売上の構成要素を理解すると、何を改善すればよいか分かる~客単価編~

売上の構成要素を理解すると、何を改善すればよいか分かる~客単価編~

前回の記事では、売上は客数×客単価に分かれるということ。

さらにそのうちの1つである客数にフォーカスして解説させていただきました。

売上の構成要素を理解すると、何を改善すればよいか分かる~客数編~

今回の記事では、もう一つの要素「客単価」について触れます。

今回も、分かりやすいので飲食店に例えて話します。

客単価は文字通り、「1人あたりいくら払ってくれるか」。

この金額が多ければ多いほど経営効率が高いことになります。

たまに、単一商品・単一価格のお店もありますが、かなりのレアケースです。

(例えばカレー屋さん。カレーだけで勝負しているように見えるお店だって、
トッピングや飲み物で金額が上がったりします)。

ではどうやって客単価を上げていけばよいか。

まず、全く同じ商品を値上げするのは筋の良いお話しではありません。

最近では原材料費の高騰が販売価格にも影響しているケースが多いですが、
それはあくまで外部要因。

利益を圧縮しないための苦肉の策です。

同じ商品で売上を増やすための客単価を上げる方法としてポピュラーなのは、
トッピング・大盛・グレードアップなどが挙げられます。

カレー屋さんならトンカツを追加してカツカレーにする。

ご飯を増やして大盛にする。

外国産の食材を国産にする。

など、普通のものよりも理由をつけて価格を上げていくのです。

大盛は100円増し、とかよく書いていますが、
ごはんを少し増やしたくらいで原価は100円も上がりません。

明らかに売上・利益UPの策です。

(もちろん、買う側が満足なら何の問題もありません。)

他に挙げられるのはサイドメニューの導入です。

メイン以外に頼みたくなる料理をつけることで、客単価を上げるのです。

牛丼屋さんなら、味噌汁・卵・サラダ・キムチなど。

ラーメン屋さんなら餃子・ミニ丼・チャーハンなど。

とにかく付け合わせだらけです。

一人のお客様から1000円とるより1500円頂けたら1.5倍ですから、
経営側から見たら魅力たっぷりです。

他の飛び道具としてベタなのは、飲み物でしょうか。

これこそ究極の客単価UP施策。

例えばハイボール。

ジョッキに沢山氷を入れてカサ増しできるようにして、
少量のウイスキーを入れて、炭酸で薄めたのもの。

この中で原価らしい原価がかかるのはウイスキー数十ccだけ。

おそらく原価は数十円とかでしょう。

それにもかかわらず値段は500円以上かかるところも多いでしょう。

他にも、ビールであろうとジュースであろうと、仕入値段に比べるとかなり割高。

さらに、何杯もお代わりするものなので、客単価は青天井。

居酒屋などでは、食べ物の値段より飲み物の値段の方が高くついている人も多いのでしょうか?

当たり前に飲み物がある食べ物屋さんで代表的なのはラーメン屋さん。

なんでラーメン屋さんには大体ビールが置いてあるのでしょうか(笑)?

ラーメンとビールが合うからというのはもちろんありますが、
そもそもラーメン本体の利益が少なくなりがちだからです。

ラーメンは国民食、どの駅で降りても競合だらけ。

だからこそ金額を上げづらいのが難点。

それにも関わらず、
麺・スープ・具などにべらぼうに食材原価がかかる実は超高難易度商品なのです。

だからこそラーメン単体での利益はタカが知れています。

そこで救世主になるのは、高利益商材であるお酒。

ビールを合わせることで客単価UP(→利益確保)を実現しているのです。

ひと昔前のラーメン屋さんが作りだした知恵が文化に昇華した例と言えるでしょう。

それが一つの幸せの形になっているので、面白いですね!

こんな感じでお店によって客単価を上げるための創意工夫をしているのです。

今度お客様として入ったお店でメニューを見ると、
客単価を上げるための工夫がいくつか見えてくると思います。

そんな目線で飲食店を見ると、経営の実態が見えてきて楽しいですよ!