アントレ-資金計画の立案-収支計画を立てよう

4.資金計画の立案

03収支計画を立てよう

価格の決定が収入予測の基礎

収支計画とは、収入と支出の関係や、借り入れと返済の関係などを将来にわたって予測すること。それぞれを可能な限り詳細にシミュレーションしたい。すでに「独立前後の必要資金を割り出そう」の項目で支出の算出の基礎は済んでいる。あとは年数を経るごとに、各支出項目の金額がどう変化するかを予測・計画していけばいい。問題は収入の予測である。これを行うためには、まず、自分の商品やサービスの価格を決定しないといけない。そのためには価格相場を実地や資料(日本政策金融公庫総研が発表している『小企業の経営指標』など)で調べたうえで、それより高くするのか、安くするのかを複数の角度から検討して決める。一般的には仕入れ価格(原価)や必要経費を考慮して、採算ラインから価格を割り出す方法を取る。そこに、市場環境や立地条件などを加味して売り上げを予測するのである。一方、その観点とは反対に、先に価格帯を想定して、その金額で利益を出すことのできる商品選びや仕入れ方法、販売体制を考えるという方法もある。マーケティングの観点から言えば、後者が堅実な価格策定方法である。

最低でも3年先まで予測を立てよう

価格設定や販売体制などが見えたら、再度、支払い額を検討し、収支の整合性をチェックしたうえで、計画書に反映する数字を決定していく。
加えて資金繰りも明らかにしておきたい。資金繰りの詳細は後で説明するが、要は、活動を継続するための資金を、どのぐらい、どうやって確保するのかを計画するすことだ。
また収支計画は、数年先まで立てよう。「あまり先まで考えても世の中はどうせ変化する」という意見もあるが、だから「考えない」ではなく、変化するなら修正を図ると考えるべきだ。先まで見渡せば、たとえば、「3年後に売上高2億円、単年度黒字」を目指すなど、事業のマイルストーンを決め、そこから逆規定して2年後、1年後を考えるという道筋がつくれるからだ。

事業収支・金融収支計画シート
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