フランチャイズのメリット・デメリット、ロイヤリティの相場まで徹底解説!

フランチャイズのメリット・デメリット、ロイヤリティの相場まで徹底解説!

フランチャイズほど、広く知られたビジネスモデルはないでしょう。

しかし、フランチャイズの関連用語、具体的なメリットやデメリットを知っている人は多くありません。

本記事では、フランチャイズ関連のさまざまな情報を、分かりやすく解説します。

フランチャイズで発生するロイヤリティの相場から、開業を成功させる5つのフローまで、徹底的に解説します。

目次

フランチャイズとは・意味や関連用語を知ろう

まずは、フランチャイズの意味や関連用語を理解しましょう。

フランチャイズは、「チェーン店の事業本部」と「チェーン店に加盟したい個人や法人」が契約を結び、一緒に店舗を拡大していくビジネス形態です。
事業本部は「フランチャイザー」、加盟店は「フランチャイジー」と呼ばれます。
フランチャイザーは、チェーンとしてのブランドや商標、ビジネスノウハウを提供。フランチャイジーは、「ロイヤリティ」と呼ばれる対価を支払います。

フランチャイザーとフランチャイジー、それぞれが提供したり支払ったりするものについて、少し詳しく見てみましょう。

もっとたくさんの「フランチャイズ関連用語」を知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。
「フランチャイズパッケージ」「スーパーバイザー」「リクルーター」など、さまざまな用語について解説します。

フランチャイズ(FC)の意味とは?言葉の意味、仕組みや専門用語を徹底解説

https://entrenet.jp/magazine/26241/

ブランドや商標とは?

店舗名や、店舗で扱う独自商品の販売権などを指します。
最初から「顧客のついた店舗名」や「知名度の高い商品」を扱えることは、独立・開業において有利です。全く無名な店舗と、誰もが知っている有名店、どちらに集客力があるかは明白です。

ビジネスノウハウとは?

店舗運営を成功させるためのマニュアルや研修を指します。
期間はフランチャイザー(事業本部)によるものの、数日~数ヵ月の研修を受けてから、万全に準備したうえで開業できます。
POSレジや経営に関するシステム、商品の卸売りルートを確保してもらえることも、フランチャイザーから提供されるビジネスノウハウです。

ロイヤリティとは?

フランチャイジー(加盟店)が対価として支払うお金です。
店舗の売り上げに対する歩合制や定額制など、さまざまな形態があります。

フランチャイズの市場規模

フランチャイズの市場規模は、2018年の時点で約26兆円にもなるといわれています。
すでに巨大なマーケットであり、今後も拡大していくであろう、フランチャイズ市場ですが、市場規模が大きくなるにつれ、フランチャイズで開業できる業種も増えてきました。
業種ごとの「加盟店募集数」から、フランチャイズの市場規模が垣間見えます。

【業種ごとの加盟店募集数】
コンビニ・小売:5件
飲食・宅配:24件
塾・スクール:16件
修理・清掃:19件
理美容・エステ:11件
介護:15件
IT・通信:2件
買取販売:5件
他サービス業:11件
※2020年11月30日「アントレ調べ」

もちろん、加盟店の募集数は日々変わります。
ただ、フランチャイズを取り入れる業種の多さ、募集の多さはお分かりいただけたでしょう。
フランチャイズに興味のある方、やってみたいビジネスのある方は、ときどき「加盟店募集」をチェックしてみてください。

フランチャイズ(FC)なら独立、開業、起業、フランチャイズの【アントレ】

https://entrenet.jp/dokuritsu/Y1100/

フラインチャイズにはどんな業種がある?

「フランチャイズといえば、コンビニエンスストア」とイメージする方は多いでしょう。
たしかに、コンビニエンスストアはフランチャイズビジネスの代表格といえます。
大手のコンビニエンスストアはすべてフランチャイズ展開をしていますし、規模が大きく歴史が深い分、サポートも充実しています。

フランチャイズと一口にいっても、いろいろな業種があります。
例えば、下記のような業種がフランチャイズビジネスで展開されています。

【フランチャイズビジネスで展開されている業種の一例】
・小売業
・飲食業
・サービス業

業種①:小売業

小売業は、商売の基本ともいうべき業種です。フランチャイズの代表格・コンビニエンスストアも、小売業に入ります。
シンプルに見えて奥深いのが、小売業の特徴です。魅力的な商品選びや陳列はもちろん、在庫の無駄を減らし、回転率を上げなければ、利益は出せません。

アントレ『フランチャイズ×小売・コンビニの独立開業情報一覧』

https://entrenet.jp/dokuritsu/Y1100/C07/

業種②:飲食業

飲食業も、フランチャイズを代表する業種です。立地・味・接客のどれか1つでも欠けると、利益を出すのは難しいでしょう。特に重要な「味」を、マニュアルや仕入れだけで均一化できるのも、フランチャイズで飲食業を始める人が多い理由といえます。

アントレ『フランチャイズ×飲食店・宅配・テイクアウトの独立開業情報一覧』

https://entrenet.jp/dokuritsu/Y1100/C03/

業種③:サービス業

サービス業には、さまざまな種類があります。修理や掃除、洗濯からトラブル解決などのサービスを提供します。形のないサービスを提供するうえで最も大切なのが、顧客からの信頼です。開業時点から信頼されたブランドを利用できるのは、大きなメリットです。

アントレ『フランチャイズ×各種サービスの独立開業情報一覧』

https://entrenet.jp/dokuritsu/Y1100/C02/

フラインチャイズ開業のメリット・デメリット

フランチャイズで開業することには、メリットもあればデメリットもあります。
フランチャイズのメリットは、主に5つあります。総じて「独立・開業のハードルが下がる」ことがメリットです。

1.店舗を立ち上げるコストが安い
2.独立・開業のハードルが低い
3.広告・集客のサポートが厚い
4.経営経験がなくても安心
5.仕入れや人材募集が楽

デメリットは主に3つあります。

1.フランチャイズは本部選びが大変
2.ロイヤリティ分、利益は下がる
3.途中解約ができない場合がある

フランチャイズの本部選びに失敗すると、以降のビジネスに悪影響が出続けるでしょう。
特に、ロイヤリティはしっかり確認してください。ロイヤリティが発生する以上、利益は下がります。ロイヤリティの高すぎる本部を選んでは、利益はなかなか上がりません。
しかも、フランチャイズには契約期間があります。途中解約すると違約金がかかることもあるので、事前にしっかり確認すべきです。

ちなみに、フランチャイズ展開をしているお店は、全店舗がフランチャイズ店というわけではありません。
事業本部が直接経営・運営している店舗を「直営店」と呼び、ロイヤリティも発生しなければ、店長も本部の従業員がやっています。
当然、フランチャイズ特有のメリット・デメリットにも、影響されません。

直営店では、新商品の先行販売や新しいオペレーションの導入などといった試験的なことが行われることが多いです。オペレーションの見直しなどといったノウハウをためることができるため、結果として加盟店へのサポートを強化することができます。

フランチャイズに向いている人・向いていない人

フランチャイズの「独立・開業のハードル」は、たしかに低いです。
だからといって、フランチャイズなら誰でも成功できるわけではありません。フランチャイズに向いている人・向いていない人の特徴を見てみましょう。

【フランチャイズに向いている人】
・責任感がある人
・自分から率先して行動する人
・資金が足りない人

【フランチャイズに向いていない人】
・責任感がない人
・本部任せにしてしまう人
・準備ができない人

フランチャイズで独立するということは、経営者になるということです。もちろん、それ相応の「経営者マインド」「責任感」が求められます。
何より、フランチャイザー(事業本部)とフランチャイジー(加盟店)は、対等なビジネスパートナーです。
いくら本部がサポートしてくれるとはいえ、独立前の準備を怠ったり、自分では何もしようとしなかったりという人には向いていません。

次に、どんな人がどの業種に向いているのかも、見てみましょう。

【小売業】
・接客が得意な人
・在庫やお金の管理が得意な人
・販売スタッフの採用や管理ができる人

【飲食業】
・飲食業の仕事を楽しめる人
・お客さんに喜んでもらうのが好きな人
・要領のいい人

【サービス業】
・学習意欲が高い人
・人を助けるのが好きな人
・専門性を磨きたい人

フランチャイズ開業のフロー

フランチャイズ開業を成功させるためには、綿密な準備が必要です。
まずは、開業フローをよく確認しましょう。

各フローについて、より詳細に知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
フランチャイズ開業を成功に導くための、たくさんの秘訣をお伝えしています。

フランチャイズ事業の始め方と流れについて

https://entrenet.jp/magazine/13976/

フロー①:参入する業界を決める

自分に合った業界・業種を選ぶことは、何よりも大切です。
「好き!」「やってみたい! 」という気持ちだけでは、長くビジネスを続けられません。長期的に熱意を持てるか、自分のライフスタイルに合った働き方ができるかなど、しっかり確認しましょう。

フロー②:加入するチェーンを決める

業界を決めたら、次は加入するフランチャイズチェーンを決めます。
業界全体の中で、どの程度の位置にいるのか。ブランド力はどの程度あるのかなど、「企業・組織としての強み」を確認していきましょう。
もちろん、サポート体制が充実しているのかも、加入するチェーンを決める大切な要素です。

フロー③:契約を結ぶ

フランチャイズチェーンを決めたら、いよいよ契約です。
契約内容は、フランチャイズチェーンごとに異なるので、よく確認してください。
後から「ロイヤリティの負担が想像以上に大きかった」「縛りが多すぎて窮屈に感じる」といっても、途中解約はできないことが多いです。

フロー④:開業準備

フランチャイズとはいえ、すべてのことを本部がサポートしてくれるわけではありません。
本部の研修は真剣に受け、自分でもできる限りの学習・準備をしましょう。

もちろん、本部の指示やマニュアルを守ることも大切です。
フランチャイズで開業することは、フランチャイズチェーンという大きな組織の一員になることです。
オーナーだからといって、好き勝手していいわけではありません。

フロー⑤:店舗オープン

研修が済んだら、いよいよオープンです。
失敗することも多いでしょう。しかし、学んだことを活かしながら、ビジネスの成長を目指し続けてください。

フランチャイズ開業時、本部選びのコツ・ポイント

フランチャイズで開業するうえで、本部選びは重要です。自分に合わない本部を選んだばかりに、本来のポテンシャルを発揮できないオーナーもいます。
本部選びのコツを、3つお伝えします。

本部選びの方法をもっと詳しく知りたい方、本部の前に自分に合った業界を知りたい方には、こちらの記事も参考になります。

失敗しないフランチャイズの選び方のコツ

https://entrenet.jp/magazine/13575/

コツ・ポイント①:サポート体制を確認しよう

フランチャイズ最大のメリットは、確立され、実績が出ているノウハウを利用できる点にあります。
また、フランチャイズで独立する多くの人は、業界・経営の経験がない人です。
ゼロからビジネスを成功させるためには、本部からのサポートが欠かせません。

具体的なサポートの内容や体制、スーパーバイザーの数やレベルなど、総合的に確認しましょう。

コツ・ポイント②:必要資金を確認しよう

フランチャイズの魅力は、少ない資金で開業できることです。
とはいえ、最低限の開業資金は必要です。まずは、フランチャイズで開業するための必要資金を確認しましょう。

開業資金以外にも、ビジネスを続けていくうえでどのくらいの資金が必要なのかも、丁寧にチェックすべきです。
「加盟金」「保証金」「研修費用」「店舗設置に関する費用」「初期仕入れ在庫のコスト」など、費用のかかる要素を洗い出し、正確な計算を心がけましょう。

コツ・ポイント③:契約期間や解約金を確認しよう

サポートや必要資金の確認だけでは、不十分です。フランチャイズ契約の期間や、途中解約時の違約金についても、しっかり確認しましょう。
契約期間や解約金を確認することは、サポート体制や資金の確認と違って、楽しいものではありません。

しかし、フランチャイズ契約によるトラブルの多くは、契約内容の確認不足から起こっています。
「契約期間」「解約条件」「加盟金」「保証金の返還の有無」「違約金」など契約書の重要事項には、何度も目を通してください。

フランチャイズ開業に必要な資金と資金繰りの仕方

フランチャイズ開業には、どんな資金がかかり、資金繰りはどうしていけばいいのでしょうか。
フランチャイズの開業資金は、自力で開業する場合の必要資金と比べて、結果的にたしかに少ないケースが多いといえます。
しかし、フランチャイズでは継続的なサポートがある分、ロイヤリティが発生するため、ビジネスを軌道に乗せた後の資金繰りには注意が必要です。

まずは、ロイヤリティにはどんな種類があるのか、3つ紹介します。

ロイヤリティの種類①:売上歩合方式

最も一般的なロイヤリティです。
店舗の売り上げに対して、決まった割合のロイヤリティを、事業本部に納めます。

メリットは、売り上げが低いときは、ロイヤリティの負担も軽くなることです。
デメリットは、売り上げが変わらずに利益が下がった場合でも、ロイヤリティは変わらないことです。
売り上げに対するロイヤリティの割合は、数%~50%程度までとさまざまです。

ロイヤリティの種類②:定額方式

売り上げ金額にかかわらず、一定額のロイヤリティを納め続けるタイプです。
メリットは、売り上げと最終的な利益が直結していることです。
裏を返せば、売り上げ低下が赤字に直結するというデメリットになりえます。どんなに売り上げが悪くても、ロイヤリティの金額が変わらないからです。

一般的には、数万円~10万円程度のロイヤリティが発生します。

ロイヤリティの種類③:粗利分配方式

コンビニエンスストアに多いタイプで、売り上げから経費を引いた利益を、本部と加盟店で分配します。
一般的には、売り上げの総利益(総売上高ー売上原価)の30~70%程度を、本部に支払います。

業種ごとのロイヤリティ相場

ロイヤリティの種類が分かったところで、業種ごとの相場もチェックしましょう。

【業種ごとのロイヤリティ相場】
コンビニエンスストア:利益の30~60%程度
カフェ:売り上げや利益の3~10%程度
学習塾:入会金や授業料の10~50%
エステ・マッサージ:売り上げの5%前後
ハウスクリーニング:売り上げの50%前後 or 月6万円前後
※あくまでも目安です

ロイヤリティの仕組みや相場について、もっと知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。

ロイヤリティとは何か?フランチャイズを始めるなら必ず知っておこう

https://entrenet.jp/magazine/25146/

フランチャイズの様々な形態

フランチャイズと一口にいっても、さまざまな形態があります。
代表的な3つの形態を紹介します。

それぞれについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。
メリットやデメリット、どんな人におすすめなのかもお伝えしています。

フランチャイズにはどんな種類が存在するのか

https://entrenet.jp/magazine/13584/

フランチャイズの形態①:ビジネス・フォーマット型フランチャイズ

最も一般的なフランチャイズビジネスです。
ビジネス・フォーマット型フランチャイズでは、フランチャイザー(事業本部)がフランチャイジー(加盟店)に、「ビジネスのフォーマット」を提供します。
フォーマットに沿って事業を行うことで、業界や経営が未経験でも、低リスクでビジネスを始められるのです。

フランチャイズの形態②:ターンキー型フランチャイズ

一般的なフランチャイズ(ビジネス・フォーマット型)の、「開店準備が大変」というデメリットを解決するタイプです。
ターンキー(Turn-key)、つまり「鍵を回すだけ」で、「すぐに始められるよう準備されている」という意味です。
ターンキー型フランチャイズでは、事業本部が加盟希望者のために全ての準備作業をしています。マニュアルや経営関連システムはもちろん、店舗や事業所も準備されています。

フランチャイズの形態③:コンバージョン型フランチャイズ

販路を拡大するために、同業者を加盟対象とするフランチャイズ・システムです。
コンバージョンは(Conversion)、「転換、変化」という意味です。コンバージョン型フランチャイズは、転換型フランチャイズとも呼ばれます。
同業者が自らの姿を変え、フランチャイズの加盟店として事業を続けるのは、まさに「転換・変換」にあたるでしょう。

まずはどんな案件があるかチェックしよう!

本記事では、フランチャイズビジネスの概要から開業するときの注意点まで、さまざまなことをお伝えしてきました。

フランチャイズは、独立・開業のハードルを下げる、画期的なビジネスモデルです。
しかし、独立のハードルが下がったからといって、経営・運営を続けていくハードルが下がったわけではありません。フランチャイズ本部のサポートも受けられますが、ビジネスが成功するか否かは、オーナー一人ひとりの手にかかっています。

「独立や開業には興味があるけど、資金が足りない」
「人生一度きり、チャレンジはしてみたいけど、不安が大きい」
という方には、フランチャイズでの開業をおすすめします。自分に合ったビジネスとフランチャイザーが見つかれば、適切なサポートを受けながら、経営者として成長していけるでしょう。

PROFILE

赤塚 元基

新潟県新潟市在住のフリーライター。
SaaSなどのIT系、投資やベンチャー企業の動向、オウンドメディアなどビジネス系を主に執筆。
元記事はこちら
アントレSTYLE MAGAZINE
https://entrenet.jp/magazine/26393/