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企業経営する中で直面する「リスク」に、どう対応するか?

企業経営する中で直面する「リスク」に、どう対応するか?

社会構造が大きく変化する中、自社を取り巻く「リスク」も日々刻々と変化しています。そんな中、各企業で整備が進んでいるのが「リスクマネジメント」です。

これから独立開業して事業を継続的に成長させていく際、さまざまな「リスク」への対応は必要不可欠ですよね。

ここでは、「リスクマネジメント」とは何か、どんな対応が必要なのか、ご紹介していきましょう。

企業や組織の「リスク」は拡大している

「リスクマネジメント」の前に、まず「リスク」についてご説明しましょう。

企業や組織における「リスク」とは、「今後発生が想定されるが、まだ起きていない損失などの不確実な事象」のことです。既に起きている事象である「危機」とは、異なる意味で使われます。

企業や組織が直面する「リスク」は、大きく以下の2つに分類されます。

リスクの種類① マイナスのみのリスク

マイナスのみのリスクとは、損失のみを受けて利益は得られないリスクです。火災や台風、地震など自然災害のような偶発的事故や人為的ミスが起因のリスクで、具体的には、財産や利益そして損害賠償のリスクなどが挙げられます。

リスクの種類② マイナスとプラスのリスク

マイナスとプラスのリスクとは、損失を受けることもあれば、利益を得ることもあるリスクです。
税制改正や景気、消費者動向変更など、政治情勢や経済情勢の変動による経営環境の変化に伴うリスクです。

昨今では社会環境の急速な変化に伴い、企業や組織を取り巻く「リスク」も増加しています。たとえば、各企業では業務のアウトソーシング化が進む傾向にありますが、アウトソーシング先で法令違反や品質問題が発生する可能性はゼロとは言えません。またそのアウトソーシング先が業務停止したら、自社にも連鎖的影響が発生します。

このように、社会環境の変化によって企業や組織が直面する「リスク」も多様化していくことが想定されます。

「リスク」をあらかじめ特定して「マネジメント」する

「リスクマネジメント」とは、文字通り「リスク」を「マネジメント」することです。先ほどお伝えした各企業が直面する「リスク」をあらかじめ網羅的に把握し、その影響を事前に回避する、もしくは事後に発生した損害を最小化するよう対策を講じ、不利益を最小限に抑えます。

近年では企業活動の国際化や市場環境の変化などにより、各企業は積極的な「リスクマネジメント」のプロセス整備や体制構築が必要不可欠になっています。

「リスクマネジメント」の6つのステップ

「リスクマネジメント」のプロセスは、一般的に以下の6つと言われています。(なお、下記プロセスのうち、①~③の「特定」「分析」「評価」を「リスクアセスメント」と呼ぶこともあります)

① リスクを特定する

リスクの特定とは、企業や組織が事業を進める中でどのようなリスク要因があるかを洗い出し、明確にすることです。この作業には、社内のさまざまな部門のスタッフを参加させるようにしましょう。そうすることで、リスク管理の担当者だけでは見落としがちな幅広い分野のリスクが網羅できます。

具体的には、関係者がブレインストーミング等の方法で想定されるリスクを抽出し、リスク管理シートにリストアップしておくとよいでしょう。

② リスクを分析する

リストアップされたリスクを、「発生確率」と「影響力の大きさ」の2つの側面から検討・分析します。

③ リスクを評価する

得られた分析データをもとに、企業や組織として「本当に対応すべきものはどれか」「より優先して対応すべきものはどれか」を判断します。

この際、挙げられたリスクを上位から見直していては、リスク対策が後手となる可能性もあります。今後のリスク対応に進む前に最重要なリスクを選定し、優先順位を決めて対応するようにしましょう。

④ 対策を策定する

優先順位を決めたリスクについて、どのようにリスクマネジメントをするのかを組織内で話し合い、実施に向けての策定を行います。

リスク対策には、回避、低減、共有、保有の4種の手法があります。

 回避:リスク発生要因を停止、あるいは全く別の方法で変更する
 低減:リスク発生確率を下げたり、影響度を小さくしたりする対応をとる
 共有:リスクが顕在化した場合に備え、保険などで損失を充当したり、他社に責任を分割・移転したりする
 保有:発生頻度が低い、あるいは発生しても影響度が小さいリスクを、あえて受容する

⑤ 対策を実行する

各企業にとって最良の選択として抽出し話し合いの末に決定したリスク対策を、実際に履行するためのリスクマネジメントプログラムを策定し遂行します。「リスクマネジメント」を行ううえで、最も重要な項目です。

⑥ モニタリングし再評価する

対策を実行した後、実際にどういう結果になったかを観察・確認します。そして改善点は何かを検討し、以降の「リスクマネジメント」に反映します。

会社全体でリスクを洗い出し、マネジメントしていこう

ここまで、「リスクマネジメント」についてご紹介してきました。

今後、企業や組織を継続的に経営していくには、さまざまなリスクに対応することは避けられないと思います。まずはどんなリスクがあるのかを特定したうえで分析・評価し、優先順位をつけて対応策を決めて実践していくことが大切です。

独立開業された際は、会社全体を巻き込み、部署ごとに想定できるリスクを洗い出し、「リスクマネジメント」を推進するようにしましょう。

PROFILE

HIDE

元大手広告会社で人事部長を経験。新卒・中途の採用から人事制度設計、労務管理まで人事業務全般を手がける。現在はその前職での経験を活かし、各種就職・転職セミナーの企画運営から企業の採用広報の企画設計等、幅広く活動中。

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