2017/07/04 独立ノウハウ・お役立ち

一般社団法人の基本知識

一般社団法人とは、どのような法人なのでしょうか。設立要件から略称、税金などの基本知識をまとめてみました。運営する事業によっては、税制優遇などもありますので、詳しくみていきましょう。

1）一般社団法人とは

一般社団法人とは、社団法人のうち、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立されるものをいいます。また、営利を目的としない活動を行い、略称は（一社）となります。

①公益社団法人との違い
公益社団法人は公益性が求められるため、設立登記後に行政庁へ公益認定申請を行う必要があります。都道府県または内閣府の監理下での活動となり、報告の義務もあります。これに対し、一般財団法人に必要な手続きは、設立登記のみで、自由度の高い活動が可能です。

②設立のメリット
法人格が得られるため、社会的信用が得られるとともに、銀行口座の開設や不動産の賃貸契約など、権利の主体となることができます。

2）一般社団法人設立の要件

一般社団法人を設立するには、名称の前後どちらかに「一般社団法人」とつけなければなりません。また、設立には、2名以上の社員が必要であり、公証人役場で定款の認証の説明を受けた後、法務局で登記手続きを行います。

①社員数の要件
一般社団法人設立の際に2名以上の社員がいれば、設立後に社員が1名になったとしても、解散になりません。社員が0名となった場合は、解散です。

②定款の認証の種類
定款の認証は、紙媒体のほかに、電子定款認証があります。電子定款認証は、収入印紙代が生じません。

③設置する機関
一般社団法人は、社員総会と理事1名以上は必ず置くように定められています。理事会や監事、会計監査人を置くことも可能です。

3）一般社団法人にかかる税金

一般社団法人の中でも、非営利型法人と判断されると、収益事業以外は公益社団法人と同様に、原則として非課税となります。通常であれば、法人は全ての収益が課税対象です。一般社団法人への課税には、法人税率が適用されます。

①一般社団法人の課税の範囲
非営利型法人と判断されるためには、主たる事業が収益事業ではないといった要件に合致する必要があります。非営利型法人では、寄付金も共益事業として非課税になり、収益事業のみが課税対象です。普通法人は、株式会社と同様に、全事業に対して課税されます。

②一般社団法人への税率
一般社団法人で課税対象となる事業には、法人税率の23.4％が適用されます。
ただし、所得が年800万円以下の場合には、15％です。

4）まとめ

いかがでしたでしょうか。
一般社団法人は比較的、設立が簡単な法人です。法人格を得て、社会的な信用が欲しいときなどに、設立を検討してみてはいかがでしょうか。

会社設立についてもっと詳しく知るには

一口に会社設立と言っても、そこには様々なやり方、種類があります。実際に起業する前に、どのような選択肢があるのかを把握しておくことが大切です。
このガイドでは、まずは会社の種類から設立にかかる費用まで、会社設立の前に必要な情報をご紹介。その上で、電子定款の作成方法や登記など、実際の設立の流れを最短で終えられるよう、実務的な知識をご紹介しています。
本ガイドがお客さまのビジネスの第1歩としてお役に立てれば幸いです。