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知っておきたい“資金繰り”の秘訣:一人社長編

会社を一人で経営していく"一人社長"。経営について、不安はたくさんあると思いますが、“お金の資金繰り”についての知識をしっかりと頭の中に入れておけば、経営危機に対して万全な準備をしておくことができます。

会社を経営していく中で大切な経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われていますが、その中でも「カネ」の知識に重点を置いて学んでおけば、会社を守ることができるようになります。

それでは、“お金の資金繰り”についてご説明していきましょう。

黒字経営でも“資金繰り”ができていないと危ない!?

「勘定あって、銭足らず」という言葉をご存じでしょうか。これは帳簿上の収支の計算が合っていて、黒字で儲かっているように見えても、手元にある実際の現金を数えてみると足りない、ということから派生した言葉です。黒字経営であっても倒産したりする会社に当てはまる言葉です。

 具体的に説明しますと、会計上の収益や費用は「発生主義」という原則に従って以下のように認識されます。

商品を販売した時…収益を認識する
現金が入金された時…収益を認識しない

 例えば、200円で仕入れた商品を300円(内訳:現金200円、売掛金100円)で販売したとします。

 会計上の利益は、300円-200円=100円なので100円の利益が得られたということになりますが、 実際の現金は、200円(現金売上)-200円(仕入代金)=0円と、会計上の数字と実際の数字が合わないという差異が生じてしまいます。 

一人社長や経営者にとって一番注意しておきたいのがここなのです。

 会社の会計上の数字だけをみていると、従業員の給料が支払えなくなってしまったり、借入金の返済ができなくなってしまったりと、黒字であっても会社が経営できなくなってしまうのです。

効率よく実践できる“資金繰り”の具体例

“資金繰り”の悩みを解決するためにも、「資金繰り表」の作成をオススメします。

 一般的な株式会社であれば、会社の状態を知るために貸借対照表(=財政状態を知る)や損益計算書(=経営成績を知る)など、財務書表を作成していると思いますが、これらに加えて「資金繰り表」も作ってみましょう。

貸借対照表や損益計算書が外部にも公表するものであるのに対して、「資金繰り表」は内部での経営管理に役立つ表になります。

 「資金繰り表」には以下のような項目を順に記入していき、毎月(“資金繰り”が困難な場合には、毎日の方がよい)集計していきます。

 収入項目 ・現金売上 ・売掛金の回収 ・手形入金 ・雑収入 など

 支出項目 ・人件費 ・支払利息 ・買掛金支払 ・固定資産購入支出 など

 集計が終わったら分析をします。経費の見直しや、支払い・回収サイトの見直しなど、資金がショートしないように計画を立て直す必要があります。毎月一度「資金繰り表」を作成→集計→分析→計画の見直しをすることで“会社にお金を残す”第一歩に繋がります。

 また、手書きで作った簡単な「資金繰り表」でも、自分の会社の状態を把握することができますが、もっと効率化するためにExcelをつかった「資金繰り表」の作成をオススメします。

 「Excel 資金繰り表」とインターネットで調べれば、多くの「資金繰り表」のテンプレートが見つかります。収入項目と支出項目を入力するだけで簡単に自社の「資金繰り表」を作成できます。Excelで作成することで、計算ミスを防げることや多くの資料の管理を可能にできるメリットがあります。

それでも“資金繰り”が苦しい場合には

・売掛金の回収サイトと買掛金の支払いサイトの変更交渉

 あまり容易な手段ではないですが、売掛金の回収期限をより早く、買掛金の支払期日をより遅くするように得意先や仕入先の方に交渉してみましょう。

取引条件を変えるということなので容易なことではありません。あらかじめ得意先や仕入先と取引をはじめる際には、取引条件の重点項目として支払サイトや回収サイトが無理をしていないか、よく確認して取引をするようにしましょう。 

また、回収サイトを早める方法として「手形の割引をする」、「ファクタリングを利用する」などもあります。

・国や地方公共団体が実施する助成金の活用

 返済の必要がない助成金や補助金の制度を最大限に活用していきましょう。助成金を受給する際には審査がありますが、この審査には上記でご紹介した「資金繰り表」などが役立ちます。

「資金繰り表」は、内部の経営を確認するためだけにあるものではなく、助成してくれる団体に提示することで審査が通りやすくなる可能性が十分ありますので、そのような場合にも活用することができます。

まとめ

“資金繰り”が経営を安定させていくために重要なことはお分かりいただけましたでしょうか。今回は会計上の数字と実際の現金の数字は違っているということも説明しました。「勘定あって、銭足らず」という言葉さえ覚えておけば、全体的な構図も思い出すことができると思います。

 “資金繰り”の重要性を理解した後は、まず「資金繰り表」を簡単で良いので作ってみましょう。自社の現金の流れを確認してみることで、今まで貸借対照表や損益計算書からは、見出すことができなかった会社の問題を発見できるかもしれません。

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目次

  1. 1.会社の経理を始めるために
  2. 2.法人の決算に必要なものまとめ
  3. 3.貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 4.損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 5.法人のための税申告・納付まとめ
  6. 6.法人にかかる税金は9種類もある
  7. 7.税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 8.法人のための節約のコツ

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①費用

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お願いしたい仕事の内容にもよりますが、大体の相場というものがあります。相場と照らし合わせつつ、いくつかの事務所から見積もりを取っておくと良いでしょう。

値段は「高すぎず、安すぎないところ」をおすすめしています。こちらが無知過ぎると高く見積もられてしまいますし、逆に安すぎるところは何かしら「安い理由」が存在するからです。

安かろう悪かろうになってしまわないように「この料金で、どこまでやってくれるのか」を事前に握っておく必要があります。

②目的別で絞る

先程の項目でも挙げましたが、税理士にお願いしたい仕事の内容をはっきりさせる、というのは極めて重要です。

大きい税理士事務所では、比較的どんな案件でも相談に乗ってくれる、というスタイルのところもありますが、みんながみんな税務に関する全ての問題に答えられるわけではありません。

内科や外科、眼科に耳鼻科など、病院にも自分の専門があるように、税理士にも専門が多かれ少なかれ存在します。総合病院のようになんでも受けられる税理士事務所だけではない、ということですね。

③意外と危ない、紹介のワナ

「どこの事務所がいいのか分からないから、とりあえず先輩起業家から紹介してもらおう」といった考えから、税理士を選ぶ人が非常に多いです。

「信頼できる人からの紹介だから、大丈夫」と安心してしまいがちですが、正直私はこの選び方は勧めていません。

理由は2つあります。

まず②にもある通り、アナタが税理士に依頼したい目的とその税理士がマッチングしない可能性もあるからです。

先輩起業家の事業とアナタの事業が競合で、任せたい仕事もほぼ同じ、という場合は良いかもしれませんが、全く違う職種やお願いしたい仕事の領域が異なる場合は特に注意が必要です。

そして2つ目は、その税理士が先輩起業家の方から受けている金額と、アナタの仕事で発生する金額にギャップが生まれるかもしれないからです。

例えば「Aさんには10万円でお願いしているが、アナタには20万円を請求することになる」というケースは、往々にしてよくあることです。

金額の算出には、仕事にかかる工数や付き合いの長さ、関係値、優先順位など様々な事情を考慮します。

もちろんお知り合いの方である以上、可能な限りリーズナブルな価格にしたいのが本音ですが、どうしても難しい場合もあります。

ちなみに私は、紹介があった場合は基本的にお話は伺い、その人の目的に応じて判断します。

その際、例えば「相続関係の相談」などであれば専門外のためお断りするようにしています。

トラブルを避けるためにも、紹介はあくまで参考程度に考えておき、困ったことがあったらセカンドオピニオン的に相談する、くらいにしておいたほうが無難かもしれません。

④必ず会える距離の税理士にお願いする

税理士はアナタをお金という側面から支える重要なパートナーです。

何かあった時にすぐに会える、相談できるに越したことはありません。アナタが東京に住んでいるなら東京、あるいは関東圏に住んでいる税理士に仕事をお願いしたほうが良いでしょう。

せっかくステキな税理士と巡り会えても、新幹線や飛行機を使わなければいけないのなら、一度良く考え直したほうがいいかもしれません。

⑤必ず会ってから判断する

予算、目的、立地も問題ない場合、いよいよ最後のチェック項目です。

必ず会ってから判断しましょう。

税理士といっても人ですから条件面がいくら良くても、最終的には性格に合う合わないは必ず出てきます。

繰り返しになりますが、税理士はアナタの財務状況を、アナタ以上に知ることになる大切なパートナーです。

アナタの事業を応援してくれるかどうか、アナタ自身が「この人になら、ウチの会社のお金の流れを教えてもいいや」と思えるかどうかは極めて重要になってきます。

ですので、最後は必ず税理士と会ってから判断しましょう。

「信頼できそう」と思えるか。私なら、こんな税理士を選びます!

ここまで税理士の選び方を考えてきましたが、最後に私自身が税理士を選ぶならどうするのかをお話しましょう。

私は税理士事務所を開業して、4年になります。

自分の事務所の状況を客観的に見てもらいたい、という意味でも、この業界で20年以上キャリアを積んでいる税理士の方に経営的観点からアドバイスをいただきたいです。

後はとにかくなんでも相談できる雰囲気があって、電話やメールなどで連絡してもレスが早いことでしょうか。事務所の大小は特に気にしていません。

逆に、自分の目的とあまりにかけ離れている場合や、何か困ったときの連絡が遅かったりする税理士は注意が必要です。

最後は「この人なら信頼できそう」と思えるかどうか、でしょうか。

私自身も「この人なら信頼できそう」と思っていただける税理士を、今後も目指していきたいと思います。

皆さんの目的に沿ったステキな税理士が現れるよう、応援しています!

<プロフィール>
齋藤雄史さん
税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。

高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。

合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。

ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

2019年2月19日

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(さらに…)

2019年2月15日

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