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「100点取れたらゲームを買ってあげる」は正しい? 30代から始める効率の良い勉強法

「100点取れたらゲームを買ってあげる」は正しい? 30代から始める効率の良い勉強法

こどもの頃「テストで良い点を取れたら、ご褒美に欲しいものを買ってあげる」と親から言われ勉強をがんばった、という方も多いのではないでしょうか。

実はこの理論、こどもだけでなく大人が勉強をする上でも有効であると、心理学者の内藤誼人先生は語ります。

独立に役立つ心理学シリーズ、今回は年齢を重ねても効率的に取り組める、「大人の勉強法」について内藤先生に伺いました。

人生100年時代を前に、大人も勉強し続け、新しいものを取り入れていかなければなりません。年齢を言い訳にせず、効率良く勉強に集中するための心理学的メソッドをご紹介いただきました。

なぜ学生の時みたいに勉強ができない? 社会人こそ「逃げられない環境」を設計せよ!

今回のテーマである、勉強。

一般的な認識として「記憶力が活発な若い内ならともかく、年を取ると覚えるのは難しい。だから大人は勉強できない」と思っていらっしゃる方も、多いのではないでしょうか。

ところが「年齢に関わらず、何歳からでも勉強を始められる」というのが、心理学的な見解です。

まず若い頃の勉強と、大人になってからの勉強の大きな違いとして「目的意識」の差が挙げられます。

若い頃の勉強には定期テストや受験勉強に代表されるような、ある種の強制力が働き、結果的に集中して勉強することができます。

逆に言えば、目的意識や強制力を上手に設定することができれば、大人になってからでも勉強に集中することが可能である、と言えるわけです。

「100点取れたらゲームを買ってあげる」は、正しい? こどもも大人も変わらない、モチベーションの上げ方

ここで、勉強をより効率的に、集中して行うためのデータをご紹介します。

テキサス・クリスチャン大学のローラ・テンニーク先生は、成績をより効率的に上げるために必要な行動とマインドセットについて明らかにしました。

まずは、成績をより効率的に上げるために必要な、行動から見ていきましょう。

①手を動かしながら勉強する

黙々と単語帳を読むよりも単語の和訳やスペルを書くなど、手を動かしながら勉強することが効果的であると分かりました。
本に線を引きながら勉強してもいいですし、頭の中で計算するのではなく、紙に書き出すことでより学習効果が上がります。

②自分に報酬を与える

ダラダラと惰性で勉強をするのではなく、勉強のゴールと報酬を自分で設定することも効果的です。
よくこどもに「100点取れたらゲームを買ってあげる」という保護者の方がいらっしゃいますが、これは心理学的に見てもモチベーションを上げるという観点で正しいと言えます。
こどもも大人も、報酬があるからがんばれる、というのは一緒ですね。

③勉強する場所を決める

最後は、勉強する場所を決めることです。「勉強机の前に座ったら、勉強を始める」というように、自分の中で条件付けをしてみましょう。
逆に「勉強は学校以外ではしない」と決めてしまうのも大切です。家にいる時は勉強のことは考えず、ある特定の場所に行ったら勉強だけするといったように、勉強する場所を決めることで、行動にメリハリが生まれます。

目的意識と自分の興味がリンクしているか。勉強への正しいマインドセット

続いてはテンニーク先生が推奨する、勉強に向かうためのマインドセットをご紹介しましょう。

①勉強の目的を設定し、可能な限り明確にする

大学などに通っているならともかく、大人になってから自主的に勉強するとなると、何かしらの目的があるはずです。

その目的が明確であればあるほど、もしくは勉強をしたことで得をすることが見えていれば見えているほど、勉強に身が入るとテンニーク先生は言います。

収入か、地位か、実績か。勉強の結果得られるメリットをもう一度整理してみましょう。

②やっていて楽しいと思える勉強をする

勉強に限らずですが、自分が楽しいと思えるかどうかは、モチベーションを大きく左右します。こどもも大人も、自分の興味のある内容であれば頭に入ってきやすいものです。

ただ闇雲に勉強するだけでなく、自分が興味のある分野や領域を見つけてみましょう。

年齢を言い訳に、勉強を怠るな!

ここまでご紹介してきたように、勉強をより効率的に行うためには、自分のモチベーションを高めることが重要である、ということが分かりました。

さらにモチベーションを上げていくには、自分の身の回りの環境を、変えてみることも1つの手段です。

こどもの勉強で言えば、塾などが挙げられます。要するに、勉強するためだけの場所を確保する、自分の勉強の成果をフィードバックしてもらえる環境に身を置く、ということです。

ここで私から、どうしても勉強に身が入らない時に、おすすめな勉強法をご紹介しましょう。

それは「何かを食べながら」勉強をすることです。

人は、食べ物を食べることである種の「快楽」が生まれます。その「快楽」を勉強しながら得ることで、勉強と「快楽」が結びつき、ストレスが減り勉強に集中しやすくなります。

もちろん食べ過ぎは健康に良くありませんので、量は考えて食べてくださいね。

私も心理学者として日々研究を続けていますが、心理学者だけでなくいくつになっても、人生は勉強の連続です。

年齢を言い訳に怠らず、効率的な手法を活用して、皆さんが楽しく学べることを願っています。

プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に「リーダーのための「孫子の兵法」超入門(水王舎)
「身近にあふれる「男と女の心理学」が3時間でわかる本」(明日香出版)など。
講演会・セミナーの依頼は、システムブレーンまで。

システムブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.sbrain.co.jp/

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