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企業・行政機関にとっての会計監査とは?

企業・行政機関にとっての会計監査とは?

一定の規模以上の企業や一定の要件に該当する行政機関などは、法令により公認会計士または監査法人の会計監査を受けることが義務付けられています。
本記事では、会計監査の定義とその目的、企業や行政機関にとっての監査内容やその意義などについて解説していきます。

会計監査とは

独立した第三者が、会社や行政組織の計算書類・財務諸表などの記載内容が適正かどうかを監査し、その結果を監査意見として表明することを会計監査といいます。
会計監査には、公認会計士または監査法人によって行われる外部監査と、内部監査人により会社内部のみで行われる内部監査の2種類があります。本記事では、外部監査に焦点を当てて説明していきます。
会計監査の最大の目的は、専門知識を持つ独立した第三者が、計算書類や財務諸表などに重要な虚偽記載がされていないかどうかを監査することで、計算書類や財務諸表の有用性を高めることです。
次に、企業の会計監査と行政機関の会計監査についてです。

1.企業における会計監査
 企業の会計監査は、以下の三者それぞれにより行われます。
•監査役あるいは監査委員会
•公認会計士(公認会計士の集まりである監査法人)
•内部監査人
 株式上場をしている企業では、上記の三者全てによる監査が行われます。
最も重要なのは、公認会計士(監査法人)による財務諸表監査です。これは金融商品取引法および会社法において、上場企業や一定の規模以上の大企業に対して実施が義務付けられている会計監査です。
金融商品取引法に基づく財務諸表監査では、経営者の内部統制報告書に対して外部監査人が意見を表明する内部統制監査が同時に行われます。この監査の結果は企業の株主や取引先、投資家など外部の利害関係者に公表されるため、外部監査人による意見表明は極めて重要な意味を持ちます。

2.行政機関における会計監査
 行政機関の会計監査は、公監査ともいいます。国や国の出資する政府関係機関や独立行政法人、国が補助金などの財政援助をしている行政機関が対象の場合は会計検査といい、地方公共団体が対象の場合は会計監査といいます。
会計検査では、収入および支出の決算について会計検査院という国家機関が検査を行います。会計検査院は会計検査から決算検査報告までを行います。
会計検査院から提出された決算検査報告書は内閣に送付され、さらに決算とともに国会へ提出され承認手続きが行われます。会計検査院が単独で決算の承認を行うことはありません。
地方公共団体などの場合は監査委員が会計監査を行いますが、平成10年以降は包括外部監査制度も導入され、より監査体制が厳格化されました。

会計監査では何を確認するのか

では、具体的に会計監査で調べられることを見ていきましょう。
まずは企業の会計監査です。会計監査の手続きは非常に多岐にわたりますので、ここでは9点のみご紹介します。

1.経理処理状態と帳簿組織、システムの確認
 経理担当者の経理に関する知識の度合いや、各帳簿組織、システム間での連携が正確に行われており、取り引きが正確に帳簿に記録される体制になっているかどうかを調べます。

2.伝票の確認
 取引記録に基づいて正確に伝票が起票されているか、上長など責任者が伝票をチェック・承認しているかどうかなどを調べます。

3.勘定科目の確認
 勘定科目の内容に不明なものはないか、正確な残高が計上されているかどうかなどを調べます。

4.貸借対照表・損益計算書内容の確認
 貸借対照表・損益計算書に計上されている金額と、総勘定元帳残高とが一致しているかどうか、形式や科目配列が適切かなどを調べます。

5.引当金などの確認
 貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金などが正確に計上されているかどうかを確認します。

6.固定資産の計上や除却の処理を確認
 取得した固定資産は正確に計上され、減価償却が行われているかどうか、売却や除却したときの会計処理は正確に行われているかどうかを確認します。

7.実地棚卸の確認
 会社が行う実地棚卸に監査人が立ち会いを行い、実地棚卸が正確に行われているかどうかを確認します。

8.現金・預金・借入金残高の確認
 現金の実査を行うとか、預金や借入金について金融機関から入手する残高証明書と照合し、残高が正確であるかどうかを確認します。

9.売掛金や買掛金の残高の確認
 売掛金や買掛金について取引先から入手する残高証明書と照合し、残高が正確であるかどうか、回収が滞っている売掛金はないか、滞留売掛金に対して有効な処置を講じているかなどを調べます。
行政機関に対する会計検査院の会計検査では、上記のような会計情報の検査に加えて地方などの行政施設に赴く実地検査があります。さらに、国の予算がふさわしく使用されているかを確認するため、次のような検査項目も設けられています。

(1)決算の表示が予算執行などの財務の状況を正確に表現しているかどうか
(2)会計経理が予算・法律・政令などに従って適正に処理されているかどうか
(3)事務・事業の遂行および予算の執行を、より少ない費用で実施できないか
(4)同じ費用でより大きな成果を得ることはできないか、あるいは費用との対比で最大限の成果を得ているかどうか
(5)事務・事業の遂行および予算の執行の結果が所期の目的を達成しているか、また効果を上げているかどうか

会計監査を受けないと?

会計監査を受けない、またはいい加減な対応で済ませてしまうとどうなるのでしょうか。
決算書の内容が正しくないという意見表明である不適正意見や、意見自体述べないという意見不表明という結果が出ます。
 会計監査の最大の目的は重大な虚偽を排除することですが、同時に、自社の会計状況に間違いがないことを社会に向けて証言してもらう良い機会です。
自社の評価を向上させるまたは維持するための強力な味方となってくれるのです。上場会社であれば、不適正意見や意見不表明の監査報告書が出ると、それだけで上場廃止となってしまいますが、そうでなかったとしても、そのような監査意見が世利害関係者に公表されれば、報告した財務諸表への信頼がおけない、危うい企業と考えられてしまうので、投資家離れや自社株の暴落、取引先・金融機関との信頼関係の低下は必至です。

まとめ

企業にとっても行政機関にとっても、自らの社会的立場や信用を守るために会計監査を滞りなくクリアすることは重要です。
準備や対応には時間や手間を取られますが、適当な対応をしてしまうと相当なダメージを受けることとなります。

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元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/articles/c0101651

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