借り入れるか、出資を受けるか
調達額が決まったら、次はどうやって集めるかだ。基本的な調達方法は2つ。
@融資を受ける。つまり、借り入れること。
A出資を受ける。こちらは会社など、法人の一部または全部の所有者になってもらうこと。どちらを選択するか(両方を選択する場合もある)の基準も2つある。
第一は、調達したい金額の大小である。金額が大きいほど出資が適し、金額が小さいほど融資が適すると考えていい。融資の場合、無担保で借りられるのは、いくつかの条件を満たしたとしても3000万円が限度。それ以上の額になると、担保が必要になる。だが、仮に5000万円を借りようとして、その分の担保を提供できる人がどれだけいるだろうか。大きな金額を調達したい場合は、出資を選択するほうが現実的である。
なお、経済産業省が定めた要件を満たすベンチャー企業への投資を行った個人投資家に対し、最高1000万円の所得控除を認めるエンジェル税制という制度がある。出資を縁故に求めるだけでなく、個人投資家(エンジェル)の資金を調達することも考えてみたい。
一方、調達したい額が数百万円以内なら、融資のほうが有力。金額が少ないほど回収の確率が高くなるので、融資側はゴーを出しやすく、逆に出資者にとっては、リターンが小さすぎて魅力が薄くなるからだ。