アントレ-独立資金の調達-資金の調達方法を決めよう

5.独立資金の調達

03資金の調達方法を決めよう

借り入れるか、出資を受けるか

調達額が決まったら、次はどうやって集めるかだ。基本的な調達方法は2つ。
@融資を受ける。つまり、借り入れること。
A出資を受ける。こちらは会社など、法人の一部または全部の所有者になってもらうこと。どちらを選択するか(両方を選択する場合もある)の基準も2つある。
第一は、調達したい金額の大小である。金額が大きいほど出資が適し、金額が小さいほど融資が適すると考えていい。融資の場合、無担保で借りられるのは、いくつかの条件を満たしたとしても3000万円が限度。それ以上の額になると、担保が必要になる。だが、仮に5000万円を借りようとして、その分の担保を提供できる人がどれだけいるだろうか。大きな金額を調達したい場合は、出資を選択するほうが現実的である。
なお、経済産業省が定めた要件を満たすベンチャー企業への投資を行った個人投資家に対し、最高1000万円の所得控除を認めるエンジェル税制という制度がある。出資を縁故に求めるだけでなく、個人投資家(エンジェル)の資金を調達することも考えてみたい。
一方、調達したい額が数百万円以内なら、融資のほうが有力。金額が少ないほど回収の確率が高くなるので、融資側はゴーを出しやすく、逆に出資者にとっては、リターンが小さすぎて魅力が薄くなるからだ。

融資と出資の基本的な違い

資金調達方法の第二の選択肢は、他人から経営に口出しされるのがイヤか、かまわないかである。融資は金銭貸借上の関係なので、よほどのピンチにでもならない限り、経営に口を出されることはない。一方、出資は、出資者にその法人の所有者になってもらうことなので、金は返さなくてもいいが、口を出される可能性はある。もっとも合同会社の場合は株式会社と異なり、出資額の多寡にかかわらず、出資者の議決権をあらかじめ制限することが可能だ。選択した法人の種類によってこのへんの事情が変わることも念頭に置いておこう。

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