バーチャルオフィスでコスト削減できるのはなぜ? 経費が抑えられる理由を解説!
- 2022.08.08
- 物件
「起業するならコストを抑えるべし」という話はよく聞きますが、バーチャルオフィスでコスト削減ができるのをご存じでしょうか?
本記事では、バーチャルオフィスがなぜコスト削減に効果的なのか、その理由について解説。コスト削減以外のメリットや選び方のポイント、利用時の注意点なども合わせてご紹介します。これから起業を目指す方は、ぜひチェックしてみましょう!
バーチャルオフィスとは
「仮想のオフィス」という意味のバーチャルオフィスは、オフィスの“住所のみ”を借りるサービスです。バーチャルオフィスは個人事業主から法人まで利用できるほか、会社員や主婦などの副業にも利用できます。テレワークが浸透した近年では、法人がサテライトオフィス(本社・支社以外の事業拠点)としてバーチャルオフィスを利用する場合もあります。
バーチャルオフィスの住所は、賃貸オフィスやレンタルオフィスなどと同様に、法人登記やWEBサイト、名刺などに利用できるのが魅力。また多くのバーチャルオフィスでは「郵便物の受け取り/転送」に対応しており、届いた郵便物は自宅へ転送してもらえます。
バーチャルオフィスでコストが削減できる理由は?
巷では「バーチャルオフィスはコスト削減に効果的」と言われていますが、そもそもなぜコスト削減効果が高いのでしょうか? その理由は、以下の4つです。
他のオフィス形態に比べ初期費用・月額ともに安価で利用できる
「バーチャルオフィスがコスト削減に効果的」と言われる最大の理由は、「利用費が安いから」です。
【東京の一等地でオフィスを借りる場合の料金比較(平均値)】
費用の種類 | バーチャルオフィス | 賃貸オフィス |
初期費用 | ・入会保証金:10,000円~
・郵便物用デジポット:1,000円~ |
・敷金、礼金、保証金:100万円~
・内装工事費:内容による ・家具やOA機器などの設備投資費:30万円~ |
月額料金(家賃) | 月:数千円~
年間:数万円 |
月:10万円~
年間:120万円~ |
必要な固定費 | なし | ・水道光熱費
・ネット回線料金 |
バーチャルオフィスの初期費用を見ると、賃貸オフィスの100分の1以下と、大きな差があることがわかります。
また毎月かかる固定コストについても、月数千円程度ですむのは大きなメリットです。“起業したての頃”は毎月の固定費のねん出が大きな課題となりますが、バーチャルオフィスを利用すれば、コストを最低限に抑えながら事業をスタートできます。
また、オフィス形態には「レンタルオフィス」「シェアオフィス・コワーキングスペース」などもありますが、バーチャルオフィスはこれらのオフィス形態に比べてもかなり低コストです。
バーチャルオフィスは作業スペースこそ借りられませんが、「住所や郵便物の受け取りなど、最低限のオフィス機能さえあればいい」という方にとっては、もっとも低コストで借りられるオフィスといってよいでしょう。
「電話秘書代行」などのバックオフィス業務代行で人件費削減もできる
バーチャルオフィスには、オプションやプラン変更などで「電話秘書代行」を依頼できるところもあります。これは自身の代わりにバーチャルオフィスのスタッフが電話応対を代行し、用件をヒアリングして通知してくれるというサービスです。
対応スタッフを雇用すると人件費が高くつきますが、バーチャルオフィスならひと月プラス数千円程度で電話秘書代行を依頼できます。格安でバックオフィス業務を代行してもらえるのは、大きなメリットです。
備え付けの貸し会議室や打ち合わせスペースを低コストで利用できる
バーチャルオフィス会員の多くは自宅などで作業をしており、会議や打ち合わせ、商談の際にはカフェなど利用される方も多いでしょう。しかしカフェなどのオープンスペースは、情報漏洩などのリスクもあります。
また、貸し会議室を借りる場合、探して問い合わせて予約する……という手間が生じるのもネックです。
バーチャルオフィスに貸し会議室が完備されていれば、わざわざ探す手間が省けます。完全個室の貸し会議室なら、情報漏洩のリスクも防げるでしょう。
バーチャルオフィス備え付けの会議スペースは、会員のみ格安で利用できるケースも多いです。経費を抑えながら安心して話し合いのできる場所を確保できるのは、大きなメリットだといえます。
バーチャルオフィスはコスト削減以外にもメリットがある
バーチャルオフィスはコスト削減効果が高い他にも、さまざまなメリットがあります。
【バーチャルオフィスのさまざまなメリット】
・一等地の住所が借りられる
・自宅住所のプライバシーを守りながら事業ができる
・WEBページや名刺など、幅広い用途で住所を使える
・法人登記ができる
バーチャルオフィスは、東京都内などの“一等地住所”が借りられる点が魅力です。信用性の高い住所を利用できれば、事業や会社のイメージアップにもつながるでしょう。
また、バーチャルオフィスは“自宅住所の公開”も防げます。
事業に自宅住所を利用すると見知らぬ第三者に悪用されるおそれがありますが、バーチャルオフィスを利用すればその心配もなくなります。
バーチャルオフィスの住所はWEBサイトやネットショップ、名刺やチラシなどにも記載でき、幅広い用途で利用できるのも魅力です。法人登記にも対応しており、自宅住所が登記に使えない人でも会社が設立できます。
よりコストにこだわるなら、バーチャルオフィスの選び方が重要!
現在、さまざまな会社がバーチャルオフィスを運営しています。
数あるバーチャルオフィスの中から、よりコストパフォーマンスに優れたバーチャルオフィスを見つけるには、次の3つを意識しましょう。
【コスト面で見るバーチャルオフィスの賢い選び方】
①料金とサービス内容のバランスをチェックする
②一等地の住所が利用できるバーチャルオフィスを選ぶ
③有人受付ありのバーチャルオフィスを選ぶ
①料金とサービス内容のバランスをチェックする
バーチャルオフィスの中にはワンコインや1,000円以下で利用できるところもあります。
コスト面で見ればとても魅力的ですが、「その価格でどんなサービスが利用できるか」を確認しておかないと、あとあと困るかもしれません。
仮に全く同じサービスなら、当然安い方がコストも削減できるでしょう。
しかし、500円で郵便物の受け取り・転送や法人登記に対応していないA社と、1,500円でも郵便物の受け取り・転送や法人登記などにも対応しているB社では、B社のほうが費用対効果も高くなります。
A社のような低コストバーチャルオフィスでは、郵便物転送サービスや法人登記などが“有料オプション”になるケースも多く、結果的に高くなってしまうことがあるからです。
このような理由から、バーチャルオフィス選びの際には「料金に対しどのようなサービスが含まれているのか」を十分に確認、比較したうえで選ぶことをおすすめします。
②一等地の住所が利用できるバーチャルオフィスを選ぶ
結論から言うと、バーチャルオフィスを選ぶ際は「一等地の住所」が利用できるところを選びましょう。
いくら安いバーチャルオフィスでも、聞いたこともない住所や「○○マンション」など住宅地の住所を借りるのは考え物です。このような住所を使うと、「本当に存在する会社なのか」と疑われる可能性があります。
マイナスイメージを与えないためにも、一等地住所のバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
③有人受付ありのバーチャルオフィスを選ぶ
バーチャルオフィスによっては、スタッフが常駐し、来客対応を行ってくれるところもあります。このようなバーチャルオフィスを利用していると、住所宛に急な来客があったとしても、好印象を与えられるのです。来客があったことはメールや電話で通知してくれるので、その後自分からコンタクトを取ることもできます。
一方、スタッフが常駐していないバーチャルオフィスは、訪ねてきた人が「本当に会社があるのか?」と不審に思ってしまうケースも。
少しでも事業・会社の印象アップにつなげたい方は、有人受付に対応しているバーチャルオフィスを選びましょう。
バーチャルオフィスの注意点は?
バーチャルオフィスの利用時には、注意点もあります。
・作業スペースを確保する必要がある
・許認可が必要な職業はバーチャルオフィスで開業できない
・直接取りに行かない限り、郵便物をすぐ受け取れない
それぞれ順にご説明しますね。
作業スペースを確保する必要がある
バーチャルオフィスの利用時には、作業用のスペースを別途で用意する必要があります。
パッと思いつくのは「自宅」ですが、自宅での作業が難しい場合などはコワーキングスペースやシェアオフィスなどを適宜利用しなくてはならないでしょう。
これらのオフィスは、月数回の利用であればそこまでコストはかかりません。しかし、利用回数が多くなると、バーチャルオフィスでのコスト削減が意味をなさなくなってしまいます。
「レンタルオフィスなどを借りたほうが低コストで済んだかも……」という事態を防ぐには、作業スペースが確保できるかあらかじめ確認することが重要。
そのうえでバーチャルオフィスにするのか、別のオフィス形態にするのかを検討しましょう。
許認可が必要な職業はバーチャルオフィスで開業できない
人材派遣業や弁護士などの一部職業では、「専有スペースの確保」が許認可の条件となります。
しかし、多くのバーチャルオフィスは専有スペースが借りられず、許認可が必要な事業での開業・起業に適していないのです。許認可を受けられなければ、当然開業はできません。
ちなみに、最近では許認可を受けられるタイプのバーチャルオフィスも登場しています。
その分料金がやや割高になるケースも多いので、確認・検討してから申し込むことをおすすめします。
直接取りに行かない限り、郵便物をすぐ受け取れない
ほとんどのバーチャルオフィスでは、郵便物の受け取り・転送を週1~2回のペースで行ってくれます。ありがたいサービスである一方。契約者が実際に受け取るまでにはタイムラグが発生するのがネックです。
急ぎの郵便物を受け取りたい場合は、バーチャルオフィスではなく自宅へ直接送付を依頼するか、バーチャルオフィスに直接受け取りに行くなどの対応が必要になります。
まとめ
安価でビジネスに利用できるバーチャルオフィスは、事業にかかるコストを削減したい起業家に特におすすめのオフィス形態だといえます。自宅などの作業場を確保できる人にとっては、最低限のコストでビジネス用の住所が手に入るため、コストパフォーマンスの良さを感じられるでしょう。
また、バーチャルオフィスの住所は法人登記にも利用できるので、個人事業主から法人成りを考えている方にも向いています。
そのため、「起業したてのうちはバーチャルオフィスでコストを抑えつつ、規模が大きくなってきたらオフィスを借りる」といった使い方もできるでしょう。
事業にかかるコストを削減できれば、より多くの利益を得られます。今後起業される方は、バーチャルオフィスをうまく活用してみてはいかがでしょうか。
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