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副業 独立の専門家に聞く

副業中の会社員でも簡単にできる節税対策は? ~副業を始める前に知っておきたい基礎知識

副業中の会社員でも簡単にできる節税対策は? ~副業を始める前に知っておきたい基礎知識

2017年は働き方改革の一貫で副業を解禁する企業が出てくるなど、「副業」に注目が集まった年でもありました。これから副業を始める方に向けて、税金面で気を付けることについてプライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺いました。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします!

ポイントは個人事業主と法人の「税率差」

副業が軌道に乗り、稼げるようになると気になってくるのが「いくら税金を支払うことになるのか?」ということ。
今回は、副業中の会社員でも簡単にできる節税対策についてお伝えします。

それは「個人事業主と法人を使い分ける」こと。
まずは個人事業主と法人が支払う税金の違いについて見ていきましょう。

【個人事業主が支払う税金は、以下の4種類です】

・所得税
1月1日から12月31日までの総収入金額から、必要経費や控除額を引いた金額に対してかかる税金

・住民税
住所のある都道府県及び市町村に納める税金

・消費税
売上時に顧客から支払われた消費税分から、自分が支払った消費税分(仕入れや経費など)を差し引いた額

・個人事業税
個人が行っている事業にかかる地方税

【法人が支払う税金は、主なものとして5種類挙げられます】

・法人税
法人の所得に対して課せられる税金

・法人住民税
登記簿に記載された都道府県、市町村に対して納める税金

・法人事業税
法人の所得に対して課される税金。事務所または事業所がある都道府県に対して納める

・消費税
会社が消費者から預かり、国に納める

・固定資産税
有価償却資産となる固定資産に対して課せられる税金

ここでポイントとなるのが、個人事業主の「所得税」と法人の「法人税」です。もし節税したい…と考えているのであれば、この2つの税率差に注目します。

まず、「所得税」の所得金額に対する税率は以下のようになっています。

195万円以下…5%
195万円〜330万円…10%
330万円〜695万円…20%
695万円〜900万円…23%
900万円〜1,800万円…33%
1,800万円〜4,000万円…40%
4,000万円〜…45%

一方、「法人税」の所得金額に対する税率は以下のように定められています。

800万円以下…15%
800万円以上…23.9%

例えば、所得金額が700万円だった場合、個人事業主であれば税率は23%、法人であれば税率は15%となり、個人事業主の方が割高になっています。

法人化のタイミングを見極める1つの指標

節税の観点で、個人事業主の「所得税」と法人の「法人税」の税率差を紹介しましたが、これはいつ法人化するか?と判断するときの1つの基準にもなります。

会社員で副業を始めて利益がマイナスとなってしまっても損益通算(副業で赤字が出た場合、給与所得から損失を引くことができる)で返ってくるので、まずは利益をきちんと出すことを目標にする。そして、副業で稼げるようになってから法人化するのも1つの方法です。

節税はあくまで手段であり、目的ではありません。まずは税金の知識をきちんと身に付けることを意識してみてくださいね。

PLOFILE
プロフィール写真

プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社
税理士 菅 彰裕

世界最大級のPwCグローバルネットワークのメンバーファームであるPwC税理士法人より独立開業。非上場企業、上場企業、日本居住者、非居住者と幅広いクライアントの業務を担当する。
業務内容は、オーナー企業の事業承継対策の検討、組織再編によるグループ会社の整理、事業承継のための株価対策、国内および国外のIPO支援、国内買収案件における税務デューデリジェンス、非居住者の国内投資にかかる税務コンサルティング、その他執筆サポートなど。

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