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知らなきゃ損! 認定支援機関で事業承継の相談をしよう

知らなきゃ損! 認定支援機関で事業承継の相談をしよう

2018年度の中小企業庁の発表では、日本全国の事業者のうち、99.7%が中小企業・小規模事業者です。

採用難や後継者不足、IT対応などの中小企業が抱える問題は、多様かつ複雑になっています。

そこで2012年に、全国の雇用の7割を抱える中小企業に対し、支援の多様化と活性化を図るため、「中小企業経営力強化支援法」が施行されました。

この法律に基づき、中小企業支援の専門性と実務経験をもつ個人や法人、および中小企業支援機関を、「経営革新等支援機関(認定支援機関)」として経済産業省が認定したのです。

そもそも認定支援機関はどういうところ?

認定支援機関になるには、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士などの資格に加えて、経営革新計画策定などの業務に一定の経験をもっていることが求められます。

中小企業の経営相談先といえば、商工会議所や商工会、中小企業団体中央会などがありますが、それらに加えて「税務・金融および企業の経営・財務面で実績のある金融機関や士業」が中小企業支援機関として認定されています。

税理士・弁護士・中小企業診断士以外の士業や公的資格をもたない経営コンサルタントの場合は、経済産業省が指定する19日間の研修受講、もしくは中小企業支援の「経営革新計画」など、指定された事業計画3件以上の策定実績が求められます。

2019年6月現在で、全国に約3万3,700の機関が認定支援機関として登録されています。

そのうち80%以上は、税理士、監査法人、公認会計士の税務や会計の資格をもつ、個人と法人です。

参照:中小企業庁「経営革新等支援機関認定一覧について」

認定支援機関で相談できること

中小企業の経営課題は、事業者の業界、規模、社歴などによりさまざまです。

いくつかの問題が複雑に重なっていることもあれば、顕在化した問題の裏に根の深い潜在的な問題が隠れていることもあります。

事業承継に関しては「何が問題かもわからない」「どこから手をつけていいかわからない」という経営者も多いようです。

認定支援機関に相談することで内部環境や外部環境の現状を把握し、自社の強みや市場の変化を考慮した上で今後の方向性を検討することが可能です。

事業承継に限らず、下記のようなさまざまな経営課題を相談できます。

・創業支援
・経営改善
・事業承継
・M&A
・生産管理・品質管理
・IT戦略
・販路開拓・マーケティング
・人材、組織戦略

相談するとさまざまなメリットがある

認定支援機関への相談を促すため、国ではさまざまなメリットを用意しています。

特に、経済産業省の「創業」「ものづくり」「持続化」などの補助金の申請時には、認定支援機関の関与を条件とすることや、認定支援機関の支援による経営計画の策定を加点ポイントとすることもあります。

事業承継税制を利用するために「特例承継計画」を作るときは、事前に認定支援機関の指導や助言を受けることが条件です。

具体的には、下記のようなメリットがあります。

<経営診断を受け、自社の経営の“見える化”を図る>
ローカルベンチマークなど専門のツールを使い、自社の経営状態を“見える化”することで課題が明確になります。

<事業計画の策定支援が受けられる>
さまざまな経営課題に対して事業計画策定支援を受けることができます。
特に、返済計画の見直しに必要な経営改善計画を策定する場合は、専門家の費用の3分の2を上限に補助を受けられる制度があります。

<保証料の減額が受けられる>
融資申請の際に、認定支援機関の支援を受けて“事業計画の実行”と“進捗報告”をすることで信用保証協会の保証料が減額されます。

<支援機関・金融機関との関係性が良くなる>
事業計画の策定や返済計画の見直しを図ることで経営課題が明確になり、支援機関や金融機関の理解が深まるので、今後の支援が受けやすくなります。

認定支援機関を利用する

認定支援機関といっても専門分野はさまざまです。

また、商工会議所(商工会)や金融機関など、最初に相談窓口となる認定支援機関でそのまま経営支援を受ける場合と、そのあと、あらためて相談テーマに関する専門的な知識・経験をもつ税理士や弁護士、中小企業診断士などの認定支援機関を紹介される場合があります。

相談する場合は、まず地元の商工会議所(商工会)または業界団体に相談し、認定支援機関を紹介してもらうと良いでしょう。

中小企業庁の中小企業の応援サイト「ミラサポ」に登録している認定支援機関も多いので、事前にどんな認定支援機関があるのか「ミラサポ」で調べることができます。

参照:中小企業庁「ミラサポ」

まとめ

「事業承継は気にはなっているけど、何から手をつけていいかわからない」という中小企業経営者も少なくありません。

後継者の有無や承継の意向がわからない場合でも、事業承継の前にまず当面の経営について相談することができます。

認定支援機関に早めに相談することで課題を抽出し、強みを生かして事業を磨き上げ、次世代に引き継ぐ準備をしましょう。

PROFILE

経営コンサルタント 奥野美代子

外資系の高級消費財ブランドで、日本進出の子会社立ち上げから26年間、マーケティングマネジャーとして、ブランドPR、販売促進、店舗開発、リテール支援を行うなど幅広い経験を持ちます。
独立後は、中小企業診断士とFPのノウハウを生かし、経営者の法人と個人の財務コンサルティングやリスクマネジメント、事業計画策定、マーケティング支援など幅広い支援を行っています。

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