日本政策金融公庫に融資を出すときに必要な書類③

日本政策金融公庫に融資を出すときに必要な書類③

2つの記事で、「事業計画書(創業計画書)」「収支計画書」について説明させていただきました。
この二つで、どんな事業をやるのか・その事業がどれくらい儲かるのか(つまり、きちんと融資を返済できるのか)、証明をしていくことになります。

そして、あまり知られていませんが、もう一つ必要な書類『資金繰り表』というものがあります。

 

事業とオカネは、同じようで違う概念。

新聞やネット記事を見ていると「黒字倒産」という言葉を見たことがないでしょうか?

事業をしていると分かるのですが、実は商売が順調で利益が出ていればよいということではありません。手元にお金が無くなったら事業を回せなくなってしまいます。

もう少し細かく説明をします。

どんな事業・商売をやっていても、売上が確定した瞬間に口座にお金が振り込まれる訳ではありません。

対法人の場合は、請求書を出して「当月〆の翌月末支払」など、一定期間を経て口座にお金が入ります。そして、対個人の場合はクレジットカード決済が今はだいぶ普及しておりますので、クレジットカード会社ごとのルールで数日後の振込になります。

売上は出たけど、まだ口座に振り込まれていない金額は、会計上は「売上」ではなく「売掛金」と呼ばれ、当然まだお金が入ってくると確定していない状態です。

支払〆を過ぎたけどまだ振り込みがない、なんてことがあると、それは「債権未回収=不良債権」ということになります。
事業で出した価値が認められて売上が上がっても、お金が口座に入ってくるまでは何も安心はできないのです。

 

事業とは別の表でお金の流れの計画を書くことに意味がある。

だからこそ、事業計画書・収支計画書とは別に、「いつお金が口座に入ってくるのか」「いつお金が出ていくのか」といった、お金の流れを説明する『資金繰り表』というものが重要になります。

収支計画書に似ているが、左の項目が少し細かい

上の表が資金繰り表です。収支計画書と体裁は似ていますよね。

基本的に売上と連動するため、表の形を似せた方が作りやすいのです。ただ、左側の項目は少し細かいです。

売上の中にも、種類があります

例えば、売上。

収支計画書では「売上高」という一行があるだけですが、クライアントからの支払方法はたくさんあります。
その場で現金が渡される場合、直ぐ振り込まれる場合、翌月以降に振り込まれる場合、手形決済されて後日振り込まれる場合などなど。

資金繰り表は、「いつ振り込まれる売上なのか」をタイプ別に分類して書くことができます

これらのお金の出入りを計算して、それでもマイナスにならないことを証明するのが資金繰表の役割になります。

金融機関は、売上が出ないことではなく現金がなくなった時に倒産する、ということをよく知っていますので、企業の資金繰りを細かくチェックします。
世の中的にはあまり知られていないかもしれないですが、融資を出すときには極めて大切な書類なのです。

 
普段馴染みのない書類ですから、これから初めて融資を出す方がゼロから作るのはとても難易度が高いです。

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