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人がついてこない経営者に必要なのは、サイコパス特性だった? その理由を心理学者が解説

人がついてこない経営者に必要なのは、サイコパス特性だった? その理由を心理学者が解説

企業経営者に多いと言われている「サイコパス」。

サイコパスとは、社会のルールを守らない、反社会的な気質を持つ人のこと。

多くの場合は横暴であったり、口調がきつかったりといった人格的な問題を持ち合わせていると、一般的に言われています。

独立に役立つ心理学シリーズ、今回はサイコパスをテーマに、内藤先生に伺いました。

内藤先生によると、サイコパスの行動特性を部分的に真似することで、経営者にとってメリットがあるそうです。一体どういうことでしょうか?

「手振り」を交えて「断定口調」で話せば、人はついてくる? サイコパスに学ぶ、リーダーの振る舞い

反社会的な気質を持つと言われている、サイコパス。

その横暴な態度や自己中心的な思想、冷酷非情な性格から、社会生活を送る上でトラブルが絶えないと思われていますが、不思議なことにサイコパスは経営者向きだと言えます。

今回はその理由を解説していきましょう。

まずはサイコパスの振る舞いに関するデータをご紹介します。

デンバー大学のリアン・ブリンク先生は、精神的な矯正施設でサイコパスと診断された100人の男性が話す様子をビデオで撮影し、健常者の男性と異なる点を観察しました。

その結果、サイコパスの2つの特徴が明らかになりました。

1つ目は「断定的な言葉遣い」。

「成功するに決まっている!」「私は絶対に正しい!」というように、健常者と比べて強い口調で断定します。

もう1つ目は「手振りの多さ」。

自分が話す際に、普通の人よりも手振りを多くつけて、勢いよく主張します。

この2つの振る舞いによって、力強さや男らしさが強調された結果、サイコパスは人の目に“頼もしいリーダー”として映ってしまうのです。

たとえ発言根拠が乏しかったとしても、「この人についていけば大丈夫だろう」という気持ちにさせてしまう。

これが、サイコパスが経営者に向いている理由の1つと言えます。

人がついてこないことで悩んでいる経営者の方は、「手振り」を交えて「断定口調」で話すことを意識してみると、リーダーシップが発揮できるようになるかもしれません。

ハサミとサイコパスは使いよう? 経営者がサイコパス特性を「部分的に」取り入れるべき理由

サイコパスが経営者に向いている理由として、もう1つ挙げられるのが既成概念にとらわれない柔軟な考え方ができること。

他者への思いやりが薄く、非常識な行動が目立つサイコパスですが、逆に言えば常識に囚われてしまいがちな健常者と比べて、自由で柔軟な考え方ができるとも言えます。

そうした奇抜な発想、そして言葉を選ばずに言えば、他者の迷惑を顧みずその発想を具現化する図々しいまでの行動力が、サイコパスが経営者に向いている理由なのです。

独立・起業を経て「一経営者」となられる皆さんにとって、この言葉遣いや身振り手振り、そして柔軟な発想力は、極めて重要な力となりえます。

とはいえ、サイコパスを意識しすぎてしまうのも禁物です。

例えば、プレゼンの時は断定的でカリスマ性を感じさせるように話をする、取引先と会話をする時は打って変わってとても穏やかで物腰柔らかく話をする、などTPOをうまく使い分けることが大切です。

会社員の場合はサイコパス特性を発揮しすぎると、まず嫌われてしまいますので、注意が必要です(笑)。

役職やポジションにもよりますが、基本的に人付き合いの場でサイコパスの気質を発揮することはおすすめしません。まずは部分的に取り入れてみましょう。

最も効果的な対策法は、関わらないこと。もし、サイコパスが敵になったら?

ここまではサイコパスの特性を、経営者としてどう取り入れるのか、という点をお話してきました。

ここからは逆にサイコパスの人と仕事をする、もしくは一定の関わりを持ってしまった時、自分の身を守るにはどうしたら良いのかを、考えていきましょう。

元も子もない言い方になってしまいますが、基本的にサイコパスとは付き合わないほうが無難です。

これまで紹介してきたサイコパスの特性に当てはまる人間とは関わらないか、一定の距離をとって付き合うようにしましょう。

その理由は、サイコパスには私たちの常識が通用しないからです。常識が通用しない相手と仕事をしても、ただ迷惑を被るだけになってしまいます。

もしどうしても付き合わなければならない場合は、常識が通用しないことを前提に、先回りした対応をすることをおすすめします。

例えば、契約違反に対する違約金について細かく記した契約書を締結する。メールや音声でやり取りの記録を残したりするなど、エビデンスを残し、可能な限り法的拘束力を持たせるようにしましょう。

自分の都合が悪くなると、平気で「そんな約束はしていない」「そんな契約した覚えがない」と攻撃してくるのがサイコパスです。

大きい損害が出る場合は、裁判になることもあるでしょうから、その事前準備はきっちり行っておきましょう。

とはいえ最も時間や工数、何より精神的なコストをかけずに済む方法は、サイコパスを見抜き、そもそも関わらないこと。くれぐれもご注意ください。

プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に「リーダーのための「孫子の兵法」超入門(水王舎)
「身近にあふれる「男と女の心理学」が3時間でわかる本」(明日香出版)など。
講演会・セミナーの依頼は、株式会社ブレーンまで。

株式会社ブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.kkbrain.co.jp/

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