経営がうまく行かなくても、やせ我慢は大事。

経営がうまく行かなくても、やせ我慢は大事。

事業を経営している以上、うまく行っている時も、その逆のうまく行かないときもあります。

うまく事が進んでいるときは、気持ちも軽くなりますし、従業員に対しても明るく接しやすくなるでしょう。気が大きくもなります。
ただ、経営者の胆力が試されるのは、むしろ状況が悪いとき。旗色が良くないときこそ、明るく・前向きに接するものです。

雰囲気作りだけではありません。もっと大事な側面があります。それを解説していきましょう。

 

従業員・社員は、あなたの所で働く理由はあまりない、と思う覚悟を持とう。

アルバイト・パート・業務委託など、時間給であったり仕事毎の報酬体系だったりする場合に特に当てはまるのですが、彼ら・彼女らがあなたと働いている理由は、事業内容に魅力を感じたから、というだけではありません。
時給が折り合ったから、家から近いから、自分が持っている経験・スキルが活かせるから、などの自分自身の中の理由からあなたが選ばれているケースも当然あります(それは全く悪いことではありません)。

逆にいうと、それが叶わない可能性が出てきた場合は、働く理由が一気に無くなります

例えば、新しいお仕事を任せる場合。元々の仕事がしたくてあなたと一緒に働いている場合は、新しい仕事を振られた瞬間に「別にそれやりたくないので」と言って一気に冷めてしまう可能性があります。

そして顕著なのがお給料
当然ながら、安定してお給料をもらえる仕事でないと、従業員は働く理由そのものが無くなります。

経営が苦しいときは、経営者にとって固定費である人件費が重荷に感じるはずですが、それでも「泥船」と思われて従業員が離れてしまっては、苦しいどころか、事業運営そのものができなくなります。
諦めるギリギリのギリギリまで涼しい顔をして、何事も無いような顔をしておくことをおススメします

私も一年目の経営が苦しいときは、自分の店が「泥船」と思われないように、必死にやせ我慢していました(笑)。お給料を払うのもしんどかったですが、平気な顔を無理やり作りながら毎月満額支払い続けてきたからこそ、スタッフは辞めずに今も働いてくれています。

 

はけ口として相談できる相手を作るのは大事。自分の中で決めておこう。

かといって、悪いことを全て自分の中にため込んでおいても、精神衛生上よくありません。
また、解決策が自分の外にあることもよくあります。だからこそ、何かあったら相談できる相手は意識的に作りましょう。

例えば従業員でも話せる人はいるかもしれません。
上で書いたような人たちは難しいですが、危機を共有でき、一緒に戦ってくれるスタッフ・社員・従業員などがいれば、経営者にとって強い味方になってくれるでしょう。

社外では、顧問の税理士・弁護士
あなたの事業を数字で把握している方の意見は貴重です。守秘義務で守られているため、口外することもありません。

そして先輩経営者
よほどの事ではない限り、あなたが経験するような試練・苦労は先人達が経験済のものばかりだと思います。大概の場合は潜り抜けてきた事例が世の中にあるはずです。だからこそ、経営者の先輩達と交流を持ち、情報交換できる関係性は大事にしましょう。

あまり多くの人に話せることが無い以上、人を絞って、その人たちにはきちんと開示していくメリハリも大切です。

 
倒産をさせない以上、表の顔では、多少の不調があってもドヤ顔でいて従業員を不安をさせない・士気を高める。
裏の顔では、信頼できる人達に積極的に開示して発散しながら、そして相談を仰ぎ、難局を乗り切る。
そんな二面性も、経営者に必要な要素かもしれません。