択肢となるでしょう。

スタートアップにおすすめの資金調達3.出資を受ける

スタートアップの資金調達方法5選・成長フェーズごとのおすすめを紹介

スタートアップにおすすめしたい資金調達の3つ目が、“出資を受ける”方法です。企業として出資を行うベンチャーキャピタル(VC)や、個人として出資を行うエンジェル投資家を探し、彼らに出資(投資)をしてもらいます。

出資を受けるメリット・デメリット

出資を受けることには、次のようなメリット・デメリットがあります。

【出資を受けるメリット】
・返済不要
・資金だけでなく、事業や経営に関するアドバイスを受けられる
・出資やアドバイスを受けたり、出資者を探したりする過程で人脈が広がる など

出資は“株式を購入する”という形式で行われます。出資者たちの目的は、“成長しそうな企業の株式を早い段階で買い、価値が高くなってから売る”ことで、その差額から利益を得ます。そのため、企業や事業を成長させるためのアドバイスも受けられるでしょう。彼らはいくつもの企業を成長させてきたプロなので、役立つアドバイスも期待できます。出資者を探したり、アドバイスを受けたりする過程で、このような“有力者”との人脈が広がるのもメリットです。

【出資を受けるデメリット】
・出資者を探すのに時間と労力がかかる
・経営方針を自由に決められなくなることがある など

もちろん、出資者たちは善意で資金提供してくれるわけではありません。彼らの目的は将来の株式売却による利益であり、価値の上がらなさそうな企業、成長の見込みが低い事業には出資をしてくれないでしょう。出資者を探し、彼らに自分たちのビジネスをプロモーションするのは大変なことです。また、出資してもらっている以上、経営に口を出されることは覚悟しなければなりません。経営に関するアドバイスを受けられる」といえば聞こえはいいですが、経営方針を自由に決められなくなる恐れもあります。小回りの利く経営が強みのスタートアップにとって、これらは大きなリスクです。出資による資金調達は、ほかの方法以上に慎重に考えなくる必要があるでしょう。

出資が向いているケース

出資を受けることが向いているケースは、“革新的なビジネスを起こす場合”や“自社と相性の良さそうな投資家が見つかった場合”などです。

投資家たちは大きな成長を遂げるであろうビジネスを常に探しています。自分たちのビジネスがなぜ成長するといえるのか、ハッキリと根拠を示せるなら、出資者を探してみるのもいいでしょう。スタートアップにとって“経営に口を出される”のは大きなリスクですが、相性の良さそうな投資家がいるなら別です。いくつものスタートアップを成功に導いてきた投資家のアドバイスは、調達する資金と同じか、それ以上の価値があるでしょう。

スタートアップにおすすめの資金調達4.クラウドファンディング

スタートアップにおすすめの資金調達の4つ目は、“クラウドファンディング”です。インターネットで自分たちのビジネスについて発信し、出資してくれる“個人”を集めます。近年、注目されている資金調達の方法で、スタートアップだけでなく、個人の成功例も増えつつあります。

クラウドファンディングのメリット・デメリット

クラウドファンディングには、次のようなメリット・デメリットがあります。

【クラウドファンディングのメリット】
・資金調達の目的や金額に制限がない
・ビジネスや会社のプロモーションにもなる
・専門家の支援を受けながら進められる など

クラウドファンディングをする際は、それを専門とする会社と契約を結びます。彼らはいくつものクラウドファンディングを成功させてきたプロであり、出資を募るページも、彼らの用意したWebメディアに掲載されます。実績のあるWebメディアで、ノウハウを教わりながら出資者を募れるのです。クラウドファンディングでは、自社やビジネスの魅力を伝え、応援してくれる人や共感してくれる人から出資を募ります。資金調達と同時にプロモーションやブランディングもできる方法であり、資金面以外のメリットも少なくありません。

【クラウドファンディングのデメリット】
・返済不要だが、お礼の品やサービスの提供が必要
・時間と労力がかかり、プロモーションやブランディングのスキルも必要
・目標額に届かないと集まった資金を受け取れないこともある など

クラウドファンディングは出資であるため、基本的に返済不要です。しかし、出資者たちへの見返りは必要であり、お礼の品やサービス、権利などを提供しなければなりません。自分たちのビジネスの魅力をうまく伝えられなければ出資者は集まらないため、ブランディングやプロモーションのスキルも求められます。打ち合わせや宣伝活動など、かなりの時間と労力がかかるでしょう。また、利用するクラウドファンディングによっては設定した金額に1円でも届かないと、それまで集まった資金を受け取れないこともあります。仮に100万円を目標にし、99万9,999円が集まっていても、募集期限が切れてしまうと、すべてが水の泡になってしまうのです。

クラウドファンディングが向いているケース

クラウドファンディングは“D2C(Direct to Consumer)ビジネス”や“目新しいビジネスを興す場合”に向いています。

出資してくれるのは個人であり、彼らはそのビジネスや企業に共感しているからこそ投資をしてくれます。これはD2Cで顧客を集めるのと全く同じ流れであり、クラウドファンディングがそのまま初期の集客活動になるでしょう。

注目を集めたり「このビジネスに関わってみたい!」という気持ちを呼び起こしたりするのも重要なため、何か目新しいビジネスを興す場合にも向いています。うまく活用できるのであれば、本記事で紹介する中で最も“スタートアップと相性の良い方法”」といえるでしょう。

スタートアップにおすすめの資金調達5.ファクタリング

スタートアップの資金調達方法5選・成長フェーズごとのおすすめを紹介

スタートアップにおすすめの資金調達の5つ目は、“ファクタリング”です。売掛債権(請求書)をファクタリング会社に売却し、請求書の支払期日よりも早く、その金額を受け取ります。

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングには、次のようなメリット・デメリットがあります。

【ファクタリングのメリット】
・借り入れではないため、自社ではなく取引先の信用度で審査される
・長期にわたる返済がなく、一括で、ほぼ確実に返済できる
・2社間ファクタリングなら、取引先に知られずに済む など

ファクタリングは一見借り入れですが、あくまでも売掛債権を売却し、資金調達する方法です。売却により、ファクタリング会社から調達したお金は、本来の取引先からの入金でそのまま返します。ほぼ確実に入ってくるお金を先に受け取り、一括で返す方法なので、リスクは少ないです。ファクタリングでは取引先の信用度や、これまでの取り引き(振り込み)実績が参照されます。自社の信用度に自信がなくても、検討する価値はあるでしょう。

【ファクタリングのデメリット】
・借り入れなどと比較すると手数料が割高
・請求先や請求金額によっては利用できない
・3社間ファクタリングでは、取引先の承諾が必要 など

ファクタリングには手数料がかかり、借り入れと比べて割高な傾向にあります。手数料の割安な「3社間ファクタリング」もありますが、これは自社とファクタリング会社、取引先の3社で行う方法です。取引先の承諾が必要であり、ファクタリングの利用も知られます。金額が少なかったり、請求先が個人だったりすると、ファクタリング自体を利用できないこともあります。

ファクタリングが向いているケース

ファクタリングが向いているのは、収支のタイミングがずれてしまい、一時的に早く資金が必要になったりした場合です。簡単にいえば“つなぎ資金”の調達に適した方法であり、それ以外にはおすすめできません。特に、経営難での資金調達に使ってしまうと、“ファクタリングのループ”に陥りかねません。手数料も割高なので、この場合は借り入れを選んだ方がいいでしょう。

成長フェーズ別おすすめの資金調達方法

スタートアップには、さまざまなおすすめの資金調達方法があることが理解できたでしょう。

しかし、闇雲に資金調達を行ってはいけません。スタートアップには4つの成長フェーズがあり、資金調達にもそれぞれのフェーズに適した資金方法があります。まずは、4つの成長フェーズについて理解を深めていきましょう。

【スタートアップの4つの成長フェーズ】
・シード期
・アーリー期
・ミドル期
・レイター期

シード期

「シード期」は、実際に起業する前の準備段階で、赤字になる可能性が非常に高い時期でもあります。どのようなビジネスにするかの事業立案や、調査や分析、製品開発などを行い、ある程度の形にはなっているものの、事業収益は見込めない時期です。収益はなくても、事業化するための基盤となる大切な時期で調査費、研究費、人件費などがかかるため、赤字になってしまうのは当然ともいえるでしょう。

また、シード期はまだ実績や信用のない時期のため、限られた資金調達方法の中で慎重に実行していく必要があります。資金調達はどのような方法があるのか調べたり、それぞれを比較・検討したりします。

アーリー期

「アーリー期」は準備してきた商品・サービスをもとに起業するタイミングです。会社設立費用、設備資金、黒字化するまでの運転資金など、シード期よりもコストがかかるため、さらに赤字になりやすい段階ともいえます。

また、どれだけ質の良い商品・サービスでも知ってもらえなければ収益にはつながりません。認知度を高めるための広告宣伝費やマーケティング費用も必要でしょう。

認知が広がり、事業がうまく回り始めると売り上げも上がっていきますが、しばらくは赤字が続くと考えておかなければいけません。前段階のシード期に、リサーチと検討を十分にできていることが重要となります。

ミドル期

「ミドル期」は商品・サービスに磨きをかけたり、マーケティングに力を入れたりして事業を急成長させる段階です。

ある程度、認知度が高まるのと同時に売り上げも上がっていきやすくなりますが、勢いを落とすことなく事業を成長させることが重要です。そのためには、さらなる資金投入が必要でしょう。すでに実績ができつつあり、会社の信用度も高まっているため、資金調達のハードルは低くなっている時期でもあります。

これまで以上に大きな金額の資金調達をすることになるため、資金計画は慎重かつ綿密に立てなければいけません。

レイター期

「レイター期」は、事業が安定し黒字になる段階です。さらに事業を拡大したり、新規事業を始めたりすることを検討していくこともできるでしょう。

レイター期になると知名度や実績も十分にできており、信用度も高まっています。資金調達の金額もこれまで以上に大きな金額を見込めて、どの資金調達方法でも比較的容易に実現できる段階です。

レイター期を迎えると、株式上場を目指すことも視野に入ってくるでしょう。

スタートアップの資金調達は「4つの成長フェーズ」に合わせて選ぼう

スタートアップには4つの成長フェーズがあり、資金調達もそれぞれに合った方法で行うことが大切です。特に、シード期やアーリー期はビジネスに集中したい時期であるとともに、赤字や資金不足になりやすいため資金調達方法を慎重に選ばなければなりません。ここからは、成長フェーズに合わせた資金調達方法を確認していきましょう。

シード期は日本政策金融公庫や投資家からの出資がおすすめ

シード期は経営方針は決まっているものの、ビジネスを起こす前段階の時期です。アイデアを形にしたり、サービスや商品を開発したりしている最中のため、実績や信用はまだまだ低い状況の中で資金調達をスピーディーかつ慎重に検討していく必要があります。

シード期には、以下の資金調達がおすすめです。
・日本政策金融公庫の創業融資
・エンジェル投資家からの出資
・ベンチャーキャピタル(VC)からの出資

ぜひ活用したい融資制度に、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」があります。無担保・無保証で3,000万円まで融資してくれるスタートアップに最適な制度です。ただし、申請してから融資までに平均3週間ほど時間がかかります。また、適正な事業計画書の提出をしないといけないため、ある程度、余裕を持った準備期間が必要だといえるでしょう。

短期間での資金調達が必要な場合は、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資がおすすめです。エンジェル投資家は個人のため、「出資する」と決めたら、早く実行してくれることも期待できます。

また、シード期の企業を専門にしたベンチャーキャピタルもあり、最短数日で払い込みまで実施してくれるところもあります。ただし、審査や判断によっては数週間かかることもあるため、“必ず短期間で出資を受けられる”というわけではありません。

出資を受けるということは自社株を投資家に渡してしまうことにもなります。強くアドバイスされたことには従わなければいけない場合もあるでしょう。柔軟に経営方針の決定や商品開発ができないこともあることを含め、相性の良い投資家を選ぶことが大切です。

「新創業融資制度」(日本政策金融公庫)

アーリー期はファクタリングや投資家からの出資がおすすめ

アーリー期は準備してきた商品やサービスをもとに事業化を達成し、人件費などの運転資金や設備資金が必要な時期でもあります。

アーリー期には、以下の資金調達がおすすめです。
・ファクタリング
・エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの投資
・時間に余裕があれば金融機関からの融資

アーリー期は、事業に対して非常に集中しなければいけない時期でありながら、資金不足に陥りやすく倒産のリスクも一番高まるフェーズです。ファクタリングであれば、手数料はかかるものの売掛金の支払期日よりも早く現金化できるため資金繰りの改善が期待できるでしょう。

ただし、債権額以上の資金を調達できるわけではないため、まとまった資金を調達したい場合はエンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの投資を検討するのが良さそうです。

また、資金が必要な時期までにある程度時間の余裕がある場合は、銀行からの融資を検討してみるのも1つの手です。ここ数年では、スタートアップに力を入れている銀行が増えており、低金利、保証人・担保不要、数千万円の融資が受けられるなどハードルは低くなっています。

ミドル期は金融機関の融資がおすすめ

ミドル期は事業を持続的に成長させる時期で収益が上がり始める、黒字化の一歩手前のフェーズです。事業のさらなる成長のため、人件費などの運転資金や設備資金がアーリー期よりも必要になるでしょう。

ミドル期には、以下の資金調達がおすすめです。
・金融機関からの融資
・ベンチャーキャピタルからの出資

ミドル期には、実績も示せるようになり、将来への見込みができやすくなるためベンチャーキャピタルからの出資も受けやすくなります。

また、金融機関から「融資をしてもしっかり返済してくれるだろう」と信頼を得ることもできるため、融資も受けやすくなります。負債は増えるため綿密な返済計画を立てる必要はありますが、株式は保有しておけるため起業者の思い描く経営はしやすくなるでしょう。

レイター期は会社の状況に合わせて検討するのがおすすめ

レイター期は、株式上場なども視野に入るフェーズです。商品・サービスの認知度も高まっており、経営が黒字化しているケースも多いでしょう。新規事業の立ち上げや、新製品開発をするにもまとまった資金が必要になります。

レイター期には、以下の資金調達がおすすめです。
・ファクタリング
・金融機関からの融資

一時的な資金不足や早急な資金調達が必要であれば、ファクタリングを活用するのも良いでしょう。しかし、レイター期であれば銀行融資の条件に満たしている場合が多いため、余裕を持って資金調達を行っておくのが理想的です。多額の資金が必要になったときに、すぐに活用できるようにしておきましょう。

またレイター期であれば、資金調達へのハードルは下がっているため「絶対に銀行融資でなければいけない!」とこだわる必要もありません。会社や事業の状況に合わせて検討していきましょう。

スタートアップは資金調達をするべき?方法を間違えると事業に悪影響も

スタートアップの中には、“資金調達=成功”と捉えている会社もあるようです。しかし、資金調達はあくまでも“事業を起こしたり拡大したりするための手段”であり、過程に過ぎません。調達した資金を活かし、それ以上の利益を上げてこそ、はじめて成功といえるのです。

何より、資金調達の方法によっては“資金調達なんてしない方が良かった”となりかねません。例えば自社と相性の悪い投資家に出資してもらい、経営に口を出されるようになったらどうでしょうか。せっかく「信頼できる仲間とビジネスを起こそう」「このメンバーならすごい商品やサービスを作れる!」と思っていたのに、自由に経営できなくなっては台無しです。

資金調達をするときは、それが何のための資金なのか、ほかに方法はないのか、慎重に考えるようにしましょう。

さらに踏み込んだ起業・独立の情報を得たいあなたにおすすめ

36万人が登録している独立起業サイト”アントレ”で、無料の会員サービスを活用してみましょう。

    起業成功の秘訣がつまった6大特典であなたの独立起業を徹底サポート

  1. ”独立のプロ”への起業相談
  2. 140本超の独立関連動画の視聴
  3. 資金調達方法など具体的な起業準備マニュアル など

500件超の先輩起業家や成功事例、230社超のフランチャイズ企業紹介であなたの独立成功をお手伝いします。

まずは簡単な登録で起業・独立のノウハウから学んでみましょう。

【30秒で登録完了】
起業のノウハウメールを受け取る

PROFILE

みさき

インフラ業界や美容業界を経て、ライターとして活動。さまざまな業務経験をもとに、ビジネス・IT系を中心に幅広いジャンルを執筆。

アントレ 独立、開業、起業をご検討のみなさまへ

アントレは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。