補助金・助成金は、自分の事業の力ではない。分けて考えるべし。

補助金・助成金は、自分の事業の力ではない。分けて考えるべし。

2020年のコロナ流行をきっかけに国から・自治体から多くの給付金・支援金・補助金・助成金が出ましたね。

恩恵を受けて、事業を続けることができた事業者さんもたくさんいらっしゃることと思います。

是非有意義に活用していきたいですね。

と、同時に、大切な収入ではありますが、事業で出した売上ではない、ということも知っておく必要があります。

「補助金もらえてラッキー。会社の売上も増えた。」と喜ぶのは全く持って問題無いですが、
棲み分けはきちんとしていきましょう。

補助金・助成金は、財務諸表上は「雑収入・雑所得」に入る。実は『本業』にはならない。


個人事業主の方は普段そこまで気にする必要はないですが、
補助金で収入を得たとき、財務諸表には「売上」とは別の所に記録する必要があります。

下は確定申告の収支内訳書の抜粋です。補助金は「売上(収入)金額」ではなく、
「その他の収入」に入るのです。

つまり、これは事業で上げた売上じゃないので、分けて書いてくださいね、というメッセージです。

収入部分抜粋

法人の決算書の場合は、『雑収入』という科目になりますが、これは営業外収益になります。

下の図の赤丸に入ります。

これは、補助金を含めた会社の収支は、営業利益ではなく経常利益に入ることを示しています。

損益計算書

新聞の経済欄などでも「本業の成績を表す営業利益が○○円で」という文章をよく見ます。

つまり補助金は事業で出した結果ではありません。

事業の外で起きた収益に区分されるということを、覚えておきましょう。
(繰り返しになりますが、決して意味がないということではありません。超意味はあります)

金融機関の審査でも、営業利益と経常利益は分けて見ている


金融機関に融資を受けに行くときも、確実に過去の確定申告書類や財務諸表が求められますが、
今までの事業がどれくらい収支が出ていたかを把握するために営業利益をチェックします。

つまり事業の成長性をそこで見極めています。

※ちなみに、経常利益やその後の純利益は、
単純に会社として利益が残っているのか見る上では大切な指標ですから、
軽視している訳ではありません。

そこに補助金の額を入れてしまうと金融機関と目線がズレてしまいますので、
「行けると思っていた融資が、なぜか落ちてしまった」ということになりかねません。

補助金・助成金は非常に魅力的な制度ですから、どんどん活用すべきだと思いますが、
使い方や、使った後の計算を見誤ると思わぬ失敗を招きます。

税理士さん・公認会計士さんを入れている事業者様はそこまで大きな失敗はないと思いますが、
そこまでしていない個人事業主の方の中には、意外なほどこの失敗に出くわしています。

注意して仕訳していきましょう!