れいたん:
皆さん、こんにちは!れいたん 今回も前回に引き続き、伊関先生に起業のダンドリについて教えていただきます。
うめちゃん:
それでは、伊関先生宜しくお願いします。
伊関先生 :
れいたん、うめちゃん、こんにちは。
前回は「起業家の心得」というテーマでお話しましたが、
今回は「起業前に知っておくべき会社の仕組み」というテーマで、「個人事業主と法人の違い」、「会社を設立した後の税金の年間スケジュールなど」をご説明します。
個人事業主登録と法人設立の違いについて
まず、独立する際に多く方が迷われる点が、個人か法人かという点だと思います。
それぞれの観点から比較をしていきます。
「登録の手続き」について
こちらは個人事業は個人事業主開業届を出すだけに対して、法人の場合は定款認証や登記、各種届け出が必要になりますので、お金と時間がかかります。
「税金面」についてて
個人事業の場合は収入から経費を引いた所得に所得税がかかりますが、法人の場合は経営者の報酬に所得税がかかります。
※残りの部分が法人税の対象となります。また、個人の場合は赤字の繰り越しが3年(青色申告の場合)、法人の場合は9年となりますので、税金面でのメリットは法人の方が大きいと言えます。
「社会的信用度」についてて
昨今の情報漏洩やコンプライアンス強化の流れもあり、一部の大企業などでは取り引きは法人としか行わないなど、やはり法人の信用度が高いというのが事実です。
個人事業か法人かの1つの目安としては、独立後の売り上げが1000万円以上見込める場合は、法人。そこまで到達しない場合は個人事業主としてまずは始めるのが良いと思います。
税金に関する年間スケジュールを知っておこう
こちらでは、1月決算の会社※を例にご説明しますね。
※小規模企業:従業員数10名未満の場合
まずは年間のスケジュールを図にしていますので、ご覧ください。
- 社会保険料については毎月、
- 1月には源泉所得税、
- 6月は住民税、
- 7月は源泉所得税と労働保険料、
- 12月は住民税、
- 事業年度末2か月後に法人税、消費税
と、1年を通して多くの支払いが発生します。
またそれに伴った必要書類など、毎月のように何かしらの書類を書き提出することになります。
事業運営のお金に関わる全てに言えることですが、信用にかかわる重要なことですので、見て見ぬふりをしないようにしてください。
どのタイミングでどれくらいの出費が発生するのか、自分自身でスケジュール表を作り、予め把握しておくことをおすすめします。
独立を検討している方からよくいただく質問について
最後に、私が独立検討者向けにセミナーを行った際によくいただく質問について、特に多いものを簡単に説明します。
A1:はい、仕事をしていても会社を作ることはできます。
ただし、所属している企業、団体などによっては就業規則で副業を禁止している場合もありますので、一度確認をされた方が良いと思います。
Q2:法人はどのくらいの期間で設立できるのですか?
A2:本人の準備にもよりますが、早ければ2週間くらいです。
Q3:自宅開業の場合、公共料金の経費はどうすればいいのですか?
A3:自宅開業の場合の公共料金は経費として扱うことができます。ただし、生活と事業の割合を考慮し、全額ではなく按分する必要があります。
Q4:開業前の領収書の宛名はどう書けばいいのですか?
A4:開業前の場合は、ご自身の名前で領収書をもらってください。
伊関先生 :
そろそろ時間ですね。以上、2回にわたって「サラリーマン思考脱却講座」としてきましたが参考になったでしょうか?
れいたん うめちゃん:
伊関先生、ありがとうございました!すごく分かりやすくて、とても勉強になりました。
うめちゃん:
会社の設立の時や、税金に関することとか、独立したばかりの経営者の方が1人で行うにはかなり大変だと思いました。
れいたん:
そうだね!専門的な知識が必要なことも多いし、やっぱりそれぞれの専門家の方に教えてほしいよね。
うめちゃん:
うん。でも開業したばかり頃だと、何についてどの専門家に聞いたら良いか分からないし、実際にどのくらいの費用が掛かるのかも分からないから、なかなか直接聞くのは躊躇しちゃうよね。こういうことって専門家の方に気軽に聞いてもいいんでしょうか?
伊関先生 :
そうですね、よく専門家に相談するのは敷居が高いと思っている方がいるのですが、実際はそんなことないですよ。
気軽に聞いてくださいという感じです。
れいたん:
そうなんですね!心強いです。
伊関先生 :
私たちの場合は相談料というのは基本的にはないので、質問されたくらいで費用は発生しないですよ。
れいたん:
専門家の方を選ぶポイントはありますか?
伊関先生 :
できれば全く認識のない専門家に聞くよりは、セミナーや交流会などで名刺交換をした、一度でも面識のある専門家に質問する方が良いと思います。ある程度の質問するそばの情報があれば、実務レベルで回答できる場合が多いですから。
うめちゃん:
なるほど、セミナーなどで知り合った専門家の方に気軽に聞いても大丈夫なんですね!
じゃあ、セミナーとかいろいろ行ってみた方がいいですよね?
伊関先生 :
いや、そんなに行かなくても、私はいいと思っています。けっこう、多くのセミナーに参加されている方いますが、けっきょく参加することが目的になっている場合が多いですね。
学びや出会いも大切ですが、起業セミナーに参加した後のゴールは起業することですから。「学んだことを活かして実践あるのみ」だと思います。
うめちゃん:
確かにそうですね 笑
何でも行動するのが大事ですね。
れいたん うめちゃん:
伊関先生、2回にわたって教えてくださり、ありがとうございました!
講師プロフィール:伊関淳氏(株式会社Sounds Great 代表取締役)
起業支援コンサルタント/行政書士/社会保険労務士
18年間にわたり日本ヒューレット・パッカードにて、大手企業向けシステムの営業および営業マネジャーを歴任。 42歳のとき、IT業界から士業界への異例の転身。現在、年200件以上の起業家支援を継続中。その他、賃金・退職金規定や就業規定や就業規則の改定などを中心に、中小企業向けの労務アドバイザーとしても活躍中。
<主な著書>
「サラリーマン3.0」KADOKAWA中経出版
「起業して3年以上続く人とダメな人の習慣」明日香出版