オーダーバッグの店を開いて約半年。やっとの思いで開拓した取引先は、テレビCMでおなじみの英会話教室。「販促用のロゴ入りバッグを頼みたい」との大口注文に気を良くして材料を大量注文したが、数週間後、その会社に経営破たんのうわさがあるというニュースが耳に飛び込んできた。急に担当者への電話がつながりにくくなり、思い余ってオフィスを訪ねると、「倒産いたしました」との張り紙がヒラリ。あんな有名な会社が、うそでしょ?
特に資金に余裕がない起業家にとって、大口取引先の倒産は、死活問題。どんな相手でも、新規取引を始める際は、その経営状態や信用度を厳しくチェックしよう。知名度や広告などによるイメージと実際の経営状態は関係ない。少し費用はかかるが、東京商工リサーチなど信用調査機関を使ってもいいだろう。また、独立直後は立場が弱いため、掛け売りや手形取引を持ちかけられるかもしれないが、できるだけ現金取引で、支払いまでの期間を短くしてもらえるよう交渉を。インターネットの発達により、相手の顔を知らないまま取引するケースも増えているようだが、まずは直接会って、相手の人柄を確認することをおすすめする。
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