脱毛サロン開業が人気の理由とは?メリット3つと必要な費用や準備を解説

脱毛サロン開業が人気の理由とは?メリット3つと必要な費用や準備を解説

脱毛サロンでの開業は、ほかの美容サロンに比べて手軽に開業することができるから、自宅で行うなど個人経営で開業する人が多くなってきています。また、エステサロンでの施術メニューとして脱毛を導入するケースも増えています。この記事では脱毛サロンのオーナーとして独立を検討している方に向けて、メリットやデメリットなど、独立開業するにあたっての心構えや準備すべきことについてわかりやすく解説します。

脱毛サロンで独立・開業する3つのメリット

独立や開業に脱毛サロンを選んでいる人が増えているのには、もちろん理由があるからです。脱毛サロンの開業が人気の理由は、どんなところにあるのか、どんなメリットがあるのか、代表的なものを3つお伝えします。

メリット1.開業費や運営費を抑えやすい

開業するのに脱毛サロンを選ぶメリットの1つ目は『開業資金や運用資金を抑えやすいこと』です。

脱毛サロン用に物件を賃貸するのであれば、初期費用はもちろん、毎月のランニングコストがそれなりにかかります。しかし、脱毛サロンは自宅やマンションの一室でも経営が可能です。自宅で開業するため賃料がかからない場合、開業にかかる費用は200万円台にまで抑えることができます。

しかし、脱毛サロンの個人経営は決して簡単ではありません。個人で脱毛サロンを開業しても、低単価の大手・中小サロンが積極的に参入している影響で、脱毛サロン市場は常に価格競争を強いられているからです。廃業率も決して低くありません。このような状況があるため、なるべく開業資金を抑えてリスク回避をしなくてはなりませんが、自宅で脱毛サロンを経営するのであれば、200万円ほどで開業できます。

脱毛サロンを開業するのに欠かせない脱毛機ですが、何年使うか見通しが立っていない開業当初は、脱毛機はレンタルがおすすめです。初期費用に40万円ほどのランニングコストがかかるものの(メーカーによって異なる)、契約期間が設けられているケースも少なくいつでも解約できるのがポイントです。

もちろん『脱毛器を購入する』という選択肢も廃業時に売却できるため選択肢として考慮しても良いです。しかし、原則リースは途中解約ができないためおすすめできません。

メリット2.客単価が高くリターンが大きい

脱毛サロンの開業を独立の手段に選ぶ2つ目のメリットは『客単価が高くリターンが大きい点』です。独立を成功させるためには、いかに「リターンを大きくして純利益を得るか」が重要になります。

脱毛サロンの中でも、レディース脱毛はさまざまな大手・中小サロンの参入の影響で単価が低下傾向にあります。しかし、それでも全身脱毛は1回当たりの相場が16,000円から30,000円と高価格です。さらにメンズの場合は1回当たりの相場が全身脱毛で50,000円以上、髭脱毛で10,000円から15,000円と高い価格帯を設定できます。(※2022年2月時点での情報です)

1回当たりの客単価が高い分、集客ができれば脱毛サロンはリターンの大きい業種です。

メリット3.他業種と比べてリスクが小さい

独立の手段に脱毛サロンの開業を選ぶメリットの3つ目は『他の業種に比べてリスクが小さいこと』です。

脱毛サロンは上記で説明した通り、開業や運用の費用が抑えられるだけでなく、客単価が高い分リターンが大きい業種です。そのため、経営難に陥ってしまっても他業種に比べてダメージが小さい特徴があります。集客が苦手でも客単価が高い分、少ない客数でもなんとか経営できるので、経営初心者の方でも挑戦しやすいのではないでしょうか。

脱毛サロンの開業・運営にかかる費用

脱毛サロンは、開業や運営にかかるコストを抑えられるメリットがあると説明しました。具体的にはどれほどのコストがかかるのか、個人店とフランチャイズの場合の違いを見ていきましょう。(※2022年2月時点での情報です)

個人店の場合

個人店の開業・運営でも、脱毛サロンであれば費用をなるべく抑えられます。サロンの物件の契約費用や機械代を含んでも、200万円ほどの初期費用で開業が可能です。さらに、脱毛サロンの毎月のランニングコストは25万円ほどに抑えられます。

サロンの家賃:10万円(ベッド1台想定 ※エリアによって変動)
脱毛機のレンタル代:4万円/1台
集客サイト掲載料:5万円
光熱費:15,000円(サロンの規模による)
消耗品費:15,000円(サロンの規模による)

もちろん、地域やサロンの規模によっても異なります。しかし、家賃は自宅の場合費用がかからないので、更なる節約を実現できます。また、初期費用をかけてでもなるべくランニングコストを抑えて脱毛サロンを運営したい、というのであれば脱毛機はレンタルではなく購入しても良いかもしれません。購入してしまえばその分ランニングコストが抑えられますし、廃業の際には売却も可能です。

フランチャイズの場合

脱毛サロンを開業する方法のひとつとして、個人店ではなくフランチャイズを活用する方法も近年では増加傾向にあります。フランチャイズであれば本部から経営サポートが受けられるので、初心者でも安心して開業が可能です。

ただし、個人店同様の費用がかかるほか、毎月ロイヤリティなどフランチャイズ本部に支払わなくてはいけない費用が発生します。『収益かける数%のロイヤリティの支払いが義務付けられている』場合、収益が上がればその分支払う金額も大きくなるので注意しましょう。その分、ブランド力を生かした集客が可能なので、営業力や集客力に自信がない場合は、フランチャイズを検討してみるとよいでしょう。

【4STEP】脱毛サロンを開業するための準備

脱毛サロンを開業するのには、大きく4つのステップに沿って手順を進めていかなくてはいけません。難しいことは特にありませんが、開業するにあたり重要なポイントなので、チェックしていきましょう。

STEP1.資金計画を立てる

脱毛サロンを開業するにあたり最初にしなくてはいけないのが、資金計画です。

初期費用や運営にどれほどの資金が必要なのか計画を立てなくては、開業資金の調達もできません。なるべく詳細に決めた方が後の運営に響いてしまうこともないので、怠らずに資金の計画を立てましょう。

STEP2.個人店かフランチャイズかを決める

次に、個人店で開業するのか、フランチャイズを活用するのかを決めましょう。どちらにするのかによって、開業資金だけでなくランニングコストにも影響が出ます。フランチャイズであればロイヤリティなどといったフランチャイズ本部への支払い、個人店であれば、経営の勉強に時間と費用がかかると思っておくと良いかもしれません。

STEP3.脱毛器を選ぶ

脱毛機器選びにはこだわりましょう。脱毛器は以下のポイントに注意しながら選んでみてください。

1.光の種類(フラッシュ/レーザー)
2.施術にかかる時間
3.ランニングコスト(備品の費用含む)
4.脱毛以外のメニューの有無
5.脱毛器のメンテナンス制度
6.保証制度

集客するのにも重要な設備なので、よく検討して決定しましょう。

STEP4.余裕があれば資格を取る

脱毛サロンの開業には資格の取得は必要ありません。しかし、もちろん持っていれば集客に役立つこともあるので余裕があれば取得しておきたいところ。取得しておくと良い資格は2つあります。一般社団法人日本脱毛安全普及協会の『脱毛士検定』と一般社団法人日本エステティック振興協議会の『認定美容ライト脱毛』です。

開業前に知っておきたい、美容脱毛と医療脱毛の違い

脱毛には『美容脱毛』と『医療脱毛』の2種類があります。お客様にとってのメリットとデメリットにも大きな違いがあるのはもちろん、開業するにあたっても必要な資格が異なります。そのため、どちらの脱毛方法で脱毛サロンを開業するのかも、事前にチェックしておきたいポイントです。それぞれどのように違うのか説明します。

美容脱毛とは?

美容脱毛とは光を当てて脱毛効果を得るため『フラッシュ脱毛』と呼ばれます。フラッシュ脱毛で施術する美容脱毛サロンを開業するのには、国家資格や特別な免許などは必要ありません。

【メリット】
・医療脱毛に比べて痛くない
・医療脱毛に比べて低価格で脱毛ができる
・濃い毛の効果を実感しやすい
・低刺激で脱毛効果が期待できる

【デメリット】
・医療脱毛よりも施術回数を重ねなくてはいけない
・顔まわりなど、産毛の脱毛で効果を実感するには相当回数の照射が必要

フラッシュ脱毛は威力が弱く、肌が弱い方でも安心して脱毛できるので、より多くの方に提供可能なサービスが実現できます。脱毛効果は医療脱毛に比べると低いため、より低価格での提供ができるものの、通ってもらう期間が延びてしまいます。お客様に飽きずに通ってもらえるよう、別のサービスと併用することで、客単価を維持しながら顧客を獲得していけるでしょう。

医療脱毛とは?

対して医療脱毛とは、レーザーを当てて脱毛効果を得る脱毛方法です。

【メリット】
・照射の際に痛みを伴う
・医師によるアフターケアに期待ができる
・産毛の脱毛で効果を実感しやすい
・少ない回数で脱毛効果が期待できる

【デメリット】
・人によっては炎症を起こす可能性がある
・提供条件が美容脱毛に比べて厳しい

美容脱毛に比べて効率よく脱毛が可能です。痛みが強いものの、より脱毛効果が高くなるため、お客様満足度は高いでしょう。

しかし、医療脱毛は光が強い分、人によっては肌に炎症を起こしたり、火傷を負ったりする可能性があります。そのため医療脱毛を提供できるのは、適切な処置が可能な『医師のいる医療機関のみ』と定められているので注意しましょう。

脱毛業界は競争こそ激しいが、個人でも戦える要素がそろっている

脱毛サロンは大手、中小企業、個人経営と競争率が高い反面、個人でも十分戦える業種です。設備を用意しなくてならないため初期費用はかかるものの、特別な資格がなくても開業できるので、独立を考えている方は視野に入れてみてはいかがでしょうか。廃業率は高いため、開業するのであればなるべくランニングコストを抑えて、リスク回避をお忘れなくしておくのがおすすめです。

「個人店では経営していけるか不安」という方は、フランチャイズの活用も考えてみてください。サポート内容はフランチャイズ本部によって異なりますが、経営などに関してのサポートを受けられるので、経営初心者でも安心して開業できますよ。

PROFILE

ちはる

大手IT商社でプロダクトプロモーション担当を経て、WEBコンテンツ制作会社に転職し、ライターとして所属。その後、独立し、現在はビジネス・不動産関連の記事を主に執筆。
元記事はこちら
アントレSTYLE MAGAZINE
https://entrenet.jp/magazine/32802/