美容師として独立を成功させるために必要な準備とは?手続きも解説
- 2022.05.23
- 会社設立

美容師をしていると「いつか独立して自分の店を持つ」と考えたことがある方も少なくないでしょう。中には、日々独立するために頑張っている美容師の方もいるかもしれません。しかし、美容師として独立するのに「どのようなメリットがあるのか」「どんな準備が必要なのか」しっかり考えたことがない人もいるかもしれません。美容師として独立したい方が成功するための準備や心構えについて解説していきます。
美容師が独立するメリット
美容師として独立する方の多くには、自分の店を持ちたい、こんな店舗にしたいといった目標や夢があるでしょう。独立することで夢への第一歩を踏み出すと、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。3つの主なメリットを紹介します。
メリット1.自由度が高まり、挑戦できることが増える
美容師として独立する最大のメリットは『自由度が高く、より一層様々なことに挑戦できるようになる点』です。美容師としての独立の仕方は様々です。
面貸しとして店舗を持たずにフリーランスの美容師で活動する方もいれば、サロンを開業して自身の美容室を持つ方もいます。
※面貸しとは、美容所(美容院・美容室・サロンなど)が、フリーランスの美容師に場所と施術に必要な施設を提供する形態のこと。
どちらにせよ、会社に雇用されているよりも自由度高く働けることに違いはありません。
フリーランスとして独立するのであれば、いつ、どれくらいの時間で働けるか裁量持ってスケジュール管理ができるようになります。美容師としての活動はもちろん「何か別のことにチャレンジしてみたい!」という方は、空き時間を作って挑戦する時間を設けても良いかもしれません。
店舗を構えて独立するのであれば、お店の名前、場所、コンセプト、内装、外装すべてを自分の理想通りの美容室作りができます。今までにない、自分ならではのコンセプトや理想を強く持っているのであれば、店舗を構えた独立をすることで、自分の個性を最大限に引き出せるでしょう。
さらに、定休日や営業時間も自身で決められるのもメリットです。予約状況や家庭の状況に応じて臨機応変に対応できるので、ワークライフバランスを実現したい方にとっても良いでしょう。
メリット2.収入の上限が高くなる
美容師として独立する2つ目のメリットは『収入の上限が高くなる点』です。美容師として雇われていると、どうしても固定給があるため収入の上限が決められてしまいます。
しかし、独立すれば自分が働いた分だけ収益が出せるため、収入の上限も高くなります。特にフリーランスの美容師だと、設備の維持費のようなものがかからないケースが多いため「仕事をした分だけ、自分の収入に直結する」というメリットがあります。
店舗を持っていると、どうしても設備の維持費がかかってしまうため、フリーランスで活動するよりも制限が設けられてしまいます。それでも、事業が軌道に乗れば収益も上げられるため、雇われているよりもオーナーでいる方が、収入には期待できるでしょう。
メリット3.経営者としての経験も積める
美容師として独立するメリットの3つ目は『経営者としての経験が積める点』です。
美容師として独立すれば、そこから事業を運営していく経営者となります。雇われていると、自分が経営者になる経験をすることはできません。
しかし、独立して店舗を構えるようになれば、おのずと経営者としての経験も積めるようになります。経営者としての経験や知識があれば複数店舗の運営やヘアケア商品の開発といった事業の展開もできるので、今度の人生の幅が広げられるようになります。
独立に向いている美容師とは?
独立には向き不向きがあります。美容師として独立するのに向いているのは、どのような美容師なのでしょうか。向いている人の特徴を3つ紹介します。
自分のスタイルを貫きたい美容師
自分のスタイルを貫きたい美容師は独立に向いています。「自分ならではのカラー技術、ケア技術、カット技術がある」「接客方針に信念がある」など、自分のスタイルを貫きたい美容師は、独立しても自分をブラすことなく仕事ができるでしょう。
美容の技術は日進月歩です。最新の技術や薬剤を取り扱い、自身のスキルを磨いていきたい人もいるでしょう。しかし会社に所属していると、経営判断は会社の上層部に委ねられるため、どうしても自由に取り入れることができません。
「最新の技術を取り入れ、とことんスキルを磨いていきたい」と思う美容師もまた、独立したほうが自分らしく働けるかもしれません。
お客さまを第一に考える美容師
お客様ファーストでいられる美容師も独立に向いています。
もちろん、お客様のことを考えすぎて収益を立てられないようでは本末転倒です。
しかし、独立してお店を営むには、以前働いていた店舗のブランド力は使えません。独立して成功するためには、いかにお客様を第一に考えて「またこの人にお願いしたい」と思ってもらえるかが重要です。「また来たい」と思ってもらえるようなお客様ファーストな接客やサービスには、以前にも増して力を入れましょう。
経験と年齢を重ねた美容師
経験と年齢を重ねた美容師も独立に向いています。独立したての美容師はブランド力がないため、技術で戦うほかありません。そのため、より長く経験を積んでいる方が業界で名前が知られていたり、お客様が定着していたりするため、独立後もそのまま担当させてもらえるケースが少なくないのです。
美容師として独立するための心構え
美容師として独立するのであれば、いくつかの心構えをしておかなくてはいけません。独立して成功するために、常に気に留めておきたいポイントをお伝えします。
心構え1.腕は良くて当たり前
美容師として独立しても、いきなり経営に専念できるケースは多くありません。独立した直後は自分に美容師として現場の最前線に立つことになります。集客につなげたり、リピーターを獲得したりするためには、美容師としての技術が何よりも重要になります。
どんなにたくさんの方が来店してくれたとしても、技術がなければお客様の定着はありません。また、悪い口コミなどはすぐに広まってしまいます。独立成功の鍵は『好評価を得られる技術』です。「自分は独立したから」と技術の向上を怠ることのないよう注意しましょう。
心構え2.経営の勉強も欠かせない
独立して美容師としての仕事をしなくてはいけないのはもちろんですが、経営者としての仕事も欠かせません。美容師として独立しオーナーになるためには、店を運営するための経営者としての目線も持っていなくてはいけません。
経営をうまく回すためには、経営の勉強は欠かせません。空き時間を見つけて勉強したり、セミナーに参加してインプットしたりして、知識を身につけましょう。
心構え3.トレンドにアンテナを張り続けよう
独立して成功するには、トレンドを常にキャッチし続けることが重要です。どんなに技術があっても、スタイルが流行りに合っていないようではお客様も離れていってしまいます。
また、美容師は長時間お客様とお話をする仕事でもあります。会話に飽きられないよう、美容以外の流行のチェックも欠かせません。
美容師が独立する前に考えること
美容師として独立する前に、いくつか考えておかなくてはいけないことがあります。独立を成功させるためにも必要なことなので、いくつか紹介します。
独立する目的や理由をハッキリさせる
独立する前に、きちんと「なぜ独立するのか」「どうやって独立したいのか」を明確にしておきましょう。せっかく独立をしても、目標がブレてしまっていては『目指すべき場所』を目指せません。今後の方向性を決めるためにも、綿密に目標や理想を決めておくべきです。
サロンのコンセプトを定める
店舗を構える場合、どのようなお店にしたいのかコンセプトをきちんと決めておきましょう。コンセプトを決めるためには、ターゲットが誰なのかを明確にし、そこからお店の立地、外装、内装などを決めていくとスムーズに決まりやすいです。
将来を具体的にイメージする
独立後どうなりたいのかも、きちんと考えておくべきです。店舗を増やしたいのか、1店舗で集中して事業をしたいのかでも、どのような成長が必要なのか異なります。従業員を雇うか雇わないかも大きな選択肢なので、十分に考えてから事業展開するようにしましょう。
美容師として独立するための準備
美容師として独立するためには、主に3つの準備が必要です。独立を成功させるためにも、どんなことを準備するべきか知っておきましょう。
事業計画書を作る
事業計画書は作成が必要になります。金融機関から融資を受ける際の審査で重要になるので、事業計画書は必ず抜かりなく作成しましょう。どうすれば自分の理念が第三者に伝わりやすいのかを意識して書くと、審査でも自分の思いが伝わるでしょう。
事業計画書には具体的な内容はもちろん、売り上げや経費など、実現可能かどの根拠を示すのもお忘れなく。
開業・運転資金を集める
美容師として独立し店舗を構える場合、開業に約1000万円から2000万円ほどの資金が必要になります。自己資金がないのであれば、融資を受けたり、クラウドファンディングをしたりする必要があります。どのように資金調達をするのかも意識しながら動かなくてはいけません。
サロンの場所を決める
開業資金が準備できたら、どこに店舗を構えるのか立地を決めなくてはいけません。
まず、ターゲット層を明確にすることから始めましょう。次に競合となる美容室がどのあたりに出店しているのかを確認してみると良いでしょう。
立地条件は客層のターゲットによって異なりますが、アクセスは良い方が望ましいです。なるべく駅近の物件を見つけられるようにしてみましょう。
美容師として独立するための手続き
美容師として独立するには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。代表的な3つの手続きについて紹介していきます。
税務署に開業届を提出
独立が決まったら、まずは税務署で『個人事業の開廃業届出書』を提出します。このとき、一緒に『青色事業専従者給与に関する届出書』の提出も必要になることがあるので、準備しておくと便利です。
『個人事業の開廃業届出書』は開業から1ヶ月以内に提出しなくてはいけないので、遅れないように注意しましょう。
保健所に開設届などを提出
保健所にも書類の提出が必要になります。『開設届』『施設の位置図』『構造・設備の概要』『従業者名簿と美容師免許証』『医師の診断書』の5つです。これらは開業の10日前までに提出が必要です。これらを提出しないことには開業できないので、きちんと事前に揃えておきましょう。
従業員がいる場合の手続き
従業員を雇う場合には、労基署やハローワークに届け出が必要になります。雇用保険への加入が必要になるので、きちんと手続きを済ませましょう。
美容師をずっと続けるなら、独立も視野に入れよう
美容師になったら一度は独立を考える方は少なくありません。ずっと美容師を続けていきたいと思っているのであれば、独立を視野に入れてみても良いのかも知れません。
美容師で独立するためには、自分のビジョンがしっかりと定まっていることが最も重要と言っても過言ではありません。自分らしさや、自分ならではの強みを生かして独立できるよう、日々技術の向上に努めましょう。
ちはる
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