価格の決定が収入予測の基礎
収支計画とは、収入と支出の関係や、借り入れと返済の関係などを将来にわたって予測すること。それぞれを可能な限り詳細にシミュレーションしたい。すでに「独立前後の必要資金を割り出そう」の項目で支出の算出の基礎は済んでいる。あとは年数を経るごとに、各支出項目の金額がどう変化するかを予測・計画していけばいい。問題は収入の予測である。これを行うためには、まず、自分の商品やサービスの価格を決定しないといけない。そのためには価格相場を実地や資料(日本政策金融公庫総研が発表している『小企業の経営指標』など)で調べたうえで、それより高くするのか、安くするのかを複数の角度から検討して決める。一般的には仕入れ価格(原価)や必要経費を考慮して、採算ラインから価格を割り出す方法を取る。そこに、市場環境や立地条件などを加味して売り上げを予測するのである。一方、その観点とは反対に、先に価格帯を想定して、その金額で利益を出すことのできる商品選びや仕入れ方法、販売体制を考えるという方法もある。マーケティングの観点から言えば、後者が堅実な価格策定方法である。