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自信のない者は独立するな!? 成功をつかむ心構えを心理学者・内藤誼人が解説!

自信のない者は独立するな!?  成功をつかむ心構えを心理学者・内藤誼人が解説!

独立は、人生における大きな決断です。

人の精神と行動は密接に関わっているため、経営者のマインドの持ち方次第では、会社の行く先さえ左右します。

ましてや初めての独立、希望と不安が同時に頭の中を駆けめぐるなかで、経営をしていくのはなかなか難しいものです。

今回は独立を成功に導くための心構えについて、ビジネス心理学者・内藤誼人さんに心理学的な側面から解説していただきました。

大事を成し遂げる人と独立を断念してしまう人の間には、いったいどんな違いがあるのでしょうか。

自信がないなら独立するな!? 自信を持つために必要な2つのポイント

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独立して成功を収める人に共通する特徴はズバリ、自信がある人です。

「自分がこのビジネスをやったら絶対にうまくいく」という強い自信や明確なビジョンが持てないような人は、事業を興しても絶対に成功しません。

とはいえ、いきなり「自信を持て」と言われても、どうやって自信を持ったらいいのかわからないという読者の方も多いかと思います。

そこで自信につながるいくつかのポイントを解説します。

ひとつ目は、お金を持っていること。

開業資金はもちろん、当面は生活に困らないレベルの蓄えがあると独立の際の安心材料となります。

日本マクドナルドの創業者・藤田田氏をはじめ偉業を成し遂げた実業家たちは、“まずはお金を貯めよ”と説いています。

彼らの言うとおり、経済力もひとつの自信。お金の不安が心のブレーキになってしまわないように前もって準備金を用意しておくとよいでしょう。

ふたつ目は、独立は基本的に「ひとり」ですること。

「複数経営者」として独立・起業しようとする人がいますが、うまくいっている例を私はあまり知りません。

複数で独立・起業をするにしても、営業・経理・総務など、担当する職務やパワーバランスがはっきりしていればよいのです。

ですが、意志決定する経営者が複数いると会社の行く先を定めることが困難になります。立ち上げ時期は、意思決定が早いに越したことはありません。だから独裁・ワンマンくらいのほうがうまくいくのです。

「複数経営なら数人の力で戦えるし、自信につながる」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います。

「自分しかいない、自分がやるしかない」という状況は、意思決定が早くなるだけでなく、自分の尻尾に火をつけるきっかけにもなるのです。

まずはすべての業務を自分ひとりでやってやろうという気概を持ち、ゴール地点を定めてそこに全力で突き進む。そうすればあなたの独立はグッと成功に近くでしょう。

あなたの若さと熱意が、成功を引き寄せる!

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自信と同様に、独立の成功を後押しするもの。それが「若さ」と「熱意」です。勝負を仕掛けるのであれば、やはりバイタリティーに優れている若いうちがベストでしょう。

会社を立ち上げるには、身体的・精神的に大きなエネルギーを必要とします。

歳をとって体力が落ちている状態では、ここ1番という場面で最大のパフォーマンスを発揮できず、チャンスを逃してしまうかもしれません。若いというのはそれだけで強力な武器となるのです。

そして熱意。歳を重ねると知識やスキル・経験は豊富になっていきますが、熱意や勢いというものは衰えがちになってしまうものです。やはり若いときのほうが、やりたいことに懸ける情熱を強く持てるのです。

少し考えてみましょう。

たとえばあなたが、これから独立しようとする人に融資をする銀行員だとします。

そこに挑戦したい事業について熱く語る、いかにも働き盛りの30歳くらいの人が来たらどうでしょうか?信頼して融資してあげたくなりませんか?

このように、中身の事業を後押しするような熱意があるのとないのでは、相手が受ける印象はまったくの別物です。

もちろん年を取ってから独立して成功する人もたくさんいます。ですができるだけ若い内に、熱意を持って独立すると成功する確率は高いのです。

攻めて攻めて攻めまくる! 逃避目的の独立は絶対するな!

自信や若さ、熱意は、やりたいことのためなら何時間も働けるというバイタリティーはもとより、知識やスキルの差をものともしないエネルギーを生み出します。

しかし1点みなさんに注意していただきたいのは、独立の理由が現状からの”逃げ”になっていないか、ということです。

独立は“攻め”の行為。会社に属して働くのが嫌で独立したいという方もいますが、そういった後ろ向きな起業には熱意が伴いません。なんとなくやりたいことがあったとしても、それは得てして思い付きにすぎないのです。

それでは、どんなケースがうまくいくのでしょうか。

ヒントは小さい頃からの夢です。

若くして成功している人の多くは、実はこどもの頃から叶えたかった夢や実現させたいアイデアを追い求めた結果です。

小学生の頃から夢を持っていたとしたらそれは、20年以上もイメージトレーニングをしていることと同じなんです。

ずっと夢見てきたことであれば、熱意がこもるのも当然。もともとは漠然としていた夢でもかまいません。昔から思い描いていた理想を実現させるようなビジネスや仕事であれば、成功するチャンスは十分にあるのです。

不安になったとき、どうする? 自信を取り戻すためのふたつのテクニック

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先にも言いましたが、独立には自信と若さと熱意、そして攻めの姿勢が必要不可欠です。

とはいえ、実際に独立してからうまくいかなかったり、思うように仕事ができずにいると不安に感じてしまうのは仕方のないことです。

そこで、独立にあたって不安定になりがちなマインドを調整するためのコツをお教えしましょう。

ひとつ目は、自分の思考を紙に書き出すこと。

人間は不安になるといろいろな考えが頭の中を堂々めぐりし、正解が見えなくなってしまいます。そこで役立つのが、紙に自分の思考を書き出すこと。これを心理学では「メンタルライティング」と言います。

自分のやりたいビジネスは何か。なぜやるのか、どのようにやるのか。そしてお金や環境の準備状況などについて文字に書き表すことで、自分の思考を客観視できるというのがメンタルライティングの仕組みです。

第三者目線で自分の現状を見ることにより、意外に把握できていなかった現状や不足している部分が明確になります。すると次にやるべきことが見えてきて、後ろ向きになりかけていた気持ちが次第に前向きな思考に転じていくのです。

ふたつ目が「思考停止法」。

この方法は、心配事や失敗のイメージが生まれ始めたら、何かの行動をきっかけにしてその考えを強制終了させるというもの。

たとえば、手首につけたゴムバンドをパチンと弾く。そこで悪い方向に進みかけた思考そのものを“停止”させるのです。

プロゴルファーのタイガー・ウッズは、重要な場面でゆっくりとした瞬きをすることでプレッシャーをはねのけ集中力を高めると言います。

顔や手を洗ったり、メガネを拭いたり。タバコのライターをいじったり、爪を切ったり…。行動そのものは何でも構いません。

これは普段から意識していれば次第にできてくるものです。不安にかられたときに落ち着く行動を自分なりに日頃から決めておくとよいでしょう。

独立はあなたの人生の大きな分岐点となります。

大きな不安やリスクを背負うことになりますが、それ以上にやりたいことを仕事にできるという何にも代えがたい幸せがあります。

独立を考えているのであればぜひ、自分の心とも上手に付き合いながら自分のやりたいことに挑戦してみてください。

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プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。

大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。

心理学を企業活動に応用する「ビジネス心理学」の第一人者としてビジネス書を多数出版している。執筆活動のほかにも大学講師、企業訓練や講演、翻訳など幅広く活躍中。

著書には『すごい!ホメ方』(廣済堂文庫)、『「人たらし」のブラック心理術』(だいわ文庫)、『人は暗示で9割動く!』(だいわ文庫)など。

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