「いくらくらい借りれるますか?」は愚問です

「いくらくらい借りれるますか?」は愚問です

アントレ独立おたすけサービスにいただく相談の中で、一番多いのは融資の相談であることは何度かお話ししてきました。

その中で、事業を一番始めたいはずの個人事業主の方が、いくら借りたいか分かっていないことがたまにあります。どんな場合なのでしょうか?

 

自己資金の金額だけで、いくら融資できるかは、はっきり分からない

先日ご相談いただいた方は、喫茶店を経営しており、事業拡大のために追加融資を検討されている方でした。これ自体は素晴らしいことです。

そして、税理士との面談で、手元には200万円あり、これを自己資金にして融資を受けていきたいことを語ってくれました。これも大変素晴らしいことです。

私達もぜひお手伝いしたいと思いました。その直後に行った一言がこれです。

「で、まだ具体的に買うものが決まっている訳ではないのですが、先生。私はいくらお金を借りれますか?」

……実は、こういう質問、結構あるんです。これを読んで、違和感を持たない方も多くいるかもしれませんね。

実は、この類の質問に、明確な金額で回答できる人はたぶんいません。

税理士は、自己資金から融資できる金額を予測する予想屋さんではありません
税理士の仕事は、事業主がやりたい事業の計画を作ってくれる人。数字上無理がないか見極める人であり、融資を受けるための書類を一緒に作ってくれる人です。

その時も税理士さんは、「それは、あなたが何をしたいか、何を買いたいか決まってからの相談です。買うものが決まって、計画を書いてみて、無理のない事業計画書に落とし込むのが私達の仕事です」とスラスラ答えていました。おそらく慣れているのでしょう。

 

税理士は、あなたのやりたいことを代行して考えてくれるわけではない。

相談した方も悪気は一切ないですし、むしろあまりにも知られていないことですので、ここで書いておりますが、基本的に「自己資金の金額だけで、融資できる金額が決まる」というのは半分都市伝説です。あったとしても、相当手堅い金額が書かれているか、もしくは、どなたかの事例が独り歩きしているケースが多いと思います。

全ては、事業主が「何の事業がしたい。そのためには●●を買いたい。だから××円を借りたい」と、現実的な狙いを定めることから始まります

逆にそこの夢・目標を定めることができれば、そこからは税理士さんの領域。親身になって色々相談に乗ってくれる人も出てくると思います。

何より、独立して事業を始める醍醐味は、本来自分だけのもの。一番楽しい部分を人に任せてしまうのは少々もったいないと思いますよ。