スタイルのある生き方へシフトしたいビジネスパーソンのためのニュース・コラムサイト。
検索
独立ノウハウ・お役立ち

麻雀で経営を学んだ? 有名経営者から学ぶ勝負の仕方【独立に役立つ心理学・第8弾】

麻雀で経営を学んだ? 有名経営者から学ぶ勝負の仕方【独立に役立つ心理学・第8弾】

心理学者・内藤誼人先生に、心理学の観点から、独立・起業に役立つ知識やノウハウを学ぶ、アントレnet Magazineの人気企画「独立に役立つ心理学シリーズ」。

今回は内藤先生に、昨年11月、元SMAPの3人が出演し、インターネット上でとても大きな話題となった「72時間ホンネテレビ」の仕掛け人、株式会社サイバーエージェント社長・藤田晋さんのビジネスの仕方について、心理学的観点から解説していただきます。

インターネット黎明期からその大きな可能性を見据え、わずか20年で国内4位の広告会社へと成長を遂げた、株式会社サイバーエージェント。

その舵を取る藤田さんの魅力を、内藤先生の視点で、紐解いていきます。

ビジネスで勝ちたいなら、「セルフスターター」になれ!

藤田さんは、インターネットの黎明期からその大きな可能性を見据えて事業を展開されてきました。

ビジネスにおいて、後発で事業を始めて「勝てる」というのは、非常に稀だと言われています。ビジネスで勝つためには後発ではなく、先発にならなければなりません。

他の人の後を追従するのではなく「自分でスタートを切れる」、という意味から、先発のことを心理学では「セルフスターター」と呼びます。

ドイツのコブランツ・ランダウ大学のガンター・ミュラーという心理学者が行った研究では、独立・起業をして成功している人は「リスクを大きく捉えていない」「反射神経よく、自分で物事を始めることができる」という、共通の特徴があることが分かりました。

「藤田さんには先見の明があった」とよく言われていますが、先見の明があるだけではビジネスにおいて成功はできません。

大切なのは「こういうビジネス(藤田さんの場合は、インターネット)が来るんだろうな」と思った時に、反射神経よくスタートできるかどうか、行動を起こせるかどうかということです。

気づいていてもリスクに怯えて動けなかったら、チャンスを失い成功をつかむこともできないのです。

ギャンブルから学ぶ、勝負に出るべきタイミング

ではなぜ藤田さんは、ミュラー博士の言う「リスクを大きく捉えず」行動することができたのでしょうか?

もちろんインターネットに関して相当な研究をして、準備したというところもあるのでしょうが、私が注目したいのは、彼の趣味です。

実は藤田さん、大の麻雀好きとして知られています。

AbemaTVで放送されている麻雀番組に自らプレイヤーとして参戦し「ビジネスで大切なことは、麻雀から教わった」と言うほど、麻雀がお好きです。

このギャンブラーとしての素養が、起業家としての成功を支えたのではないかと、私は思っています。

人間は、本能的に保守的な性質があると言われています。要するに「守り」に入ってしまう、ということですね。

その保守的な性質を乗り越えて行動を起こすためには、リスクを「リスクとしてだけ(すなわち良くないモノ)」認識するのではなく「リスクとどう向き合うのか」を冷静に捉えられるかどうかが大切です。

藤田さんのような経営者に限らず、勝負の世界に身を置く人は、ギャンブルを嗜む人が多いです。

勝負に出て、勝てる時はどんどん挑戦し、負けてる時は潔く引き下がる。「勝負の世界に慣れる」ための手頃な手段として、自分の中で麻雀を意味づけているのではないでしょうか?

ビジネスの鉄則は「勝てる時はどんどん挑戦し、負けている時は潔く引き下がる」こと

「勝負に出て、勝てる時にはどんどん挑戦し、負けている時には潔く引き下がる」という思想は、株式会社サイバーエージェントの制度にも色濃く出ています。

この会社の大きな特徴として「優秀な社員にグループ会社を積極的に設立させる」というものがあります。

なので「新卒1年目の社員が社内ビジネスコンテストで賞を取り、グループ会社の社長を務める」といった話もあるそうです。

こちらの制度も、様々な意図があると思いますが「とにかく社員にたくさんの勝負をさせたい、場数を踏ませたい」という藤田さんの意志を強く感じます。

セルフスタートを切れる人材を多く育てることで、仮に事業が失敗しても、その反省を活かして次のチャンスを掴みに行ける土壌を作っているのでしょう。

また藤田さんは、社員にグループ会社の社長を積極的に任せる一方で、上手く行かない時の撤退に関しても早いそうです。

これも麻雀の「負けている時は潔く引き下がる」にあるように、勝負を下りるタイミングも早ければ早いほうがいい、という経験があるからではないでしょうか。

積極的に抜擢人事をして、社員のモチベーションを高める一方、きっちりとリスクヘッジをする、藤田さんの経営スタイルが垣間見える制度だと思います。

藤田さんに限らず、セルフスタートの切り方、勝負の出方、そして引き下がり方など、成功者から学べるポイントはたくさんありますので、独立・起業を目指す皆さんもぜひ意識してみてください。

【独立に役立つ心理学シリーズ:バックナンバーはコチラから!】
こちらのペースに引きずり込め!商談を成功させる「雑談と交渉」【独立に役立つ心理学・第7弾】
https://entrenet.jp/magazine/12569/

MB66-001_Fotor

プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に、「リーダーのための『貞観政要』超入門」(水王舎)
「人前で緊張しない人はウラで「ズルいこと」やっていた」(大和書房)など。
講演会・セミナーの依頼は、システムブレーンまで。

システムブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.sbrain.co.jp/

アントレ 独立、開業、起業をご検討のみなさまへ

アントレは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。