経営者が金持ちに思われるのは、接待交際費と福利厚生費と先入観のせいである

経営者が金持ちに思われるのは、接待交際費と福利厚生費と先入観のせいである

ネットの記事やyoutubeなどで、羽振りのよい経営者が登場することがよくあります。
そのせいか、独立すると儲かる・経営者になると儲かる、というイメージが先行していると思います。

副業とはいえ経営をしている私自身の経験と、そして私の周りの経営者の方々を見ていて思う、そのイメージの正体を解説しましょう。

※上場株式を大量に保有している創業者さんや、有価証券報告書に役員報酬が公開されているような上場企業の社長さんのことは、ちょっと現実感がないので、今回のハナシには含めないでください(笑)

 

親戚や家族でもない限り、自分のお金を使うことはあまりない

たしかに、経営者の中に本当のお金持ちはいらっしゃるでしょう。
ご自身で立ち上げた事業で大きく利益を出していれば、誰よりもその恩恵を得る権利がありますから。

ただ、得たお金、つまり役員報酬を使うのは、自分や家族の生活のためであることがほとんどです。

家を買ったり、車を買ったり、お子さんの学費にしたり、老後に備えたり。家族や親せきのため以外に、その役員報酬を使うことなんてほとんどないはずなんです。あなたが自分のお給料の使い方を赤の他人に言わないのと同じです。

金額が高かろうが安かろうが、赤の他人の目に触れるところで、役員報酬で得たお金をあからさまに使うなんてことはそもそもないのです。
せいぜい、自分の会社の社員にたまにご馳走してあげるくらいでしょう。

 

経営者が公にお金を使うのは、それは公のお金だから

じゃあ、なぜ経営者はお金持ちに見えたり、羽振りがよいように思われているのでしょうか?

先ほどの章と少し逆説めいてますが、それはやはり、人が見てるところでお金を使っているからだと思います。
ただ、それは経営者が自分の懐から出していることは少数派。公な会社の経費として出していることが多いのです。

例えば、事業がうまくいくように社外の人間関係を円滑にするための接待交際費
働いてくれている社員の士気を高め労うための福利厚生費。軽い食事もかねて仕事の打合せをする時に使う会議費などがこれに充たるでしょう。

これらは全て税務上認められている会社の経費です。
当然、赤の他人を含め人目があるところで使われることもあるでしょうし、あえて派手に高い金額を使うこともあるでしょう(はい、パフォーマンスです笑)。

(法外な値段でもない限り)経費として認められますから、許される範囲で節税にもなります。

経営者としての合理的判断としてお金を使っているに過ぎないのです。
経営者はこれらの経費を使う権限が、その事業・会社の中で一番大きいため、外からお金持ちに見られているにすぎません。役員報酬とは全く別の出所のお金であることを知っておいてください。

 

経営者というだけでお金をタカるのはやめましょう(涙)。かわいそうです。

経営者は、事業の利益を残すことがある意味使命ですから、健全な経営者であれば、役員報酬をできるだけ多くとりたいとか、経費をできるだけ多く使いたいとか、自分都合だけでお金を使ったりはしません。(そういうことをしちゃうと、本当に潰れちゃいます)

会社の今後のために必要と判断すれば、きちんとお金を使う。

会社の今後のために必要ないを判断すれば、財布の紐はきちんと絞る。

そして、会社の利益を大きく損なわない範囲で、役員報酬を設定する。そう、自分のお金は一番最後なんですよ。

 

零細事業の経営者のはしくれのボクから、全国の中小企業の経営者を代弁していいます(笑)。
ご馳走したかったり、ふるまったりしたいときは、経営者の皆さんは自分の判断でそうしてくれますから、どうか自分から経営者にねだったりしないであげてくださいね(涙)。