必要情報はネットコミュニティで獲得可能
従来、マーケティングを実施するには、大規模の調査や統計・分析などが必要とされてきたが、インターネットの登場がこの事情を一変させた。
自分の事業に関連するテーマでサイトやブログをつくる、あるいはSNSを活用することで、あなたの取り組みに共感する人や興味を持つ人が即座に反応してくるはずだ。そういう人たちとコミュニティをつくり上げることにより、狙う層の属性や興味・関心から、事業に有用な情報までがほぼ無料で入手できる。また、コミュニティの中では誰が有力支援者かもわかってくる。誰(どんな人)をメインターゲットにすればいいか、その人たちに対して何を伝えれば喜ばれるか(反対に怒らせるか)まで把握することができる。商品やサービスの内容、価格や販売方法、さらに宣伝方法まで、自分ひとりでも、市場の声にもとづいた企画ができるというわけだ。
マーケティングの基本フロー
- 1. 市場環境の分析
- マーケティングの第一歩は、参入を予定している市場の環境分析を行い、その中に自分の商品やサービスを提供できるチャンスがあるかどうか、強い競合がいないかどうかなどを探ることにある。
- 2. 標的市場の設定
- 市場参入できると思えても、いきなり広大な市場にアプローチするのは難しい。自分の商品やサービスが、競争上、優位を保てる部分がどこかを抽出し、エネルギーを集中する分野を絞り込む。
- 3. ポジショニング分析
- 標的市場の中で、自分の商品やサービスがどんな位置付けになるのか、どんな点がユーザーに魅力と映るのか、競合に比べて優れている部分はどこかなどを分析し、市場におけるポジションを定める。
- 4. リサーチ
- 市場環境分析やポジショニング分析が正しいかどうかを判断するには、ターゲットの声を聞くのが近道。費用をかけずとも、知人や友人、さらにはメディアの傾向など、身近なところでも調査できる。
- 5. 商品開発・改良
- 調査結果にもとづいて商品やサービスを開発したり、改良したりしていく。ここが山場。当初のアイデアに固執しすぎてはいけないが、調査データに惑わされ本末転倒になるほどの変更にも気をつけたい。
- 6. 価格設定
- 原価の相場、競合状況、地域特性などのさまざまな市場環境や動向を主眼に、自らの売上高目標や利益目標なども加味しつつ設定する。が、価格に絶対的な正解はない。常に再設定できる姿勢を保ちたい。
- 7. コミュニケーション戦略
- ネーミングや宣伝など、商品やサービスに関する情報発信はもとより、モニタリングなどの情報受信、さらにはインターネット活用などによる同時的な情報受発信まで、市場との緻密な対話方法を構築する。
- 8. 流通戦略
- どう売るかを間違えると、優秀な商品やサービスといえどもユーザーには届かない。誰が、どこで、どのように販売するのか。商品やサービスの特徴と想定するターゲットとを結ぶ最適ルートを探り出す。