撤退ラインを設けることで、経営にも心にも余裕が生まれる

撤退ラインを設けることで、経営にも心にも余裕が生まれる

「撤退」ちょっと演技のよくない言葉ですが、大切な考え方なので記事にまとめてみました。事業撤退は、独立してビジネスを始める以上、頭の片隅に置いておいてほしい選択肢です。具体的に想定しておくことで、日々の経営にも安心感が生まれるというものです。

 

撤退ラインを具体的に決めることは、不幸にならないために絶対必要

事業がうまくいかず、気づいたときには手遅れ、大きな負債を抱える・自己破産をしてしまう、怖いですが本当に起こりうる話です。

なぜそうなってしまったのか。
やむを得ない理由、不可抗力はもちろんあると思いますが、経営者がやるべきことだったことの一つが、「どこまで行ったらやめるか=撤退ライン」の設定です。

撤退ラインとは、失敗してもまだやり直せる状態はどこか、を決めることだと思ってください。失敗したら立て直しできない状態で事業を続けるのは、単なる博打です。顧客や従業員がいたとしたら尚更無責任でしょう。

そして、撤退ラインを設けることはネガティブな理由だけではありません。
撤退ラインが明確にわかっていれば、そこまではフルスイングできるというポジティブな側面もあります。引き際がどこか曖昧なままで、無用な心配を抱えてしまう人もいます。「今ここで〇〇万円投資すれば事業は伸びそうだけど、お金使っちゃっても大丈夫かな…」。と決め切れないのです。

数字でラインが分かっていれば、「まだ大丈夫、攻めよう!」「〇〇万円つかったら撤退ラインを超える。やめよう」と明確な判断ができます。

攻めるべき時に攻め切るためにも、撤退ラインは決めておくべきなのです

 

撤退ラインは、タイミング・数字で具体的に自分で決めよう。

決め方は人それぞれ。納得いくラインを決めましょう。
私のネイルサロンの撤退ラインは、「撤退にかかる費用(テナントの原状回復・スタッフの退職金・設備の処分代など)が確保できなくなる一歩手前」と決めています。

撤退費用さえ確保しておけば、ゼロに戻しても誰にも迷惑をかけず、借金なしで違うことを始めることができます

他にも色々なラインがあります。

  • 1ヶ月でも従業員のお給料が払えなかった時
  • 赤字が3ヶ月続いた時
  • 月の売上が〇〇万円を割った時
  • ××さんが辞めた時
  • 丸坊主の日が1日もあった時

など。

コツとしては、

  • 人に迷惑をかけないで済むライン
  • 借金が残らないで済むライン

がどこかで見極めることです。それが、明るくやり直せる基準だと思ってください。

失敗は決して悪いことではありません。その経験はきっと次のチャレンジの良い糧になりますし、自分の人生を豊かにしてくれるものでもあります。ただ、その失敗が自分の後の生活にに大きく影響するような状態を作ってしまうのは避けるべきです。次のチャレンジすらできないのは不幸ですから。

事業計画書などを見ながら、一緒に撤退ラインを組み立てることもできます。アントレ独立おたすけサービスにお気軽にご相談ください。