フランチャイズとは?関連用語の意味やメリット・デメリットを、徹底解説!

フランチャイズとは?関連用語の意味やメリット・デメリットを、徹底解説!

フランチャイズとは、個人や法人に自社の店舗を運営してもらい、広範囲に店舗を拡大していくビジネスモデルのことです。

街でよく見かけるコンビニエンスストアやカフェの中にも、フランチャイズの店舗は多く存在するのです。

本記事では、フランチャイズとは一体何なのかを、見つめなおしていきます。

フランチャイズのメリットとデメリットを理解し、ビジネスに活かしていきましょう。

フランチャイズとは?

フランチャイズとは、自社の店舗・サービスを運営してくれる個人や法人を幅広く募り、効率的に店舗拡大を目指していくビジネスモデルのことです。
そして、よく耳にするフランチャイズチェーンとは、フランチャイズによって拡大した店舗群を指します。

では、フランチャイズとは、どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。
自社の店舗・サービスの運営者がほしい事業本部と、独立・開業したい加盟希望者は、「フランチャイズ契約」を結びます。
フランチャイズ契約とは、「店舗の名前や商標などのブランド、店舗を運営するためのノウハウ」と「ブランドやノウハウの対価として支払う加盟金などやロイヤリティ」を、互いにトレードしようという契約です。

加盟希望者は、すでに認知され信頼されたブランド力や確立されたノウハウを使って、ビジネスの成功確率を高めることができます。事業本部は、対価として加盟金などやロイヤリティを得ながら、より効率的に店舗拡大を目指すことができるのです。
フランチャイズとは、加盟希望者と事業本部の双方に利益がある、まさにWin-Winなビジネスモデルなのです。

本記事では、フランチャイズとはどんな仕組みで、どうして人気なのかをお伝えします。
フランチャイズの話でよく聞く「フランチャイザー」「フランチャイジー」「ロイヤリティ」などの用語を解説し、フランチャイズ開業を成功させるための5つのフローも紹介します。

「自分でビジネスをはじめてみたい」
「だけど、資金も経験も足りない…」
と諦めている方こそ、フランチャイズとは何なのか、今一度見つめなおしてみましょう。

フランチャイズについてもっと知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

フランチャイズ(FC)とは?意味や仕組みを分かりやすく初心者向けに解説

https://entrenet.jp/magazine/25755/

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フランチャイジー・フランチャイザーとは

フランチャイジー、フランチャイザーという言葉を、聞いたことがあるでしょうか。
フランチャイザーとは、フランチャイズの事業本部のことです。対して、フランチャイジーとはフランチャイズの加盟店のことを指します。
まずは、フランチャイザー(事業本部)とフランチャイジー(加盟店)、それぞれの仕事について見ていきましょう。

フランチャイザー(事業本部)の仕事とは、「加盟希望者を探すこと」「フランチャイジーにノウハウを伝えること」です。
実績を出してきたノウハウを体系化し、マニュアル化することで、フランチャイジーがビジネスに成功する確率を高められます。

フランチャイジー(加盟店)の仕事とは、「ビジネスを成功させること」そのものです。
フランチャイジーが利益を出せば、ロイヤリティを受け取るフランチャイザーの利益も伸びます。店舗数が増え、有名になっていくということは、フランチャイザーの社会的信用やブランド力も強力になっていくということです。

フランチャイジーの成功は「フランチャイザーのビジネスをより強力にすること」につながり、フランチャイザーが更に成功することで「フランチャイジーがビジネスに取り組む基盤をより安定させること」が可能になります。

フランチャイズのロイヤリティとは

フランチャイズのロイヤリティとは、フランチャイザー(事業本部)から提供されるブランド力やノウハウに対する、対価のことです。
ロイヤリティには、主に3つの種類があります。

売上歩合方式

売上歩合方式とは、店舗の売り上げに対して、決まった割合で支払うこととなるロイヤリティです。ロイヤリティの中で、最も一般的なタイプでもあります。
売り上げとは、商品やサービスの販売額を合計したものです。仕入れや販売にかかる諸経費は、差し引きません。

売り上げが高いときも低いときも、ロイヤリティの割合は変わらないため、経営難でも負担は少ないです。
ただし、売り上げがいいときはロイヤリティも高いため、その分利益は少なくなります。
ロイヤリティの割合は、数%~50%程度です。

定額方式

定額方式とは、常に同じ金額のロイヤリティを納め続けるロイヤリティです。
売り上げが高くても低くても、ロイヤリティの金額は変わりません。利益を伸ばしやすい反面、売り上げが悪くなるほど、ロイヤリティの負担が重くなります。
概ね、数万円~10万円程度のロイヤリティが発生します。

粗利分配方式

粗利分配方式とは、加盟店が上げた利益を、本部と加盟店で分配するロイヤリティです。
利益とは、売り上げから諸経費を差し引いて残ったお金のことを指します。諸経費とは、商品の原価や販売にかかる人件費・広告費などを総合したものです。
利益の30~70%程度を支払うことが多いです。

ロイヤリティには業種ごとの相場

また、ロイヤリティには業種ごとの相場があります。

【業種ごとのロイヤリティ相場】
コンビニエンスストア:利益の30~60%程度
カフェ:売り上げや利益の3~10%程度
学習塾:入会金や授業料の10~50%
エステ・マッサージ:売り上げの5%前後
ハウスクリーニング:売り上げの50%前後 or 月6万円前後
※あくまでも目安です

ロイヤリティの仕組みや相場について、もっと知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。

ロイヤリティとは何か?フランチャイズを始めるなら必ず知っておこう

https://entrenet.jp/magazine/25146/

フランチャイズのメリットとは、直営店との違い

フランチャイズのメリットとは、どのようなものなのでしょうか。
また、フランチャイズの「直営店」とは何のことで、加盟店とはどう違うのでしょうか。

まず、フランチャイズのメリットとは、次のようなものです。

1.店舗を立ち上げるコストが安い
2.独立・開業のハードルが低い
3.広告・集客のサポートが厚い
4.経営が未経験でも安心して始められる
5.仕入れや人材募集が楽

フランチャイズのメリットとは、何といっても「独立・開業のハードルを下げられる」ことです。
少ない資金で店舗の立ち上げや運営ができ、フランチャイザーのサポートを受けながら、安心して経営を学んでいけます。中でも大きなメリットは、フランチャイズの集客力を利用できることです。最初から知名度の高い店舗で開業できるため、宣伝や集客のことを気にせず、目の前の仕事に集中できます。

次に、フランチャイズの直営店について解説しましょう。
直営店とは、フランチャイズの事業本部が直接経営・運営している店舗のことを指します。店長も、本部の従業員が勤めます。

フランチャイズのデメリットとは、開業時の注意点

フランチャイズのデメリットとは、どのようなものなのでしょうか。
また、フランチャイズ開業時の注意点とは、どんなことなのでしょうか。

まず、フランチャイズのデメリットとは、次のようなものです。

1.フランチャイズは本部選びが大変
2.ロイヤリティ分、利益は下がる
3.途中解約ができない場合が多い

加盟するフランチャイズ本部は、慎重に選ばなければなりません。本部選びに失敗すると、十分なサポートも受けられないのに、ロイヤリティだけを収め続けることにもなりかねません。
一般的に、ロイヤリティが高すぎる本部を選んでは、利益を出すのは難しいでしょう。しかも、フランチャイズには契約期間があります。途中解約すると違約金がかかることもあるので、事前にしっかり確認すべきです。
フランチャイズ開業時の注意点とは、ロイヤリティが高いか安いかだけで本部を選ばないことです。ロイヤリティとサポートの釣り合いが取れている本部を選びましょう。

フランチャイズで人気の業種とは

フランチャイズで人気の業種とは、どのような業種なのでしょうか。
ここでは、アントレnetで閲覧数の高い業種を例にとり、その特徴を紹介します。

【アントレnetで閲覧数の高い業種】
・コンビニエンスストア
・飲食店
・ハウスクリーニング

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアとは、まさにフランチャイズビジネスの代名詞です。
「フランチャイズといえばコンビニエンスストア」という人は、多いのではないでしょうか。
コンビニエンスストアの特徴は、マニュアルが厳しいことです。制約が多い反面、しっかりしたマニュアルがあるので経営未経験でも安心して仕事に取り組めます。

飲食店

飲食店の特徴には、ブランド力の高いフランチャイザー(事業本部)が多いことが挙げられます。
人気のブランドを選べば、集客面での不安を軽減できます。中には20億円以上を売り上げた「メガフランチャイジー」もあります。
『当たれば大きい』業種です。

ハウスクリーニング

ハウスクリーニングとは、清掃代行サービスのことを指します。共働き世帯が増えた現代において、家事にかかる時間や体力を少しでも節約したいというニーズは、見逃せないものです。
経験やスキルがある人にとって、活躍しやすい業種です。

フランチャイズの成功例

フランチャイズの成功例をみると、フランチャイズビジネスがいかに効率的なビジネスなのか理解できます。
成功例をいくつか見てみましょう。

ドミナント戦略で顧客を囲い込み:コンビニエンスストアA社

A社は全国的に有名な、コンビニエンスストアチェーンです。フランチャイズビジネスを活用し、何十年もかけて、店舗拡大を続けてきました。
A社の出店エリアには、ある特徴があります。「街中でA社のコンビニばかりを見る地域」があったかと思えば、「A社の店舗を1つも見ない地域」もあるのです。
実は、A社は「ドミナント戦略」という、「1つの地域に集中出店する戦略」を取り続けていたのです。特定のエリアに一気に出店することで、競合他社が顧客を作る前に、自社の顧客として堅く囲い込んできました。

戦略的な出店でブランディング:カフェB社

B社は、全国的に人気のあるカフェで、街中のおしゃれスポットを歩けば、B社のカフェを必ず見かけます。それも、近い距離で、何度も何度もです。
B社もまた、戦略的な出店をしてきたフランチャイザーです。地域の大きな駅には必ず出店し、駅から街への人通りに沿って、狭い範囲で店舗を集中させることで好立地かつ効率的に集客につなげています。そして出店するのは、必ず人目につきやすく、おしゃれな雰囲気の場所を選んでいます。
結果、「おしゃれな人はB社のカフェに行くものだ」といったブランディングが成功し、客足が途絶えなくなりました。

フランチャイズの失敗例

フランチャイズの失敗例の中でも多いのが、情報収集を怠ったことによるものです。
どんなビジネスでも、情報収集は大切です。情報とは、土地の特徴やニーズなどの、経営に直接かかわるものだけではありません。フランチャイズ本部のサポート体制や経営状況、ロイヤリティのことも、抑えておくべき情報です。
具体的な失敗例を、見てみましょう。

ロイヤリティの安さだけで選び失敗:ハウスクリーニング・Aさん

ハウスクリーニングが人気だと聞いて、フランチャイズ開業したAさんは、ハウスクリーニング業界のことをよく調べました。
業界の将来予測から土地ごとのニーズまで調べ上げ、完璧な立地とプランで店舗を立ち上げます。しかし、Aさんの店舗は、半年経たずに閉店してしまいました。
Aさんはハウスクリーニングの経験が一切なかったのに、サポート体制が不十分なことで有名なフランチャイザーを、「ロイヤリティが安いから」という理由で選んでしまったのです。

ほかの情報収集は完璧でも、たった1つの見逃しがあるだけで、Aさんのような失敗につながることもあります。

シミュレーションの間違いで失敗:カフェ・Bさん

昔からカフェを経営するのが夢だったBさんは、若者に人気のカフェで、フランチャイズ開業しました。
絶対に失敗したくないからと、フランチャイザーのことを徹底的に調べ、サポートが充実したチェーンを選びました。立地選びでも、主な客層である若者が多い地域を選び、準備は万端です。
しかし、Bさんのお店には、毎日数人のお客さんしか来ません。実は、Bさんが調べたのは土地の夜間人口だったのです。そしてBさんのカフェは、マニュアルで夜8時の閉店が義務付けられています。

夜間人口と日中の人口をうっかり間違えただけで、すべての準備が台無しになりました。

フランチャイズ開業のフローとは

フランチャイズ開業のフローとは、どんな流れで進んでいくのでしょうか。
最後に、フランチャイズの開業フローを、流れに沿って解説します。

各フローについて、より詳細に知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
フランチャイズ開業を成功に導くための、たくさんの秘訣をお伝えしています。

フランチャイズ事業の始め方と流れについて

https://entrenet.jp/magazine/13976/

フロー①:業界選び

自分に合っていて、長く続けられる業界を選びましょう。
『継続して意欲を持てるか、自分の生活サイクルに合っていて、無理なく働けるか』情熱だけでなく、現実的な視点を持つことが重要です。

フロー②:フランチャイザー(事業本部)選び

次は、フランチャイザーを選びます。
フランチャイザー選びのポイントとは、業界全体の中での「各フランチャイザーの立ち位置」を見ることです。社会的にも、業界的にも、信頼されているフランチャイザーを選びましょう。

フロー③:契約締結

フランチャイザー(事業本部)が決まったら、いよいよ契約締結です。
契約とは、法的拘束力を持った約束のことを指します。後から「想像と違った」といっても、途中解約はできません。それでも途中解約したい場合は、ほとんどの場合で違約金が発生します。
契約内容は、フランチャイザーごとに異なります。後悔しないよう、よく確認しましょう。

フロー④:開業準備

契約を締結したら、開業に向けたさまざまな準備が待っています。
フランチャイザーが開催する研修以外にも、自分で学べることがあれば、少しでも多く学ぶべきです。
ビジネスの成功に最も大切なものとは、経営者マインドです。経営者になる自覚を持って、できる限りの準備をしておきましょう。

フロー⑤:開業

開業とは、ゴールではなくスタートです。
研修や準備で疲れているかもしれませんが、開業した日からずっと、ビジネスは続いていきます。
研修で学んだことや準備したことを活かしながら、ビジネスを成長させましょう。

まずはフランチャイズ案件をみてみよう!

本記事では、フランチャイズとはどんなビジネスなのか、フランチャイズ開業を成功させるための秘訣とは何かについて、さまざまなことをお伝えしてきました。
成功例や失敗例を参考にしながら、自分ならどうビジネスを進めるか、考えてみるのも良いでしょう。

フランチャイズとは、事業本部にとっても加盟店にとっても利益のある、画期的なビジネスモデルです。
資金不足や経験不足から、独立・開業を諦めていた人にとって、フランチャイズは魅力的に感じるでしょう。
しかし、独立のハードルが下がったからといって、ビジネスそのもののハードルが下がったわけではありません。フランチャイズ本部のサポートを受けながら、経営者マインドを持って、仕事に取り組んでください。

「独立や開業には興味があるけど、資金が足りない」
「人生一度きり、チャレンジはしてみたいけど、不安が大きい」
という方には、フランチャイズでの開業をおすすめします。自分に合ったビジネスとフランチャイザー(事業本部)が見つかれば、適切なサポートを受けながら、経営者として成長していけるでしょう。

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PROFILE

赤塚 元基

新潟県新潟市在住のフリーライター。
SaaSなどのIT系、投資やベンチャー企業の動向、オウンドメディアなどビジネス系を主に執筆。
元記事はこちら
アントレSTYLE MAGAZINE
https://entrenet.jp/magazine/26427/